膵臓(すいぞう)患者支援団体であるNPO法人パンキャンジャパンの眞島喜幸理事長と小崎理事等が10日夕方厚労副大臣室に来訪。(下記要望内容)
またオンラインで全国の支部の代表の方々が参加。広島県からは認定NPO法人乳がん患者友の会きらら 中川圭理事長も参加されました。(広島県で4月にお会いしています)
【膵臓がん「がん遺伝子パネル検査」の保険償還制限見直しに関する要望書】
*5年生存率1%の転移性すい臓がん患者に希望を与えるゲノム医療を実現するために、診断時の「がん遺伝子パネル検査」の保健償還制限見直しを求めます
・最も難治性のがんであるすい臓がんは毎年4万2千人以上が罹患し、3万6700人以上が命を落としています。
・がん遺伝子パネル検査は標準治療後の患者を対象に保険適用されていますが、標準治療前の使用に対象を拡大し、患者が適切なタイミングで検査を受け、最適な治療を受けられるようにしていただきたい。
【膵臓がん生存率向上のための施策への要望書】
*すい臓がんの根治治療を目指し、研究成果を出すために十分な研究予算を割り当ててください。
・すい臓がんの原因究明、早期発見につながる血液検査等の開発、再発、転移がんを抑える治療薬の開発を進められるような支援
・すい臓がんの根治につながる研究開発を推進するために、日本癌学会や日本膵臓学会などの豊富な人的資源をもとにした研究コミュニティ形成や情報共有、研究を加速できるような資源の集約など、すい臓がん研究者への支援
・すい臓がん患者の現行の治療方法に関する海外との格差(ドラックラグ)を解消し、患者の選択肢を広げるための研究への支援
全国の皆様からも切実な声も伺いました。要望実現に向けて取り組んでまいります。
【NPO法人パンキャンジャパンとは】
NPO法人パンキャンジャパンは、2006年に米国非営利団体パンキャンの日本支部として設立しました。アメリカ本部のパンキャン(Pancreatic Cancer Action Network 略称:PanCAN)は、米国でも有数の膵臓がん患者支援団体で、米国国立がん研究所(NCI)の膵臓がん研究予算増額を目的とした活動や、シンポジウムの開催、膵臓がんに対する研究活動を支援する活動を行っています。
パンキャンジャパンは、膵臓がん患者さんとその家族を支援するNPO法人。5年生存率が全がん種の中で最も悪い膵臓がんの患者さんは、信頼できる情報をできるだけ早く得ることがとても重要です。パンキャンジャパンでは情報提供をはじめ、膵臓がんの早期診断・治療に関する研究促進のための支援など幅広い活動を行っています。
団体の設立は、眞島理事長が妹を膵臓がんで亡くしたことがきっかけでした。今から10数年前のことですが、当時はがん対策基本法ができる前で、膵臓がんについての情報がほとんどなく、世の中にがん難民があふれていました。また、セカンドオピニオンが全く浸透していなかったり、治療できる病院が限られていたり、使える抗がん剤が少なかったりするなど、さまざまな問題がありました。そうしたなかで、「膵臓がん患者さんを支援する仕組みが日本にも必要だ」と感じ、パンキャンの日本支部を設立することになったそうです。