参院は3月2日の本会議で、ウクライナを侵攻したロシアを非難する決議を採択しました。

採択された決議は、ロシアのウクライナ侵攻について、「武力の行使を禁ずる国際法の深刻な違反であり、国連憲章の重大な違反である」と指弾。

さらに、「力による一方的な現状変更は断じて認められない」、「欧州にとどまらず、アジアを含む国際社会の秩序の根幹を揺るがしかねない極めて深刻な事態である」と強い懸念を示しました。

そして、「ロシア軍による侵略を最も強い言葉で非難する」と表明し、「ロシアに対し、即時に攻撃を停止し、部隊をロシア国内に撤収するよう強く求める」と表明。

最後に「政府においては、本院の意を体し、ウクライナに在住する邦人の安全確保に全力を尽くすとともに、国際社会とも連携し、速やかな平和の実現のため、ロシアに対する制裁、ウクライナに対する人道支援を含め、事態に迅速かつ厳格な対応を行うことを強く要請する。」と決議しました。(下記全文)

【ロシアによるウクライナ侵略を非難する決議 令和4年3月2日   参議院本会議】

ウクライナをめぐる情勢については、昨年末以来、国境付近におけるロシア軍増強が続く中、我が国を含む国際社会が、緊張の緩和と事態の打開に向けて、懸命な外交努力を重ねてきた。

しかし、二月二十一日、プーチン・ロシア大統領は、ウクライナの一部である、自称「ドネツク人民共和国」及び「ルハンスク人民共和国」の「独立」を承認する大統領令に署名し、同二十二日、ロシアは、両「共和国」との間での「友好協力相互支援協定」を批准した。そして、同二十四日、ロシアは、ウクライナへの侵攻、侵略を開始した。

このようなロシアの行動は、明らかにウクライナの主権及び領土の一体性を侵害し、ウクライナ国民が有する戦争による恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を侵害するものであり、武力の行使を禁ずる国際法の明確な違反であり、武力による威嚇及び武力の行使を禁ずる国連憲章の重大な違反である。

力による一方的な現状変更は断じて認められない。この事態は、欧州にとどまらず、日本が位置するアジアを含む国際社会の秩序の根幹を揺るがしかねない極めて深刻な事態である。

本院は、ロシア軍による侵略を最も強い言葉で非難する。そして、ロシアに対し、即時に攻撃を停止し、部隊をロシア国内に撤収するよう強く求める。また、プーチン大統領が核使用を前提とするかのような発言をしているのは言語道断であり、唯一の被爆国として非難する。

本院は、改めてウクライナ及びウクライナ国民と共にあることを表明する。

政府においては、本院の意を体し、ウクライナに在住する邦人の安全確保に全力を尽くすとともに、国際社会とも連携し、速やかな平和の実現のため、ロシアに対する制裁、ウクライナに対する人道支援を含め、事態に迅速かつ厳格な対応を行うことを強く要請する。

右決議する。

(福岡資麿君外十一名発議)