高松市・丸亀町商店街の中心地の一角に「讃岐おもちゃ美術館」が本年4月にオープン。25日、初代館長の中橋恵美子さんとお会いし、館内を見学、概要等を伺いました。
素晴らしい取り組みに大変共感致しました。
全国各地の「おもちゃ美術館」の9番目の姉妹館。近県や県内旅行が注目されるコロナ禍において、香川県内の新たな観光スポットとしても期待を集めています。
香川県内の職人が手がけた県産木材などを使った約5000点の玩具で遊ぶことができる同館。広さは1100平方メートル。おもちゃだけでなく、床などの内装も木製で、館内には木の香りが漂う。松葉に見立てた手まりで造形する盆栽のおもちゃや、小豆島のしょうゆ蔵で作られた木おけなど、多彩なおもちゃがあります。
中橋館長が理事長を務める、子育て支援活動をする「認定NPO法人わははネット」が運営します。養成講座を受けてボランティアとして遊びを案内する「おもちゃ学芸員」は108人が登録。企業からのボランティア学芸員の方とお話ししました。これも素晴らしい取り組みです。
館内には、香川の魅力を伝えるショップや県産食材にこだわったランチやスイーツが楽しめるカフェが併設されています。
中橋館長は、「子どもたちに香川の伝統工芸を肌で感じてもらい、古里を愛する気持ちを育んでほしい」と力を込めます。
24年間子育て支援に取り組まれた経験から槌かれたお人柄が魅力の中橋館長。自然と人と人の輪が出来ています。
スタッフの皆様に挨拶。私も応援してまいります。
開館時間は午前10時~午後0時半と午後1時半~4時の入れ替え制。木曜休館。
入館には事前のネット予約が必要(https://sanuki-toymuseum.com/別ウインドウで開きます)。
入館料は大人(中学生以上)900円、子ども(生後6カ月~小学生)700円。半年間有効の平日パスポートは大人3500円、子ども2500円
【中川恵美子プロフィール】
中川恵美子氏は坂出市出身。四国学院短大卒業後、香川県内の建設会社に就職。結婚を機に退職し、茨城県つくば市に移り住んで専業主婦。
慣れない土地での子育てを経験し、夫の転勤に伴って3年後に香川に戻る。自身の経験から多くの人が子育てしやすい環境を作ろうと仲間を募り、地域密着型の子育て支援サークル「わははネット」を設立(平成10年)。平成15年には「親子のいこいの広場事業」を開始。平成16年には「子育て応援タクシー」事業等、育児に悩む多くの人に寄り添ってきた。平成24年、経済産業省のソーシャルビジネス55選に選出される等、地道な活動が認められ、平成30年(2018年)秋には全国で2人目となる「女性活躍推進降功績」で藍綬褒章を受章。
【讃岐おもちゃ美術館の紹介】
1.コンセプトは「香川生まれを誇れる場所」
当館のコンセプトは「『ここ香川に生まれて良かった』と思ってもらえる場所」です。香川には素晴らしい伝統工芸品があり、素晴らしい職人さんがたくさんいらっしゃいます。子どもの頃から「本物」に触れてほしいと思い、伝統工芸品を展示するとともに、職人の方々に遊具やおもちゃ作りをしていただきました。
2.遊具・遊び場にも「職人の仕事」
時とともに姿を変える「漆塗りの滑り台」や本物の盆栽職人が監修した「讃岐かがり手まり」の盆栽。磁石のついた盆栽は子供たちの人気です。
3.木と香川
「随所に使われる香川の木」
遊具やおもちゃには県産の木が多く使われています。入り口正面に入ると出迎えてくれるシンボルツリーはまんのう町産のヒノキ、その周りのラウンドテーブルにも塩江町産の木材が使われています。
4.伝統工芸への思い
現在は技術が発達して、たくさんのものを作れるようになりました。伝統工芸品は手間がかかる、効率の悪いものかもしれません。それでも伝統工芸を絶やすまいと作り続けている方々がいます。
全国にある「おもちゃ美術館」共通の目標として「文化を伝える美術館」であることがあります。洋の東西を問わず、木の文化や昔ながらの遊びなど「文化」や「知恵」を絶やさないためにも、遊びを通じて次世代に語り継いでいきたい。