参議院議長班 シンガポール訪問2日目。8日午後、国会議事堂での行事の後、PSA コーポレーションを訪問し、パシル・パンジャン港ターミナルを視察しました。
日本の海事振興議員連盟の議員として、日本の横浜、関西の港湾や中国・四国の重要港湾を廻ってきた人間として、シンガポール港の近代化、スケールの大きさに驚きました。本日の視察を今後の日本の施策に活かしてまいります。以下視察の内容です。
コンテナ世界2位のシンガポール港。PSA社展望階で、紹介 DVD を観覧し、Ms. CHONG Shin Yen氏から説明を受けました。
また自動クレーンオペセンター、PSAイノベーションセンター等視察しました。
PSA コーポレーションはシンガポール港湾庁(Port of Singapore Authority)という政府機関でしたが、1997 年に民営化し、シンガポール港の管理運営に加え、世界の港湾施設のコンサルティング・管理運営業務を受注しています(17 カ国 29 港に関与)。
今回視察したパシル・パンジャン港ターミナルは、シンガポールの港湾の中で最も大きなターミナルです。同ターミナルは最大水深 18mのコンテナバースがあり、世界最大級のコンテナ船を収容できる設備を備えています。シンガポール港のコンテナ取扱量は世界第2位(1位は上海)だが、船舶数では世界1位。
また、シンガポール港は情報通信技術を駆使。クレーン作業やトラックの作業など全自動化を実施。自動クレーンオペセンターを見学。
パシルパンジャンターミナルのクレーン148機をオペレーターで管制室からリモートコントロールしています。
またトラックでの荷物搬入・搬出作業も PSA・船会社・荷主など関係者を繋ぐネットワークシステムがあり、船・積荷の状況がどうなっているかを関係者がリアルタイムで知ることができます。
具体的にターミナルの入口にはゲートがあり、港湾施設内に荷物を搬入・搬出するトラックが通過する際、セキュリティチェックを受けます。
セキュリティチェックではトラックのナンバープレート、コンテナ番号、重さを確認する作業を行いますが、それら一連の作業にかかる時間はわずか約 25 秒となっています。またゲートを通過した際に、情報がクレーンオペレーターに伝えられ、同時にトラックの運転手にはどのヤードに行かなければならないか案内されるため、効率的に作業を進めることができるように整備されています。
現在シンガポール政府は、シンガポール南西部に建設中の新港「トゥアス港」の第1期工事が完成し、昨年9月正式に開港。今後4段階で開発し、2040年代の最終完成時には世界最大級の完全自動化ターミナルとなる見通し。また、2050年までに温室効果ガス(GHG)排出ゼロ(ネットゼロ)を目指しています。
今後、この国内5ターミナルを段階的に閉鎖し、最終的に全ての港の機能をトゥアス港に集約する計画です。
リー・シェンロン首相は開港式典で「トゥアス(新港)は次世代の港となる」と述べました。完全自動化ターミナルとなるだけでなく、超大型化しているコンテナ船舶に対応。また、シンガポール海事港湾庁(MPA)は港内の混雑化に対応するためにも、人工知能(AI)と機械学習を活用した次世代の海上輸送管理システムの導入も計画されています。