10日、福岡市内のアスクル(株) 100%子会社の ASKUL LOGIST(アスクルロジスト)(株)(本社:東京都江東区)福岡物流センターを視察。
同行者は、公明党塩出麻里子県議、NPO法人輝「HIKARI」の金子訓隆代表理事。今回紹介いただいた厚生労働省 福岡労働局の小野寺徳子局長、佐々木峰子障害者雇用担当官が同席。
人事総務部の坂井博基人材開発課長から「地域社会と連携した障がい者雇用」の概要を伺い、施設内の働きぶりを見学。
アスクルロジストは、アスクルが展開する 事業所向け通販「ASKUL」と個人向け通販「LOHACO」で販売する商品の出荷・配送業務を担い、全国 10カ所の物流センターの運営を行っています。
九州全県と中国地方への出荷・配送を担うのが福岡物流センター。
2012年に特別支援学校から新卒者を採用して以降、毎年採用を行い、2023年12月時点では、福岡物流センターの社員300名のうち63名を障がい者社員が占めています。
福岡物流センターにおける障がい者の雇用率は19%、法定雇用率は30%に達し、センター内でのピッキング、商品補充、梱包、検品、事務など幅広い業務に従事しています。応募者に対しての採用率は10年間で100%を実現、定着率は80%に達し、年次の長い障がい者社員はリーダー職に就き、主力のスタッフとして活躍しています。
このような雇用を可能にしたのは“障がい者雇用は慈善活動ではなく、事業活動”であり、“障がい者支援ではなく戦力として育成する”という採用側の強い想いと徹底した協力体制。
入社前の「インターンシップ」による事前準備から、入社後少なくとも3年間に渡る「支援会議」などのフォローアップを地道に実践することで、個人のみならず、組織全体の生産性向上という結果を生み出しています。
代表的なプログラムのひとつは、入社前の「2か月間事前実習」。特別支援学校と家族を巻き込み、障害の度合いや個人の特性を実習期間中から一人一人把握し、本人に適した訓練メニューを考えたうえ反復して理解を促進するものです。これにより、障がい者は入社後には即戦力として働くことができるようになります。
このほか、入社後に毎日、採用者・本人・家庭との間でやり取りする「コミュニケーションノート」を始めとしたフォローアッププログラムや、一人一人に合わせた成長プラグラム実施の結果、そのプロセスで他の社員も成長ができる土壌が育まれ、生産性の向上に繋がっています。
ピッキング・梱包の現場を視察しましたが、生き生きと仕事に従事されその速さと正確さに驚かされます。
安心して働ける環境づくりを図り、ダイバーシティを推進されている坂井課長らのリーダーシップに大変感銘を受けました。ありがとうございました。