8日夕方、公明党厚生労働部会・障がい者福祉委員会合同会議で東京都盲ろう者支援センターを視察しました。

三浦信祐障がい者福祉委員会委員長、竹谷としこ参議院議員と共に5名の衆参国会議員で訪問。
認定NPO法人 東京盲ろう者友の会 藤鹿一之理事長、事務局次長 小平純子副センター長、盲ろう児支援担当 星祐子さん、渡井秀匡さんらから現状と課題、要望を伺いました。

視覚と聴覚の両方に障がいがあるためにコミュニケーションが取れず、自己主張ができないといった盲ろう者。「心のスイッチを入れる支援があるかないかで劇的に状況が変わる障がいである」と言われています。
東京都盲ろう者支援センター内の盲ろう者の訓練事業:コミュニケーション訓練や生活訓練。また点字ディスプレイ等の機器の取扱いなど渡井さんから説明を受け、見学致しました。
点字ディスプレイの活用で点字・墨字の文書閲覧や作成、音楽・デイジー図書など音声コンテンツ作成。インターネットに接続でき、メールやWeb閲覧やアプリケーションの使用等が出来ます。

これを使えないと情報が遮断され、まったくコミュニケーションがとれなくなり、災害情報もわかりません。また幻覚なども起こり、生存の危機ともいわれています。
下記内容がその要望です。

【要望】

1.盲ろう者が独力で使用できる点字ディスプレイ「ブレイルセンス」等の情報端末に関する要望
①障害等級に関わらず、必要な盲ろう者に点字ディスプレイの給付をして下さい
  現状の2級以上(視覚及び聴覚の障害等級)でないと給付受けられない。非常に高額(50万)。
⓶耐用年数6年を3年に短縮して欲しい。また修理代(10万円以上修理代がかかり、経済的負担が大変)の補助などの支援を。

*点字ディスプレイは、障害者総合支援法に基づく地域生活支援事業の日常生活用具(市町村の必須事業)の情報・意思疎通支援用具。
給付は市町村で決定。金額など自治体に差があり、裁量的予算のため、国からの支給は半分ではなく約33%ほど。

補装具費支給事業(障害者総合支援法に基づく自立支援給付)の対象になると、利用者負担は原則1割(応能負担)。財源も義務的経費。
補装具の概要は身体的機能を補完または代替し、かつ長時間にわたり、継続して使用される用具の購入等の費用を支給とあります。
給付対象種目にはALSの方々が利用する重度障害者用意思疎通伝達装置が入っています。

2.盲ろう児支援事業について *盲ろう児支援担当の星さんの案内で見学させていただきました。
・6月から事業開始(日本で初めて)
・相談事業(来所・電話・オンラインによる相談8件。訪問による相談・研修2件)
・交流事業(盲ろう児と家族の交流会 2回 盲ろう児5名、家族8名 計13名)
・広報・啓発事業
(主な課題)
1.就学前の盲ろう児と家族の方等への情報提供とセンターの利用
2.医療・保健・療育期間等との連携など

上記の要望について、公明党として対応を検討し、厚労省やこども家庭庁とも連携し、進めてまいります。本日は大変にありがとうございました。

【盲ろう者とは】
「目(視覚)と耳(聴覚)の両方に障害を併せ持つ人」のことをいいます。盲ろう者は日本全国に1万4329人ほどと推計されています。
65歳以上 1万1千人(77.4%)。男性6千人(41.8%)、女性 8200人(57%)。
盲ろう障害は、目と耳という人間の主要な2つの感覚機能に障害を併せ持つため、情報入手・コミュニケーション・移動など、さまざまな場面で困難が生じます。
したがって、従来の「視覚障害」や「聴覚障害」といった単一障害に対する支援のみならず、「盲ろう」という障害の独自性に応じた支援が必要になります。

【盲ろう者の障害の状態・程度】
「盲ろう者」と一口に言っても、その障害の状態や程度は様々です。見え方と聴こえ方の組み合わせによって
全く見えず聴こえない状態の「全盲ろう」2300人(15.9%)、見えにくく聴こえない状態の「弱視ろう」1100人(7.7%)
全く見えず聴こえにくい状態の「全盲難聴」5900人(41.2%)、見えにくく聴こえにくい状態の「弱視難聴」(26.3%)という4つのタイプに大別されます。

【東京都盲ろう支援センター】
「コミュニケーション方法を身に付けたい」「身の回りのことが自分でできるようになりたい」「話し合える仲間がほしい」「困っていることを相談したい」…。
東京都盲ろう者支援センターは、盲ろう者が安心して日常生活を送れるようにサポートし、自立と社会参加の促進を図ります。
センターは東京都の補助を受け、「認定NPO法人東京盲ろう者友の会」が運営しています。