参議院 予算委員会 第11号 令和3年3月15日

○下野六太君 ありがとうございます。是非よろしくお願いします。
 次に、引きこもりに関して伺います。
 引きこもり状態のお子さんを抱え、誰にも相談ができず、家族ごと社会から孤立している御家族もたくさんおられます。私は教師時代、不登校の子供たちに寄り添わせていただき、不登校解消に至った経験を持っています。
 内閣府の調査によると、十五歳から三十九歳までの不登校を含む引きこもりをされている方々は約五十四万人、四十歳から六十五歳までの大人の引きこもりの方々は約六十一万人。少なく見積もっても計百十五万人の方々が引きこもりに苦しんでおられます。これは日本の全人口の約一%に相当する人数であります。また、八十代の親御さんが五十代の引きこもり状態にある子の生活を支える八〇五〇問題も喫緊に取り組むべき課題であり、昨年の本会議では、我が党の山口代表が包括的支援体制の整備が急務であると総理に質問をされました。
 引きこもり支援の状況について、厚労省の見解をお伺いします。
○副大臣(山本博司君) 引きこもり状態にある方の支援につきましては、厚労省では従前から、都道府県、指定都市にひきこもり地域支援センターの設置を進めてきたほか、市町村における相談窓口の明確化や居場所づくりなどの環境整備を進めております。これに加えまして、就職氷河期世代支援プログラムによりまして、自立相談支援機関へのアウトリーチ支援員の配置や、支援員の核となる市町村プラットフォームの設置など、取組を加速化しています。
 また、八〇五〇問題など地域住民の複雑化、複合化した支援ニーズに対応するため、来月から施行される改正社会福祉法に基づき、新たに重層的支援体制整備事業を創設し、市町村における包括的な支援体制の構築を進めていきます。
 さらに、令和二年度第三次補正予算では、SNS等を活用したオンラインでの居場所づくりや引きこもり当事者によるカウンセリングの実施などを盛り込み、コロナ禍においてもつながりを持ち続けるために必要な予算を確保しております。
 引きこもり支援につきましては、個々の状況に応じて丁寧に寄り添うことが何より重要であると考えておりますので、様々な支援の選択肢を用意しつつ、また当事者や御家族の声も聞きながら、引き続き精力的に取り組んでまいります。