参議院 予算委員会 第15号
○山本博司君 公明党の山本博司でございます。
初めに、東日本大震災でお亡くなりになられた方々に心からお悔やみを申し上げます。また、今なお大変に厳しい状況に置かれている被災者の皆様に心からお見舞いを申し上げる次第でございます。さらに、この未曽有の大震災と原子力災害の現場で本当に尽力されている皆様に、心から敬意と感謝を表したいと思います。
公明党は、震災後、山口代表を始めとして、我々国会議員も現地を駆け回り、被災者の方々とお会いしながら、現地の公明党の地方議員と連携をし、要望を聞いてまいりました。その切実な声を受けまして、これまで政府に具体的な提案をしてきたところでございます。
そうした中、震災から、発生して二か月が経過をいたしました。今なお十万人近い人たちが避難生活を送っておりまして、仮設住宅の見通しもはっきりしない、こういう状態が続いております。被災者の方たち、過酷な避難生活で本当に疲労はピークに達しております。
そこで、菅総理にお聞きをしますけれども、この二か月を経過をして、避難所の方たちの生活環境、どのように認識をされているでしょうか。
○内閣総理大臣(菅直人君) 私もこの間、幾つかの避難所を訪れ、避難されている皆さんあるいはその自治体の関係者、また避難を受け入れている自治体の関係者の皆さんともいろいろとお話を聞いてまいりました。
もう発災から二か月を超えまして、本当に皆さん、大変な生活を余儀なくされておられます。一般的には食料とかそういうものは若干よく流通するようにはなっているようでありますが、まだ場所によっては、お風呂にたまにしか入れないとか、もちろんプライバシーといったものが維持できない、あるいは子供が学校に行っても避難所ではなかなか落ち着いて勉強ができないとか、本当に生活の上での御苦労をいただいております。何とか、一つは、仮設住宅に移りたい希望の方には移れるようにその作業を、これは国、自治体を含めて全力を挙げているところであります。
〔委員長退席、理事森ゆうこ君着席〕
また一方では、先の見通しがないと、例えば二次的な避難所で、もしよければホテルとか旅館などで受け入れてもいいというのがあってもなかなかそちらに思い切って行くということにならないということもありまして、そういう点では、東電が工程表を出して一か月近くになりますけれども、そのステップツーが予定どおり完了すれば、そのころまでには、いついつにはこういうことができるできないがある程度明確に避難の方に伝えることができるということも私も出かけたときには申し上げております。
いずれにしても、大変厳しい生活を余儀なくされている皆さんに、全力を挙げてやれることは何でもやるという姿勢で取り組んでまいりたい、こう思っております。
○山本博司君 七割の方たちが不安を抱えていると、こういうアンケートも出ております。政治は結果責任でございます。この非常事態の宣言、この事態、しっかり総理は対応していただきたいと思います。今、実際避難生活の中でも、上下水道であるとか電気が回復していない、こういうところもまだございます。また、栄養のバランスとか入浴の問題とか、様々な点で避難所ごとの格差もございます。
憲法の第二十五条では、健康で文化的な最低限度の生活、これを保障をしております。その意味で、衛生面であるとか食事の面、一層注意をして、ガイドラインを作るということも含めてやることが大事だと思います。厚生労働大臣、この点いかがでしょうか。
○国務大臣(細川律夫君) 山本委員にお答えいたします。
今、避難生活二か月以上たちまして、大変長期化いたしております。避難者の方も体力もだんだんと低下もしてきておりますし、これから梅雨どきあるいは暑くなってまいります。そうしますと、脱水症であるとか、熱射病とか、あるいはまた感染症、あるいは食中毒、こういうことも大変心配されるわけでございます。そういう意味では、衛生面についてしっかり指導もしていかなければというふうに思っております。
これまで、保健師さんを中心に巡回をいたしながら、いろんな、換気の問題あるいは手洗いの問題とか、そういうことも指導しながら、特にお年寄りについては重点的に支援をさせていただいております。また、管理栄養士さんを中心に栄養面、これについてもしっかり指導をさせていただいて、体力が落ちないようなそういう工夫もさせていただいているところでございます。
そして、今委員も言われました、健康管理につきまして、ガイドライン、このようなものを作ってはどうかという御提言でございます。多方面の分野を横断するような、そういうガイドラインも今作っているところでございまして、委員の御指摘のような形で進めてまいりたいと、このように思っております。
○山本博司君 しっかり対応していただきたいと思います。
総理にお聞きをしますけれども、総理は震災関連死という言葉を御存じでございましょうか。もし御存じであれば、いつごろ認識をされましたでしょうか。
○内閣総理大臣(菅直人君) 厳密な定義ということであるかどうかは別として、例えば避難をした方が、従来の、病気の方の場合は病気の治療が十分でないとか、あるいはお年寄りの方で、生活のいろんな意味の肉体的あるいは精神的ストレスによって命を失われる、そういう方がかなり出ておられるということで、そういう方のことを関連死と言うというふうに認識をいたしております。
いつから認識をしたかということでありますが、これはそれに入るかどうか分かりませんが、最初の発災から数日の間に、いろいろと避難を要請する中で、老人、いわゆる高齢者の施設の中で結果として移動に伴ってその直後に何人かの方が亡くなられたということも聞きまして、発災の余り時間がたたない中でそういうニュースを耳にして、やはり災害関連という形で亡くなられたんだなと認識をいたしました。
○山本博司君 今の総理言われました形で、命が助かって、津波、地震乗り越えられた方々が実際そうやって亡くなっていらっしゃる。例えば、宮城県の気仙沼では、体育館で避難所生活を送っていた八十歳以上の十人が死亡されました。岩手県釜石市でも、浸水で停電した病院に入院をしていたお年寄り十三人が肺炎で亡くなりました。岩手県の陸前高田市でも、介護施設の入所者十五名が避難先で死亡をしました。福島でも、避難指示を受けて移送中や移送後、お年寄り十八人が亡くなっておられます。
今回の被災者は、津波で大変体をぬらした方がたくさんいらっしゃいます。しかし、ガソリン、燃料がない、暖房のない避難所の厳しい寒さに見舞われたわけでございます。ですから、この一週間から二週間の間で多くの方が亡くなっているということを聞いておりまして、その初動のやっぱり政府の対応、これが間違っていたんじゃないか、遅かったんじゃないかという指摘もございます。
ある報道機関では、ある地域、災害拠点病院に電話をしてその実態を確認をしたそうでございます。そうすると、三月中に二百八十二人が震災関連死ということで亡くなったのではないかという報道もございます。その意味で、全体の実態は分かりませんけれども、やはりこうしたことがあってはならない、一人の人でも命を救っていく、これが大事ではないかなと思います。
その意味で、厚生労働大臣、この震災関連死に対する対策、いかがでしょうか。
○国務大臣(細川律夫君) この災害で亡くなったんではなくて、せっかくの、災害で生きられたといいますか、残った、その方が災害関連死ということで亡くなるということは、これは大変残念なことでございます。したがって、そういうことがないような形の努力を私どもはしていかなければと、委員と同じでございます。
そういう意味で、今委員が具体的に挙げられたことや、あるいはこれまでの災害、神戸のとかあるいは新潟での震災などでも、やはり肺炎などの呼吸器の関係、あるいはまた心不全、これは循環器系、あるいはまたエコノミー症候群などで亡くなられた。したがって、そういうことに特に気を付けてフォローをしていく、そのことがこの災害関連死をなくしていくことだろうと、こういうふうに考えております。
〔理事森ゆうこ君退席、委員長着席〕
したがって、慢性疾患を抱えておられるお年寄りの方とかそういう方に対しては特に注意をいたしまして、保健師などあるいはお医者さんなどによって服薬の指導とかこういうことと、それから栄養面の指導など、特にそういうことに気を付けてやっていかなければと、またやってまいるつもりでございます。
○山本博司君 現実、石巻では、こういう在宅でいらっしゃる方々に対して、九千人ぐらいいらっしゃる、同じように避難所でも九千人ぐらいいらっしゃる、医療チームの方々が真剣になって一軒一軒訪問しながら、千四百世帯ぐらい回って訪ねていったということがございました。二百人ぐらいが医療が必要だというふうな状態があったと、そういうことも言われておりまして、真剣にやはり現場では頑張っていらっしゃいます。それを国がサポートしていく、それが大事でございますから、真剣にやっていただきたいと思います。
この震災関連死に関しましては、本当に対応が遅れております。阪神大震災のときには、兵庫県内の死者六千四百二人のうち九百十九人がこの震災関連死と認められまして、災害弔慰金の対象となっておりました。今回の震災は、被災地域がもう広範囲でございますから、多くの方が増えるんではないかという予想もされております。
実際、この震災関連死は、各市町村が遺族に基づいて震災との因果関係を調べて判断して、認定されれば五百万円の最大、災害弔慰金が支給されるわけでございます。ところが、具体的に国の統一基準がない、こういうこともございまして、市町村では大変判定作業が困難を極める、こういうこともございます。
阪神大震災のときには、神戸とか尼崎とか西宮の六市で医師とか弁護士から成る認定委員会がつくられまして、具体的に推進をしたわけでございます。その意味で、今後のことを考えましたら、そういう支援を含めてしっかり災害弔慰金の支給に関しましても推進をすべきと思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(細川律夫君) 委員がおっしゃるとおりだというふうに思います。
この震災の関連で亡くなった方、その遺族の方に一刻も早く災害弔慰金を差し上げるということは、これは行政にとってもしっかり早く進めていかなければというふうに思っております。
そこで、地方自治体でこの関連死かどうかということの認定についてなかなか難しい、したがって時間も掛かると、こういうことでございます。そこで、その際、私どもとして協力できること、これは、これまでに起こった震災で震災関連死ということで認定をされた、あるいは認定されなかった、そういう事例を集めまして、それを今回、被災地の自治体の方に示しております。それを参考に早期に認定をしていただけたらというふうに思っているところでございます。
○山本博司君 しっかりその辺も含めてお願いをしたいと思います。
今、最も優先すべきものといいますのは、そういう避難されている方々の環境整備、これが大事でございます。仮設住宅の建設とか瓦れきの撤去、こうした形での被災地の復興への道筋を示すと、こういうことが大変必要でございます。そのためにも、雇用創出に直結する瓦れきの処理とか、道路、港湾の復旧に向けた事業などが盛り込まれました今回の第一次補正予算の早期執行、これが急がれるわけでございます。政府はスピード感を持って対応していくと、こういうことを真剣にやっていただきたいと思います。
こうした復旧に向けた具体策や目標を明示するために政府は被災者支援の基本方針をまとめていくと、こういうことが言われておりますけれども、この方針に関しまして検討状況をお伝えをいただきたいと思います。
○国務大臣(松本龍君) お答えいたします。
大変重要な御指摘だと思います。私ども、四月の初めから、岩手、宮城、そして福島で九百か所の避難所の状況を把握をしてまいりましたし、四回目の定点観測を各県二点ずつ今やっているところであります。
そういう意味におきまして、これから、検討もうしているわけでありますけれども、来週をめどに、今二か月たちましたので、当面、五月、六月、七月、大変雨の多い時期、暑くなる時期に向けてこれからの対応ということで、三か月程度の間に国、県、市町村が被災者の生活の平常化ができるように取り組んでいく政策を取りまとめているところであります。現在、政府部内で調整を行っていますけれども、被災各県にも御意見を伺うことが必要だと思っておりますので、それを伺って来週中にも決定をしたいと思っております。
○山本博司君 もう、すぐ対応していただきたいと思います。
次に、災害弱者の対応ということでお伺いをしたいと思います。
一番今回震災で直接的な影響を受けられたのが、こうした高齢者の方々とか障害者の方、災害弱者と呼ばれている方々でございます。今回、死者が一万五千名と言われておりますけれども、身元の分かった方の半数以上が六十五歳以上の高齢者とも言われております。また、障害者の方も多く亡くなっておられます。
今日、聴覚障害の方々の国会の請願ということでお話をお伺いをしました。聴覚障害の方々、実際三県で、ある団体の会員数が千四、五百名いらっしゃるそうでございますけれども、多くの方々、耳が聞こえない聴覚障害の方々がやっぱり津波のそうしたことが分からない、そういったことで、通常の方々の死亡の数と比べて一%近く高いというふうなことも言っていらっしゃいました。その意味で、この災害弱者の方々の支援というのは必要だと思います。
阪神・淡路大震災での経験を踏まえまして、各自治体では、地域の防災計画において、高齢者、障害者、乳幼児、児童、日本語に不慣れな外国人などの要援護者を災害弱者と、このように規定しまして様々な支援の対象としております。ですので、こうした支援というのは、平時の段階から事前の対策、これが必要でございます。
平成十七年に災害弱者対策の指針として災害時要援護者の避難支援ガイドライン、これが作成をされました。この中では、援護が必要なお一人お一人の台帳、情報を共有をして、具体的に障害を持っていらっしゃる方々、高齢者の方、一体誰がどういう形で避難計画を持っていくのか個別計画を立てて、各市町村の体制の整備、このことを求めているわけでございます。
片山総務大臣にお聞きしたいと思います。この要援護者の支援体制の各自治体の実施状況、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(片山善博君) 災害時に援護を要する方々の避難の支援体制というのは非常に重要だと思います。それはもう御指摘のとおりであります。一人一人の方の事情を把握をして、それを共有しておくということが平時から重要だろうと思います。
御質問ありましたように、取組状況はどうかということでありますが、平成二十二年三月三十一日時点におきまして、この要援護者対策の取組方針を示した全体計画を策定済みと回答を寄せました市区町村の割合がまだ六三・一%でありますが、平成二十二年度中には策定をする予定だと回答した市区町村を含めますと九六・九%になりますので、この成り行きを見ていきたいと思います。それから、要援護者名簿を整備中と回答した市区町村の割合は八八・七%でありますし、個別計画を策定中と回答した市区町村の割合は七二・七%であります。
進んでいるという見方もできますけど、まだ残っているところが多い現状でありますので、消防庁といいますか、総務省として該当の自治体には早急に整備をするように働きかけていきたいと思います。
○山本博司君 このガイドラインでは、福祉避難所の整備ということもこの中には入っているわけでございます。今回、被災をされた三県、障害者の方々が約三十万人と言われております。また、実際、要介護の方々も二十二万人ぐらい、多くの方々がいらっしゃいます。実際、その方たちが今回、特養が流されたりとか、障害者の方のグループホームが流されたりとか、いろんな形で全国に散らばっていらっしゃるという現状がございます。その意味で、この福祉避難所というのはそういう方々が安心をして避難することができる、そういう意味では大変大事な役割ということでこのガイドラインには書いているわけでございます。
現時点での福祉避難所の整備状況、また活用状況、このことはいかがでしょうか。
○国務大臣(細川律夫君) 委員が御指摘の福祉避難所という施設でございますけれども、これはその計画によりまして事前に福祉避難所ということを指定をすると、こういうことになっておりまして、今回の震災の三県では、宮城県が百七十七か所、岩手県が七十四か所、福島県が三十七か所、計二百八十八か所の福祉避難所が事前に指定をされておりました。そういう指定をされておりました避難所で、お年寄りの要介護者の皆さんとか子供さんとか障害者の皆さんがこの福祉避難所で避難をされていると、こういうふうに聞いております。
そこでは、介護職員や社会福祉士の皆さん方が配置もされておりまして、そこで支援が行われるとか、あるいはまた、乳幼児のためには保健師さんとかあるいは保育士の人が派遣をされるとか、そういうことで、特に災害のときに配慮をしなければならないそういう方々へも避難所でそういう支援が行われているということでございまして、なお私どもとしては、引き続きそういう皆さんの更なる支援というのをしっかりやっていかなければというふうに考えております。
○山本博司君 これは、障害者団体の方からやはり強い要望でございます。現状、その指定されたところが、じゃ、今どうなっているかという実態は厚労省の方に聞いても分からないということでございました。やはり今実際使われているところもほとんど満杯状態ということもございます。そういうことも含めて、今後、やはりそうした、どう避難をする方々に対する支援をするかということもしっかり考えていかないといけないと思います。
防災大臣にお聞きをいたします。
今回、この震災といいますのは、これまでの想定をはるかに超えるものだと思います。その意味で、この避難支援のガイドライン、なかなか有効に機能しなかったんではないかと。様々な検証が必要でございます。この見直しに関してどうお考えでしょうか。
○国務大臣(松本龍君) お答えいたします。
先ほど委員御指摘のように、平成十七年三月にできた災害時の要援護者の避難支援ガイドラインというのがあります。これも、今回の震災の実態把握をしっかりしていきながら検討作業に入っていかなければならないと思っています。
さっきからお話がありました阪神・淡路から十六年たっております。そういう意味では、高齢者が物すごく高齢化率が高くなっている。今年の雪の状況を見ましても、雪下ろしをされて亡くなられる高齢者が多いということもありますので、要援護者の名簿、あるいは様々な先進的な取組をされている事例も含めてこれからの検討課題とさせていただきたい、検討に入っていきたいというふうに思います。
○山本博司君 是非とも推進をしていただきたいと思います。
次に、仮設住宅に関して、国土交通大臣、厚生労働大臣にお伺いをしたいと思います。
いよいよ仮設住宅着工ということでございますけれども、やはり障害者の方々、仮設住宅に対しても、阪神のときもそうでございましたけれども、大震災のときに孤独死という問題がございました。その意味で、こういう仮設住宅にも、コミュニティーの機能、また在宅のそういうデイケアセンターの機能とかバリアフリーとか、そういう形での障害者、高齢者に対する配慮、これをしてほしいということでございます。
この点に関して、どういうお考えをやっていらっしゃるんでしょうか。
○委員長(前田武志君) まず、細川厚生労働大臣。
○国務大臣(細川律夫君) この仮設住宅につきましては、仮設住宅を造るときに、これは高齢者等の利用もまず念頭に入れまして、浴室とかトイレ、そういうところに手すりを付けるとか、そういうようなバリアフリーの仕様をできる限り取り入れるということを、これは一般の仮設住宅にも考えてやっております。さらに、委員が言われるようなお年寄りの方あるいはまた障害者の方、そういう要支援の方々に対する仮設住宅というのは、これはまた福祉仮設住宅と、こういうことで、これは段差解消のためのスロープを付けたり、あるいは生活の相談員室というものを設置をしたり、日常生活特別な配慮を要するということで、複数のそういう要支援者を入居できるようなそういう特別仕様の仮設住宅、これを設置をすると、こういうことも可能といたしておりまして、これをどんどん進めていただきたいというふうに思っております。
そういうことのほかにも、また生活支援のサービスということで、今言われました災害関連死の発生というか、そういうことがないような形で仮設の住宅で住んでおられるところに訪問もしてしっかりケアもできるような、そういうこともしっかりやっていかなければというふうに考えております。
○国務大臣(大畠章宏君) 山本議員にお答えを申し上げます。仮設住宅についての災害弱者への配慮はどうかと、こういう御質問を賜りました。
そのお答えをする前に、このテレビを見ている国民の皆さんにも御礼を申し上げますが、仮設住宅を建設するときには土地の確保が大変難儀をしていると、こういうことを申し上げました。いろいろと御協力をいただきまして、本日時点で、着工済み三万一千八十四戸、そして完成戸数が一万を今日超えまして一万五百七十一戸になったところであります。そこで、今後とも、土地の確保で非常に苦労しておりますので、是非テレビを見ておられる皆さんにも、個人の土地あるいは農地、工業団地の土地等々、きちっと国の方も借地料をお払いしますので、関係の自治体の方にお申し出をいただきたいと思います。
そこで、厚生労働大臣からお話がありましたような基準に従ってこの仮設住宅の建設もしているところでありますが、車椅子用のスロープあるいはバリアフリー化というのも考えて仮設住宅を造っているところであります。また、入居に当たっては、地域の自治体の方々にもお願いを申し上げて、妊産婦のいる世帯あるいは乳幼児がいる世帯、高齢者がいる世帯あるいは障害者の方がおられる世帯等を優先して入っていただくということもお願いをしているところであります。
今後とも災害弱者に十分配慮しながら進めてまいりたいと考えております。
○山本博司君 この仮設住宅も県が主体となって取り組んでいくということでございますから、本当に現実になっているかどうかということが大事でございます。
やはり今回、高齢者、障害者の方々、災害弱者の方々が避難所、自宅、また全国、様々散らばっていらっしゃるわけでございます。その状態を一つずつ把握をしながらきめ細かなサービスをしていくという意味では、市町村、これが一番大事でございまして、そこに全て様々な事務負担が掛かってしまっている。人もいない、自治体機能も喪失をしているということで全部来ているわけでございます。例えば義援金、皆さんから集めていただいた二千億円も、実際今お手元に行っているのは約二十三億円。やっぱり市町村の方で止まってしまっているということもございます。
そういうことも含めて大変この対応は大事だと思います。この点、いかがでしょうか。
○国務大臣(片山善博君) おっしゃるとおりでありまして、何といってもやはり市町村が住民の皆さんにとってはもう頼りであります。その市町村が大きな打撃を受けているのが今回の災害の特徴でありますので、県や国がその市町村の足らざるところを補い、また全国の自治体にも呼びかけて人的支援なども全面的に協力をしていただいているというのが現状であります。
○山本博司君 その意味で、そうした地方自治体の市町村の方々を支援をするということで、皆様のお手元に配付をしました被災者支援システム、これは大変、西宮の阪神大震災のときに実際体験をし、そして被災者の支援のために仮設住宅であるとか避難所関連システムとか、また様々な形で活用した大変すばらしいものでございます。
具体的には無料で提供されておりまして、こうした被災地域、また平時でも地方自治体は使うべきだと思いますけれども、この点、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(片山善博君) 今御指摘の被災者支援システムは、これ阪神・淡路のときに西宮市が開発をしたものでありまして、本当にあの当時、西宮市が被災者の皆さん一人一人の情報を集約して、いろんな分野の支援が円滑に行われる、またその支援の実績が分かるようにするということで、本当にうまく開発されたものだと思います。
今は財団法人地方自治情報センターがその権利を持っておりまして、これを今議員がおっしゃったように無料で提供しておりますし、これを改変することによって、カスタマイズといいますか、それぞれの使用者がより自分のところ向きに改変することも許容しているというオープンシステムであります。是非これを多くの自治体でありますとかそれから関係団体に使っていただきたいと願っているところでありまして、まだまだなかなかその利用が増えておりませんけれども、今回の被災も契機にいたしまして、平時からこういうものを整備していただくということは大変重要なことだと思います。
○山本博司君 是非とも推進をしていただきたいと思います。
それでは、浜岡原発に関しましてお聞きしたいと思います。この停止をした法的な根拠、これはいかがでしょうか。
○国務大臣(海江田万里君) 先ほどもお答えをいたしましたが、今回の措置は、原子炉法でありますとかあるいは電気事業法でありますとか、そういう法律は、事故が起きてからの指示でありますとか命令でありますとか、こういう立て付けになっておりますので、今回は法令に基づかない行政指導ということで総理の判断を仰ぎました。総理の判断、大変重い判断がございましたが、名前は私の経済産業大臣の名前で中部電力の水野社長に要請をしたところでございます。
○山本博司君 総理は、法的根拠がない、その中で、分かった上で要請をしているわけでございます。こうしたやり方、立法府である国会軽視でございます。政治主導と、こういう名を借りた行政権の横暴と、こう言ってもいいと思います。やはり、こうした菅総理の政治姿勢、大変大きな問題でございます。やはりしっかりそうした説明責任をしていくということは大切でございます。
その点で、昨日の報道の、第一原発の核燃料の完全露出の部分に関しての報道を昨日聞きました。このことに関して、東電の民間担当者がこのことを言っておりました。大変これは国民が大きな不安を感ずる部分でございます。大変今まで言っていることと大きく違う、そして、これは二号機、三号機とか、今後の様々な工程表にも影響がある。こういった大事なことを、説明責任を果たすべき総理、また官房長官もいない。国民は非常に不安を感じたわけでございます。これはいかがですか。
○国務大臣(海江田万里君) 記者会見でございました。そして、記者会見、私も一度だけかいま見たことございますけれども、およそ二百人ぐらいの方が二時間、三時間と本当に長時間にわたっていろんな角度から質問をされます。それに対して、東京電力の担当の方あるいは私どもの保安院の人間もそうでございます、誠実にお答えをしているつもりでございますが。
昨日、実は分かりましたことは、まず一号炉につきましては、これをフラッディングと言います、水棺などという呼び名で言われておりますが、私どもはこれを水で浸して冷やすということを心掛けていたわけでございます。そして、これまで日に五万立米でありますとか、日じゃありません、時間当たりですね、五トン、六トンと入れていたわけでございますが、ところが、どうも水位が上がってこないんじゃないだろうかと。水位計がございました、これまでもございました。これまでも一定のところで動いておりましたけれども、どうもこの水位計が当てにならないんじゃないだろうかということで、ちょうど三日か四日前、あの一号炉の中に実際に作業員が入っていくことができましたので、その作業員が真っ先にやりましたことが、まず水位計をしっかりと正確なものに取り替えようということで、幸いこれが何とかなることができました。
そして、その結果、一号炉の水位が当初考えておりましたより極めて低いということでございますので、その点につきまして、結果的に炉心が溶融をしていたということでございます。
○山本博司君 何も答えていない。本当にこれはいいかげんですよ。(発言する者あり)
○委員長(前田武志君) 指名をしてから答弁してください。
○山本博司君 やはり今国民が、やはり……(発言する者あり)
○委員長(前田武志君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(前田武志君) 速記を起こしてください。
海江田経産大臣、質問は政府がなぜ会見しなかったかということと、(発言する者あり)そして、今の、委員長から指名のなきままに発言をされたこと。
○国務大臣(海江田万里君) はい。
まず先に、委員長から指名ないままに閣僚席で発言をしたことはおわびを申し上げます。
その上で、なぜ閣僚がと申しますか総理大臣がそこで記者会見をしなかったということでございますが、これはまだ本当にどういう状況なのか、分かっていることは、当初考えていたことよりも水位が低いということだけは事実として分かっているんです。
じゃ、本当に炉心が、この燃料棒がどういう状況であるのかということは、実は今想像の世界で言われていることです。水位が低いけれども温度がさほど上がっていないということであれば、少なくとも、これは本当なんです、少なくともこの燃料の上に水があるなということ。ところが、その水の水位が少ないものですから、その意味では恐らくああいう形になっているんではないだろうか、こういうことを申し上げたかったわけでございます。
○山本博司君 私は、愛媛県の伊方原発の二十キロ圏内に実家があります。国民の多くはやはりこの不安、心配な部分があるわけです。ですから、悪い情報とか厳しい情報を国民に知らせる、その義務は政治家じゃないですか。なぜそれを昨日やらなかったんですか。もうそのことはやはり菅政権の、菅総理の政治姿勢、これがおかしいということを申し上げて、質問を終わります。