参議院 予算委員会 第17号
○山本博司君 公明党の山本博司でございます。
本日は、社会保障の充実と今後の成長戦略に関する政府の基本的な姿勢についてお聞きを申し上げたいと思います。
昨年、社会保障と税の一体改革によりまして、年金と子育て支援策に関しましては一定の前進を図ることができました。現在、社会保障制度の国民会議での議論が進められておりますけれども、医師不足対策の充実や介護人材の処遇改善など、まだ医療や介護の分野の課題は山積をしております。本年八月の期限に向けて精力的な議論を強く期待をしております。
また、現在、安倍内閣による経済政策の実行によりまして円高は是正されておりまして、景気に明るい兆しが見え始めております。この経済政策の効果を少しでも早く高齢者の方々とか子育て世代を始めとする全ての国民が実感できるように更なる努力が必要であると思います。
そこで、安倍総理にお聞きをしたいと思いますけれども、こうした社会保障制度の充実に向けた御認識、決意を伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに、この社会保障制度の整備、確立は我々日本において安心して生活を送っていく上において必須条件であろうと、このように思うわけでございまして、今、我々、強い経済を取り戻す、そのための政策を進めておりますが、それは手段であって、目的はやはりしっかりとした社会保障制度、その財源を得ることもその目的の一つであろうと、このように思うわけでございまして、日本人が安心して生活を送ることができるような、セーフティーネットとしての社会保障制度をしっかりと確立してまいりたいと、このように考えております。
〔委員長退席、理事小川敏夫君着席〕
○山本博司君 その上で、社会保障の充実という観点でお聞きをしたいと思います。
公明党は、平成二十二年の十二月に新しい福祉社会のビジョン、この中間取りまとめを発表いたしました。この新しい福祉社会ビジョンといいますのは、孤立から支え合いの社会への総合的な対応策を提言をしているわけでございます。
我が国は、今、超高齢化、人口減少社会の到来に伴う社会構造の変化が影響をして、貧困、格差の拡大とか、雇用環境の変化、また社会的な引きこもりとか高齢単身世帯の増加、さらにはうつ病や発達障害、自殺の増加など、そうした課題に直面をしているわけでございます。しかし、現状は、この社会制度を含め、まだまだ十分な対応ができておりません。
こうした新しい福祉という課題に対しまして、自助、共助、公助、この支え合いの社会の構築を是非とも目指すべきと思いますけれども、総理、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 御党の新しい福祉ビジョン、中間取りまとめには、様々な問題が生じている社会の変化を踏まえた上で、孤立から支え合いの社会を目指したビジョンが提示をされています。重要な御示唆を含むものというふうに認識をしております。
社会保障制度は、人生のリスクに対するセーフティーネットとして不可欠な仕組みであると考えております。まさに今委員が御指摘になられましたように、自助自立を第一に、共助と公助を組み合わせ、弱い立場の人にはしっかりと援助の手を差し伸べるという基本的な考え方に基づき、御党の御意見も伺いながら必要な施策を推進をしていきたいと、このように考えておりますが、社会保障制度改革については、改革推進法に基づいて国民会議で精力的に議論を行っております。
医療・介護分野については、四月二十二日の国民会議においてこれまでの議論を一定程度整理したものと承知をしております。八月の取りまとめに向け更に議論を深めていただき、改革の具体化を進めてまいりたいと、このように考えておりまして、医療、介護を含め社会保障制度改革を進めることで、国民が暮らしの安心をより実感することができるものにしていきたいと、このように考えております。
○山本博司君 ありがとうございます。
それでは、社会保障に関する具体的な課題に関しましてこれからお聞きしたいと思います。
まず、障害者施策でございます。
今、障害の方々の数は約七百四十四万人と言われております。十八歳から、そのうち、六十四歳まで、働きたいという意欲を持っていらっしゃる方々の数は三百二十二万人でございます。しかし、一般企業に、民間の、就労されている方の数は僅か三十七万人でございます。働きたくても働けない。特にその中でも、精神障害者の雇用は大変厳しいのが現状でございます。
公明党も、ずっとこうした雇用・就労環境、その主張をし、行動してまいりました。この四月十九日に閣議決定をされました障害者雇用促進法改正案では、企業に一定の割合で障害者の雇用を義務付けておりますけれども、その障害の範囲に、従来の身体障害者と知的障害者の上に、うつ病とか統合失調症の精神障害のことを加えることになりました。これは大変な前進であるわけでございます。
今、この日本の置かれている状況は、精神障害の方々への偏見、差別というのはいまだ根強いものがございまして、今回のこの雇用の義務化が差別解消に向けた重要な一歩になることを願っております。この法改正を今国会中に行って、精神障害の方たちが希望すれば働ける社会、これにすべきと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) 障害者の方々の雇用というもの、これは大変大きな課題であります。特に、今委員おっしゃられました精神障害者の方々の求職者は非常に増えておるわけでございます。
そのような意味で、今般、障害者雇用促進法の改正案を国会に提出をさせていただきました。中身的には、一つは雇用分野の障害者の差別の禁止、これによって障害者権利条約への批准の対応をしてまいりたい、このように思っております。
もう一点は、今おっしゃられました精神障害者の方々、この方々を法定雇用率の算定基礎の中に入れるということにおきまして、精神障害者の方々の雇用というものを促進してまいりたい、このように思っておるわけであります。
いずれにいたしましても、この法案を基に更に障害者雇用の方を推進してまいりたい、このように考えております。
○山本博司君 是非とも、今精神障害の方が三百二、三十万人いらっしゃると思いますけれども、この条件整備を含めまして推進をお願いをしたいと思います。
次に、障害者の差別解消に関しましてお聞きをしたいと思います。
障害を理由とした差別的取扱いと障害者への合理的配慮の不提供を禁止する障害者差別解消法、この四月二十六日に閣議決定されました。まず、その概要を御報告いただきたいと思います。
○国務大臣(森まさこ君) 障害者差別解消法案を提出をさせていただいたところでございますが、本法案の目的は、障害の有無にかかわらず社会に参加して共生できる社会を実現するために、障害を理由とする差別の解消を推進することでございます。
本法案においては、障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本的な事項、行政機関等及び事業者における障害を理由とする差別を解消するための措置、障害を理由とする差別を解消するための支援措置等を規定しているものとなっております。
○山本博司君 これは、障害者差別解消法は、二〇〇六年の国連の障害者の権利条約の批准、百三十か国の国々は批准をされておりますけれども、まだ日本はされておりません。それは、法整備がされていないということで、この数年間、障害者自立支援法の改正、そして、二年前には障害者の基本法、虐待防止法、昨年は障害者の総合支援法という形で、この国内法の整備がなってきました。その集大成がこの障害者差別解消法でございます。その意味で、多くの障害者団体の方々、関係団体の方々はこの早期施行を望まれております。今日も実は国会の中で院内集会という形で全国の障害団体の方々が、党派を乗り越えて、ともかくこの成立に向けて早期成立をという、そういう思いで皆さん集まっていらっしゃいました。やはり、この権利条約の批准を早急に整えるためにも、この法律を先送りすることなく今国会での成立を強く求めますけれども、総理、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 障害者差別解消法につきましては、内閣提出法案ではありますが、与党である自民党、公明党両党はもとより、民主党の考えも反映したものとなっております。特に、山本議員を始め、公明党においては本法案の作成、調整及び国会提出に当たり大変御尽力をいただいたものと承知をいたしております。
本法案は、障害者差別のない社会を実現するために重要な法案であると考えております。また、多くの障害当事者等の関係団体が今国会での成立を強く望んでいるものと伺っております。
政府としても、同法の今国会における成立を目指していく考えでございます。
○山本博司君 力強い総理のお話でございます。
これは国会での審議になると思いますけれども、是非とも、与野党の議員の皆様、障害者のこの差別解消、是非ともお願いを申し上げる次第でございます。
この差別解消法の中には、交通バリアフリーということも含まれております。新バリアフリー法のこの基本方針の中で、二〇一一年三月以降は三千人以上の駅を対象に、また二〇二〇年までには全ての駅のバリアフリー化ということを目指しております。
そこで、太田大臣にお聞きをしたいと思いますけれども、この交通機関におけるバリアフリー化の進捗状況、また東京都議会の公明党からも強く要望がございました視覚障害者、駅のホームへの転落を防止するホームドアの設置状況、御報告をいただきたいと思います。
○国務大臣(太田昭宏君) 交通機関のバリアフリー、物すごく大事な問題で、バリアフリー法が十八年の十二月に施行されまして具体的にスタートを切って今日に至っております。
今御指摘のありましたように、駅ということにおきましては、一日の乗降客数が五千人という最初の基本目標でありましたが、三千人以上というところに変えたということもあったりしまして、基本方針で整備目標を決めまして、旅客施設においていわゆる段差解消ということについて、また鉄軌道、いわゆる車両について、これは七〇%以上にするとかあるいはノンステップバスを七〇%以上にするというような、そうした目標が掲げられて今日まで来ております。
特に駅におきましては、段差解消を行っている五千人以上の旅客施設の割合は、平成十四年度は三九・三%でございましたが、二十三年度に八八・五%。八八・五%というともうほとんどというふうに思われるでしょうけれども、一つの駅で一か所でもそれがあればということですから、もう少しこれは、一〇〇%といっても一〇〇%以上にしていかなくてはならないことでありますけれども、一応八八・五%というところまで来ました。視覚障害者用の誘導ブロックは九七・二%、そして障害者用のトイレは八五・八%と。
特にまた、今御指摘のありましたホームドアの設置ということについて、私も強く鉄道関係者に申し入れておきまして、平成二十四年九月末現在では全国五百三十九駅でございますけれども、急ピッチでこれが進んでいくようにと、例えば東京では、山手線始めとしてそうしたところを急いでやるようにということを指示をしているところでございます。JRの社の方も非常に協力的で、一生懸命これを少しでもということを今推進をしているということでありますが、今後とも交通機関のバリアフリーについては力を注いでいきたいと、このように思っているところでございます。
○山本博司君 このバリアフリー化の促進は高齢者の方々、障害者の方々の命を守る大変必要な施策でございますので、今後とも国として財政的な支援も含めて取り組んでいただきたいと思います。
次に、こちらのパネルを御覧いただきたいと思います。(資料提示)
これは滋賀県草津市に住まれております澤田真一さんの作品でございます。この作品が、世界で最も伝統と権威のある現代美術の祭典でございますベネチア・ビエンナーレ国際美術展に招待されることになりました。澤田さんは自閉症で、障害者福祉施設での粘土を利用した陶芸に出会いまして、作品を作るようになりました。こうした作品はフランス語でアール・ブリュットと呼ばれておりまして、日本語に訳しますと、加工されない生のままの芸術ということでございます。正規の芸術教育を受けていない人によって、自由で無垢による表現が特徴で、作家の魂の叫びや無意識から生まれる多様な表現を含んでいるということでございます。
先月、超党派の議員の方々とともに障害者の芸術文化振興議員連盟、設立をされました。私が事務局長を務めさしていただいておりますけれども、この障害者の文化芸術活動を積極的に発信するために、美術館や相談支援機能、また人材育成機能を併せ持つアール・ブリュット・ナショナルセンター、この整備にも国を挙げて取り組むよう議連としても求めているわけでございます。
こうした障害者の芸術の振興を求めるべきと考えますけれども、下村大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 障害者による文化芸術活動の取組を支援することは、文化芸術の振興にもつながるものであり、大変意義深いものと認識しております。
文化芸術振興基本法や平成二十三年二月に閣議決定されました文化芸術の振興に関する基本方針におきましても、障害者の文化芸術活動の充実を図るため必要な施策を講ずることが定められております。
このため、文部科学省において、これまでも芸術文化の振興を図る施策の中で、例えば全国高等学校総合文化祭における特別支援学校の生徒による美術作品等の展示や舞台芸術の発表の実施、また地方公共団体が企画する障害者の芸術作品の展示等の活動の支援、さらに厚労省が自治体と実施している全国障害者芸術・文化祭への支援など、障害者の文化芸術活動を支援する取組を行っているところでございます。
障害者の文化芸術活動の振興については、文部科学省だけでなく厚生労働省との連携が不可欠であるということから、今後とも関係省庁と協力しながら一層施策の推進に取り組んでまいります。
○山本博司君 これ以外にも、聴覚障害、また視覚障害のある方に対しまして映画作品のバリアフリー化を推進すること、これも大変重要な課題でございます。やはり、政府を挙げてこの文化芸術の振興に是非とも取り組んでいただきたいと思います。
さらに、障害者の施策の充実ということで安倍総理にお伺いをしたいと思います。
私は、重度の知的障害の娘を通じまして、障害者施策の様々な課題を知りました。安倍総理は、四月二日の夜、東京タワーで行われました世界自閉症啓発デー、このブルーライトアップのイベントに、雨の中でございましたけれども、参加をしていただきました。本当にありがとうございました。総理が参加されたことは、関係者を大きく勇気付けたと思います。この日は世界中の九十か国、七千の都市がブルーに染まり、自閉症を始めとした発達障害の方々の理解を深める新たな一歩になったと思います。
障害のある人もない人も共に社会のために活躍できる機会を与える共生社会の構築、これを進めるべきと考えますけれども、これまでの議論を踏まえまして、障害者施策の充実ということを、総理の決意をお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに今委員がおっしゃったように、障害の有無にかかわらず、障害のある人もない人も同じようにチャンスがある社会、生きがいを感じることができる社会をつくっていきたいと、このように思っております。
本年の四月に、たまたまずっと私の地元でそうした活動を行っている人から依頼がございまして、世界自閉症啓発デーのイベントである東京タワーのブルーライトアップに私も参加をしたところでございますが、多くの方々が日本中からこのイベントに集まっておられました。まだまだ自閉症を含めた発達障害の方々への偏見は強いものがあるわけでございまして、こうしたイベントを通じて多くの方々がそうした偏見を払拭をしていただきたいと、こう思うわけでございますし、また、先ほど例として挙げられた多くの障害者の皆さんの手による芸術文化について、多くの皆さんに触れていただくことも極めて重要ではないのかなと思います。
今後とも、障害者の自立と社会参加の支援等のための施策の一層の充実に取り組んでいきたいと、このように思いますし、第一次安倍政権の際に官邸におきまして障害者の方々の美術品の展示を行ったこともございました。また、しかるべきときを選んでそうした展示も是非官邸あるいは公邸において開催をさせていただきたいと、このように思っております。
○山本博司君 大変ありがとうございます。
続きまして、難病対策ということをお聞きしたいと思います。
私のところにも難病患者若しくは関係団体の方々から、原因の究明とか、医療費の負担軽減とか、生活への支援、これを本当に求める悲痛な声が数多く上げられておりまして、早急な対策が急務となっております。
安倍総理は、四月十九日のこの成長戦略スピーチの中で、自身の経験を通じて、天命ともいうべき責任がある、このように語っていただきました。難病と闘う方々にとりましては大きな希望となっているものと私は確信をしております。
この厚生科学審議会難病対策委員会、一月二十五日に今後の難病の対策の在り方、提言を出されました。この概要を御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(田村憲久君) 今、山本委員おっしゃられましたとおり、今年の一月に厚生科学審議会の中におきましてこの難病対策に対しての提言をいただいております。
三つの大きな柱があるんですが、一つは、難病、どうしても原因が不明である、それから有効な治療方法がないということでございますので、そういう意味で、この難病の治療に関しての研究、さらには医療体制というものをしっかり整備していくということ。
二点目に関しましては、どうしてもこの難病の皆様方は長期の療養ということでございますから医療費が掛かるということでございまして、そのような意味で、医療費の助成ということで今五十六疾患というものを、この対象疾患をどれだけ増やしていくのか、それから対象患者の方々の対象をどうするんだと。さらには、給付水準、これに関して、どう安定的で、その上で平等であるかという、公平であるかという、こういう部分の議論をする必要があるということ。
それから三点目に関しましては、難病のある方々が地域で御生活を尊厳を持ってしていただくために、やはり共生社会の実現ということが大変重要であるということでございまして、その意味で、国民の皆様方にしっかりと難病に対しての理解をいただくということでこの啓発活動というもの、さらには、難病の方々の相談支援の体制、それから就職支援の体制、こういうものをしっかり整えていくということでございまして、このような総合的な対策を進める中において、この難病患者の方々がより良く生きていただけるための、生活をしていただけるための環境を整備していくというような、そういう提言をいただいておるような次第であります。
○山本博司君 今、難病の方々、約二百数十万人とも言われておりまして、やはりこうした形での拡大ということでしっかり取り組んでいただきたいと思います。法整備も含めて、そういったことに関して公明党も、難病対策基本法、この法整備と財政的な支援をしっかり取り組んでいくということをお願いをする次第でございます。
次に、安倍総理、四月十九日の成長戦略の中で日本版NIHの創設を宣言をされました。政府は基礎から臨床まで切れ目ないライフサイエンス研究を推進をしていく姿勢を鮮明にされたわけでございまして、これは大変大きな、重要なメッセージであると思います。
この日本版NIHの構想に対する総理の決意をお聞かせいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 再生医療を始め、健康長寿社会に向けて最先端の医療技術を開発をしていくためには、厚生労働省、経済産業省そして文部科学省などにまたがる医療分野の研究開発について新たな司令塔機能を創設をして、研究から実用化までを一気通貫でつないで、再生医療、創薬、そして最新の医療技術の新たな地平を切り開いていく必要があります。今まで厚労省、経産省、文部科学省、それぞれでやっていたことをやっぱりまとめていく必要がありますし、戦略的に取り組んでいく必要もあるんだろうと思います。
このため、日本版NIHとして、司令塔の本部として内閣に、総理、担当大臣、関係閣僚から成る推進本部を設置をいたします。一元的な研究管理の実務を担う中核組織を創設をいたします。研究を臨床につなげていくために、国際水準の質の高い臨床研究、治験が確実に実施される仕組みを構築をするとの三つの柱に基づいて、医療分野の研究開発の司令塔機能を創設することといたしました。
今後は、この骨子に基づいて詳細な制度設計に取り組み、革新的な医療技術の実用化を加速していく考えでございます。
○山本博司君 やはり、難病患者にとりまして大変大事でございます。特に今、山中教授が昨年、iPS細胞、ノーベル賞をいただきました。再生医療というのが非常に難病の方にとりましての希望になっております。しかし、それは国として環境の整備、また財政的な支援が必要でございます。その意味で、この再生医療の取組、文科大臣とそれから厚労大臣にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、iPS細胞を用いた再生医療、創薬に関する研究は、健康長寿社会の実現に貢献するとともに新たな産業の創出につながるものであり、重点的に推進すべきものであるというふうに認識しております。
文部科学省としては、一月十一日の総理からの指示を受けまして、iPS細胞等を用いた再生医療、創薬に関する研究を推進するため、平成二十四年度補正予算における手当てを含め、今後十年間で一千百億円程度の継続的かつ着実な支援を行うこととし、研究者、研究支援者の確保を含め、切れ目なく研究に専念できる環境を整備していくこととしております。
具体的な研究の推進に当たっては、iPS細胞の安全化、標準化に関する研究等を行う中核拠点に加え、様々な疾患、組織別に責任を持って再生医療の実現を目指す複数の研究拠点に対して支援を行うこととなっておりまして、国際競争力に勝ち抜くような支援をしっかり対応してまいりたいと思います。
〔理事小川敏夫君退席、委員長着席〕
○国務大臣(田村憲久君) 再生医療実現化ハイウェイ構想に基づきましてしっかりと対応していくということでございまして、例えば創薬研究支援事業、これはiPS細胞を利用したものでありますが、十九・九億円等々、必要な財政措置をしっかりとさせていただいておるような次第でございます。
○山本博司君 是非とも、この難病支援を含めて、よろしくお願いしたいと思います。
以上で終わります。ありがとうございました。