参議院 予算委員会 第5号
○山本博司君 公明党の山本博司でございます。
質問に入ります前に、昨日の公明党の竹谷議員の石巻市の対応に関しまして、安住大臣、すぐ動いていただいて対応していただいたところでございます。ちょっと一言、その件に関して御報告いただければと思います。
○国務大臣(安住淳君) 昨日、この場で竹谷先生から支払金の支払方法について、七十五万円を一旦返還をして、それで更に百万円を改めて振り込むと。つまり、最初に七十五万円を受け取ったらば、それに二十五万足せばいいのに、一旦払ったお金を被災者に返せというのは大変けしからぬじゃないかという御指摘をいただきました。
これは私の所管外でございましたが、お話を聞いたので、昨日の夜、事実関係を確認しましたら、全くそのとおりでございました。
それで、私の方から市役所、石巻市役所を通して聞くと、この仕事をしているのが都道府県会館だそうでございます、財団の。そこには同じようなやはり問合せや意見がたくさん来ておられるということで、なぜそうなっているのかと聞いたら、やっぱりシステム上の問題があったと。しかし、竹谷先生からの御指摘は全くごもっともであるので、今後、利便性を考えれば、最初に一人でお住まいの方に七十万払ったら、一旦返還させないで、その先また二十五万を継ぎ足して御家族用に二十五万を足せば、生活の御不便を掛けないで済むようなやり方で明日以降やりますということで御報告をいただきましたので、今お話をさせていただきました。
〔委員長退席、理事川上義博君着席〕
御指摘をいただきましたので直させていただきましたし、また、石巻の方は大変義理堅い方で、言われたとおり七十五万既にもうお返しになったそうなんで、改めてあした百万円を振り込ませていただくと同時に、都道府県会館の方からおわびの電話をさせていただくということになりましたので、御報告申し上げます。
○山本博司君 ありがとうございます。被災者の側に立っての対応ということで本当に感謝を申し上げたいと思います。
本日、私は、社会保障の議論に関しまして、障害者の施策に関しまして質問をしていきたいと思います。
まず、災害時要援護者の避難支援ガイドラインの見直しに関しましてお伺いをしたいと思います。
この問題につきましては、昨年の五月、また十一月のこの委員会におきましても見直しの必要性ということを訴えてまいりました。障害者の方々、多くの方々が安否確認が遅れてしまったとか、また、聴覚障害の方も含めまして亡くなられた方々、健常者の方々の二倍の、そうした調査もございます。福祉避難所等の問題もございました。そうした避難の支援のガイドライン、早期に見直しが必要でございます。この点、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(平野達男君) この件に関しましては、公明党の各国会議員から何回か御質問を受けております。
国としましては、御承知のように、これまで災害時要援護者の避難支援ガイドラインによりまして、市町村に要援護者名簿の作成や障害者一人一人の避難支援計画の策定等を促してきたところであります。しかしながら、これまでの障害者団体からのヒアリングを通じますと、市町村において個人情報との関係などを理由として災害時要援護者名簿や障害者ごとの個別支援計画の策定を進めていなかった、それから、市町村において福祉避難所の事前の設置が十分に行われなかった、障害者に配慮した情報伝達が十分に行われなかった、避難所において障害者への対応を行う担当が置かれていなかったなどの課題があるということが指摘されております。
こうしたことから、平成二十四年度当初予算において、避難における総合的対策の推進経費としまして約四千五百万円を計上しておりまして、これにより災害時要援護者など一万人を対象に実態調査を行うとともに、様々な障害者団体などで構成される検討会を開催いたしまして、こうした課題の解決のための検討を行うこととしておりまして、こういったことを踏まえましてガイドラインの見直しを行ってまいりたいというふうに考えております。
あわせて、障害者だけではなくて高齢者の福祉施設、これも前回の木庭委員の御質問の際にもお答えしたことでありますけれども、高齢者の福祉施設がかなり今回津波で被災をしまして、たくさんの方が亡くなっておられます。こういった状況につきましてもしっかりとした調査を進めまして、こういった高齢者に対するこれからの災害時の支援をどのようにするか、こういったこともしっかり検討してまいりたいというふうに思っております。
○山本博司君 是非とも、早期の見直しを含めた形の推進をお願いをしたいと思います。
次に、障害者の福祉的な就労に関しましてお伺いをしたいと思います。
工賃倍増計画という形で平成十九年から五か年計画、今年度終了いたします。そのことに関しまして大臣から報告いただきたいと思います。
○国務大臣(小宮山洋子君) 委員にはいつも障害者の問題に取り組んでいただいておりまして、私からも感謝を申し上げたいと思います。
お尋ねの件でございますが、障害をお持ちの方が可能な限り一般就労を希望する方は一般就労をしていただくことを、そのことを支援しておりますけれども、一方で、一般就労が困難である方には福祉的就労と言われる就労継続支援B型事業所等での工賃の水準が向上するように支援をする、それを平成十九年度からは工賃倍増五か年計画という形で各都道府県等の取組を支援をしてきました。この間、長引く不況の影響などもございまして、全国の月額工賃の平均は微増にとどまっている、資料もお示しいただいているように。ですから、今後、事業の見直しをしっかり図っていく必要があるというふうに思っております。
この工賃倍増五か年計画、個別事例に即して分析をいたしますと、コンサルタントによる支援を受けた事業所では比較的工賃が伸びている。また、都道府県単位で共同受注に取り組んだ場合も賃金が向上している。こうした成果が上がっていることを参考にしていきたいと思っています。
また、都道府県での計画の作成は進みましたが、個別の事業所での取組が必ずしも十分でない、また、都道府県と事業者団体との連携も必ずしも十分でなかったということで、うまくいっているところを生かしながら不十分なところを更に力を入れるということで引き続き取り組んでいきたいというふうに考えています。
○山本博司君 今の部分でございますけれども、資料一にその部分での推移がございます。平均賃金、やはり一万二千円前後で、倍増という実態ではございません。
一つのやっぱり大きな原因というのは、予算が大幅に削られてしまっているという、平成二十二年度から、これ事業仕分によりまして、民主党政権になって大きく四分の一まで現状としてはなってしまっているということがございます。そういう予算の少ない中でも、徳島県とか佐賀県とか福井県とか、懸命に頑張られて一万七千円台と頑張られているところもございます。
私も四国を回らさせていただいておりますけれども、例えば高松の竜雲うどんという讃岐うどん、これもコンサルがしっかり入って、就労のA型ですけれども、六万五千円以上、三倍ぐらいの形で障害者に払っていただける環境もございます。また、徳島県でも、共同の受注、発注ということで、徳島県内の三十ぐらいの施設が助け合ってNPO法人をつくってやっている。
ところが、この部分のお金がどんどん削られてしまっているということもあるわけです。大変その意味での、予算の増加も含めて今後どうされるか、このことも含めてお聞きしたいと思います。
○国務大臣(小宮山洋子君) 来年度から新たにその工賃の向上のための三か年の計画を策定をすることにしています。これを支援する経費、平成二十四年度の予算案に盛り込んでいます。
具体的には、先ほどうまくいっていると申し上げたコンサルタントによる企業経営手法の活用ですとか共同受注の促進、これまでの計画で比較的効果があったものに重点を置いて取り組んでいくということ、また、個々の事業所ごとに工賃向上計画を作成をすることを原則として、その共同受注を進める観点から都道府県と関係団体の間の連携を強化をするなど、取組を強化していきたいと考えています。
また、平成二十四年度の報酬改定、この中では、工賃向上に向けたより積極的な事業実施を促すために、就労継続支援B型事業所の目標工賃達成のための職員の配置が可能になるようにその加算の額を引き上げたいと思っておりますので、こうした取組も併せて、工賃が実際に向上していくように取組を強化していきたいと考えています。
○山本博司君 今、そうした福祉的就労を工賃を上げていくためにも、やっぱり民間だけではなくて、国また地方自治体を含めた公的な機関が応援をしていくことが大事でございます。
〔理事川上義博君退席、委員長着席〕
資料の二を御覧になっていただきたいと思います。この内容に関して、厚労省から説明を求めたいと思います。
○政府参考人(岡田太造君) 資料二について御説明をさせていただきたいと思います。
これは、平成二十一年三月十一日付けで内閣府と厚生労働省から各省庁に対しまして、障害者を多数雇用する事業所及び障害福祉施設などに対する官公需の発注などの配慮をお願いしたところでございまして、平成二十一年度の福祉施設などとの契約の実績に関しまして、その取組の状況を把握するため、この調査を実施したものでございます。平成二十二年四月三十日付けで各省に対して調査を依頼いたしまして、各省からの回答を得て、福祉施設などとの契約の実績を取りまとめたものでございます。
一部の省庁からは、契約の相手方が福祉施設などに該当するかどうかについて確認していない旨や、把握していても網羅的でない旨の回答をいただいていますが、各省庁が把握している限りで実績を取りまとめたものがお手元の資料のとおりでございます。平成二十一年度の福祉施設などとの契約実績は、政府全体では約三億一千万円となっているところでございます。
○山本博司君 大変少ないわけです。官公需も六兆、七兆という、そういう規模感からすると、国が支援をしているという意味では非常に少ない。その大半が、七割が厚労省です。それ以外はほとんど現実的に厳しい。全く数字を把握をしていないというところもございます。
出先機関の多い国土交通省とか、防衛大臣、この点いかがでしょうか。
○国務大臣(前田武志君) お答えいたします。
委員の資料も見ておりまして、確かに把握されていないというような形になっておりまして、いささか恥ずべきことでございまして、実際に調べてみますと、発注は、購入はあちこちでやっているようなんですが、網羅的に把握できていなかったというところがあります。
委員御指摘のように、障害者が自立して社会参加できる、要するに、健常者それから障害者が共に支え合う、この自立、何といいますか、共に支え合う持続可能な国づくり、地域づくりということを目指しておりますので、是非これからもそういった面で積極的にやってまいりたいと、このように思います。
○国務大臣(田中直紀君) 御報告申し上げます。
現時点で把握している平成二十一年度の福祉施設等との契約は、クリーニングの委託や毛布等の物品の購入など五件、約二千三百万円であります。防衛省としても、福祉施設等における仕事の確保に向けた取組を推進するため、今後とも福祉施設等の受注機会の確保に努めてまいりたいと思います。
この資料の報告は、遅れたということで大変、早く調査をし、報告をすべきだと思っておりました。
○山本博司君 今、各大臣からありましたように、国のそれぞれの大臣を含めた意識がないわけです。
障害者の約一万か所ぐらいのところで二十万以上の方が働いていらっしゃる。大変もう今仕事が厳しくて、製造業なんかはそういう仕事がないということで工賃が厳しい。そういった形で、国とか地方自治体が応援していこうという仕組みがやっぱり大事だと思います。
次の資料三を御覧になってください。地方自治体は非常に国以上に頑張っております。国はほとんど厳しいわけですけれども、その大きな中で、この地方自治法施行令を改正をして、随意契約の物品以外に役務という形で公園とかクリーニングとか清掃とか、こういった形ができるようになっているわけです。
ところが、国はそれがないんです。できないんです。おかしいと思いませんか。地方自治体では役務ができるわけです。ところが、国はできないんです。これは、財務省、どういう部分からなっているんでしょうか。
○政府参考人(真砂靖君) お答えを申し上げます。
国の公共調達は、一般競争入札、これが原則でございまして、随意契約については限定的に規定されているところでございます。
具体的には、会計法の規定を受けまして、予決令の九十九条というのがございます。ここに随意契約によることができるものが限定列挙されているわけでございまして、そのうちの十六号という号がございまして、そこに、公益を目的とする法人から国が物件を買い入れる場合、これは随契ができますよという規定がございますが、この条文が物件ということになっているものですから、解釈上、役務というものは対象に含まれないという解釈をしているところでございます。
随意契約については、これまでも公共調達の適正化という観点から見直しを進めてきたところでございまして、私ども、原則的にはこの随契の拡大については極めて慎重に対応すべきではないかというふうに考えているところでございます。
○山本博司君 おかしいでしょう、これ。地方自治体はできるようになっているわけです。地方自治体は平成十六年に物品が購入できるようになり、平成二十年に改正しているわけです。ところが、この予決令は昭和二十二年の部分なんです。大きく社会環境が変わっているんですよ。ところが、現状できないということなんです。
資料四、御覧になっていただきたいと思いますけれども、そういう中でやはり何とかこういう法的な整備をやらないといけないということで、私たち、議員立法を平成二十年に出しました。平成二十年にいわゆるハート購入法と言われる内容を出したわけです。国がしっかり責任を持つ、そして具体的な計画を立てて、実行はどうなっているのか、実態を把握する、その中に役務を含めると、こういう形が明確になっているわけです。
今、やはり障害者の方、大変厳しいわけです。総理も同じ千葉の現場の中で多くの方々御覧になっていると思います。これ大きく、先ほどの官公需の例、工賃倍増の件、またこのハート購入法を含めた推進、この件に関して総理の認識をお伺いをしたいと思います。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 障害者が地域で自立した生活を送るための基盤としての障害者の就労環境の整備は重要だというふうに、委員の御指摘のとおりだというふうに思います。
まずは、できる限り一般就労が可能となるように、必要な訓練や企業での実習などを行う就労移行支援事業を実施をしています。また、一般就労が困難な方には、働く場を提供しながら必要な訓練を行う障害福祉サービスの提供を促進するとともに、その工賃の向上を図っております。工賃の向上のためには、自治体を通じて事業者による経営努力や受注拡大の取組を支援するだけではなくて、国等の行政機関が発注する官公需の活用も重要と認識をしております。
いわゆる、今ハート購入法案の御提案があるということも承知をしておりますけれども、現在検討している自立支援法改正案などの関連する議論を踏まえつつ、今後とも障害者の就労促進政策を推進をしていきたいというふうに考えております。
○山本博司君 納得できないですね、今の。総理、ほとんど棒読みじゃないですか、官僚の。
現実的な形で、じゃ今、自立支援法の改正を含めてこの内容が入っているんですか。政令を含めてできるんじゃないですか、これ。もう一回、安住大臣、お願いします。
○国務大臣(安住淳君) これ、やっぱり会計法に基づく多分会計規則で、先生おっしゃるように、古い話でございますけれども、大正会計規則から物件という話でずっと来て、それで昭和二十二年の予決でまたそうなっていると。
しかし、時代に応じてというお話なんですが、その頭の冠にある、今総理おっしゃったように、頭に乗せる法律、このハート購入法ですか、これはまあ財務大臣というよりも、一議員としても非常に中身は私いいんじゃないかなと思うんですね。その法案を言わば乗せて、それで一気に政令も含めて変えて、役務というものを、つまり障害者の方が例えばお掃除なんかをなさるような仕事というのは昭和二十年代にはなかった話なんで、それはそういうことでやっていくという方向を総理お示しなさったと思いますので、私もその方向で議員としても協力していきたいと思います。
○山本博司君 是非ともその部分に関しては推進をお願いしたい。法的な整備も含めての推進が大事ですので、民主党の議員の方の中にもこういったことを推進されている方がいますので、是非ともこれお願いをしたいと思います。
それでは、岡田副総理にお聞きしたいと思いますけれども、社会保障と税の一体改革の中で、これ、障害者の施策の位置付け、明確じゃないんじゃないかと思うんですけれども、このことを教えていただきたいと思います。
○国務大臣(岡田克也君) 先般まとめました社会保障・税一体改革の素案の中には、一項目、障害者施策について書いております。社会保障改革の中で障害者施策を一つの項目として掲げまして、「総合的な障害者施策の充実については、制度の谷間のない支援、障害者の地域移行・地域生活の支援等について検討し、平成二十四年通常国会に法案を提出する。」というふうに記しております。
この国会で法案を提出するということで、そういう意味では、社会保障・税一体改革に一歩先んずる形で法案を御審議いただきたいというふうに考えております。
○山本博司君 じゃ、この一体改革の素案の社会保障の充実、一%、二・七兆円程度ございますけれども、障害者の福祉政策は入っておりますか。
○国務大臣(岡田克也君) これは、今回の素案の中で社会保障四経費の施策というものを五%の対象にしておりまして、それは、御案内のように、年金、医療・介護、そして子ども・子育て支援ということで、今回の増税の中に障害者福祉予算で賄われる施策は対象になっておりません。
○山本博司君 障害者というのは、発達障害の方、難病の方を含めて一千万人いらっしゃいます。一千万人の方々に対する支援ということをどう考えるかというのは、社会保障の中でも大事な位置付けだと思っておるんです。ところが、何もないわけです。
今回、総合福祉部会を含めた骨格提言をまとめましたけれども、その中には、OECD並みの予算、約二兆円、二兆一千億円ぐらい、今と比べますと一兆円足らないわけですけれども、これをどうやってその財源を含めてやっていくんでしょうか。
○国務大臣(岡田克也君) 今御説明しましたように、今回の五%の中には含まれておりません。
ただ、政権交代後、障害者の対策については非常に力を入れてきたことは、委員もある程度お認めいただけるんじゃないかというふうに思っております。平成二十一年十二月に全閣僚から成る障がい者制度改革推進本部を内閣に設置をいたしまして、その下で障害当事者を中心とする障がい者制度改革推進会議を開催し、その議論を踏まえて障害者制度改革を推進しているところでございます。
具体的には、平成二十二年六月に改革の工程表を閣議決定し、昨年八月に障害者基本法の改正、そして、障害当事者の思いが込められた総合福祉部会の提言が昨年八月に取りまとめられたところでございます。この提言も踏まえながら、工程表に基づき厚生労働省において先ほど申し上げた法案を提出することにしております。
今後とも、障害当事者の意見をよくお聞きをしながら、しっかりと施策を進めてまいりたいというふうに考えております。
○山本博司君 何も分かっていないですね。
それでは、この総合福祉法、今日の新聞等でも、本格的見直し先送り、障害者自立支援法の改正案。改正案というふうになっているわけですけれども、今、厚労省の案が昨日提示をされた。今日も午後から総合福祉部会の方に説明をする。この今の現状、進捗状況、また内容を教えてください。
○国務大臣(小宮山洋子君) 現在、民主党の厚生労働部門障がい者ワーキングチームでこの法案について議論をされていますが、昨日、このワーキングチームに厚生労働省案をお示しをいたしました。
厚生労働省案では、障害者基本法の改正を踏まえまして、ほかの人々との共生、社会的障害の除去などを理念として新たに規定をいたします。そして、法律の名称そのものも改めます。制度の谷間のない支援を提供するという観点から、障害者の定義に難病の方々を含めることにしまして、そうした方々を法に基づく給付の対象とします。地域での共同生活の住居を確保して利用者の利便性を高めるという観点から、ケアホームをグループホームに統合をする、こうした見直しを行うことにしています。
骨格提言で示されましたその他の論点のうち、障害程度区分ですとか就労支援の在り方については施行後一定の期間をめどに見直しの検討を行うことにしています。
今後、この障がい者ワーキングチームで議論を進めていただく予定ですが、今委員からも御紹介いただいたように、厚生労働省でも、障がい者制度改革推進会議の総合福祉部会などの御意見を伺いながら今国会へのこの法案の提出に向けて作業を進めていきたいと思っていますので、野党の皆様方にも是非御意見をいただいて、御協力もいただき、一歩前進をさせたいというふうに考えています。
○山本博司君 その施行時期は来年の四月でよろしいんでしょうか。
○国務大臣(小宮山洋子君) 済みません、今施行時期は調べさせておりますので。申し訳ございません。──二十五年の四月でございます。
失礼いたしました。
○山本博司君 当初、二十五年の八月から早まっていますよね。要するに、移行が大変だということは、根本的には、全面的な廃止じゃなくて今の障害者自立支援法の骨格を維持しながら進めていくということですか。
○国務大臣(小宮山洋子君) 今、障害者自立支援法によりましてサービスの利用者が増えまして、予算が着実に増えてサービス基盤の整備も進んでいます。こうした良い点を引き継ぎながら、先ほど申し上げた難病を入れるとか定義を変えるとか、目的や理念を見直す、見直すべきところは見直して、今動いているところは是非そのままそこを改善をしていくという形でやりたいと思っています。
これは、現場の混乱がないようにということは障害当事者の方からも伺っておりますので、そうした観点も踏まえながら、円滑に実施できるようにということも含めて是非やっていきたいと思っています。
今後とも、先ほど一体改革の中には入っていないということがございましたが、毎年度の予算、ここをしっかり確保することなどで総合的に進めていきたいと思っていますので、御党は今の仕組みを改善していけばいいというふうにお考えだと伺っておりますので、また御意見も伺いながらスムーズに、しかも良い改善ができるようにということでやっていきたいと思っています。
○山本博司君 おかしいですよね。これ、矛盾していませんか。二〇〇九年のマニフェストに障害者自立支援法は廃止すると言っているわけですよ。全否定なんですよ、全否定。矛盾しませんか。総理、いかがですか。
○国務大臣(小宮山洋子君) 二十二年十二月の障害者自立支援法、児童福祉法等の一部改正によりまして、ここで応能負担に改められるなど抜本的な改正が行われています。ですから、マニフェストで民主党が約束をされたことはかなりここの部分でも実現をしていると思いますので、今回、その定義ですとか名前を変えながら、実際に障害者の方々にとってより良い改善になるようにということで考えているところでございます。
○山本博司君 応能負担に変えたのは、自立支援法の改正によって、つなぎ法案によって、含めてなっているわけですね。このマニフェストの、二〇〇九年マニフェストには違反しているんじゃないですか。
○国務大臣(小宮山洋子君) 今回の改正法では、障害者基本法を踏まえた基本理念を盛り込むこと、また法律の根幹となる題名ですとか目的規定を改正すること、これを検討していますので、マニフェストにも掲げられている障害者自立支援法の内容としては廃止となるということであると考えています。
○山本博司君 これは、総合福祉部会、いわゆる障害者団体の方々とか違憲訴訟を起こした和解の原告団の方々、この方々に対する理解得られると思いますか。
○国務大臣(小宮山洋子君) それらの団体の方々とも、そして超党派で、野党の皆様方との御意見も伺いながら、少しでも今のものが一歩良くなるようにという改善をしていきたいと考えています。
○山本博司君 総理、今この総合福祉部会の担当大臣は何人替わられたと思いますか。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 最近における、もちろん厚生労働大臣はいいんですが、その障害担当の、いわゆる内閣府における担当でありますが、最近においては福島さん、平野さん、荒井さん、岡崎さん、蓮舫さん、細野さん、蓮舫さん、岡田さんと替わってきています。
○山本博司君 今、障害者の方々は大変混乱しているわけです。二年間掛けて一生懸命議論してきたわけですよ。担当大臣ころころ替わるわけです。本当にこの障害者の方々の声が反映できるのか。いろんなことを財源のことを含めて具体的に言ってきたわけです。ところが、一体改革にも反映していないわけです。おかしいじゃないですか。
○国務大臣(岡田克也君) 委員の御指摘もごもっともなところはございます。ただ、他方で、この障がい者制度改革推進会議、ここがかなり率直に、障害者の皆さんあるいはそれに関連する皆さんにも御参加いただいて御意見をいただき、そしていい方向性が出せたというふうに思っております。
問題は、ですからそれをいかに実現していくかということだと思いますので、是非ここは、こういう問題、私、与党とか野党とかいうことではないと思いますので、是非、公明党の御協力もいただいてしっかりとした中身のあるものを作っていきたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いを申し上げます。
自立支援法の話は、私は中身の問題であって法形式の問題ではないというふうに思っております。だから、中身を、いいものを作るために是非一緒に御協力をいただければ大変有り難いというふうに思っております。
○山本博司君 やはり提言の中でも、ほとんど財源の必要なものが今回反映されていないんですよ。ですから皆さん困られているわけです。そういう財源の位置付けをどうするかということをしない限りはなかなか先に進まないというのがございます。やはり超党派でいろいろ様々やらないといけないということもございますので、是非これは様々な議論が必要だと思います。
ただ、このマニフェストに関して言えば、医療も年金も廃止という形で、違反をしているということを、これだけは言っておきたいと思います。
以上です。