参議院 内閣委員会 閉会後第2号 令和3年1月14日
○高木かおり君 日本維新の会の高木かおりです。
本来ならば、この新型コロナウイルス感染拡大の非常時に、やはり閉会中審査ではなく、早く国会を召集し、通常国会の中で議論をさせていただきたかったなというふうに率直に思います。
我が党は、一月四日に新型コロナウイルス対策に関する会議を開きまして、コロナ対策第七弾の提言書を政府に提出もさせていただいているところでございます。
この新型コロナウイルスも蔓延し出しましてもう一年が経過しようとしているわけです。その間、やはり特措法改正にしても、この緊急事態宣言にしても、国民国家を守るという姿勢、この政府の姿勢、やっぱりなかなか見えづらい、伝わりづらい、こういった状況が続いてまいりました。
そういった中で、経済も回さないといけない、でもこのコロナウイルス対策も行わないといけないと、なかなか中途半端な感じで国民の皆様にうまくきちっと伝わっていなかった。リスクコミュニケーションのお話も前回させていただいたんですけれども、やはり国民感情、それから、この厳しい国民の皆さんの状況、医療体制の逼迫、こういったことを考えますと、やはり今は集中的にこの感染をしっかりと抑えていく。二兎を追う者は一兎を得ずと申します。やはりしっかりとこの対策を行っていかなければならないと改めて申し上げまして、質問に入らせていただきたいと思います。
通告に従いまして質問させていただきたいと思いますが、新型コロナウイルス対策、水際対策、もうこれ本当に、今、変異株がこの日本の中にも入ってきたということで、この水際対策本当に重要だと思っておりまして、この水際対策、政府は昨年の七月から、国際便が到着する空港全てでこの検査方法をPCR検査から抗原定量検査に切り替えられました。
この抗原定量検査というのは、唾液をその場で採取して陰性か陽性かを判断するという検査方法でございますけれども、この定量検査、切り替えた一つの理由としては、お聞きしておりますのは、PCR検査よりも時間が短いということで迅速な対応が可能であると。で、この検査の精度もPCR検査と同等だというメリットがあるということなんですが、このPCR検査から抗原定量検査に切り替えたということ。
この変異株が日本に流入してきている、こういったことで国民の皆さんも大変心配している中で、まず西村大臣にお聞きをしたいんですけれども、この抗原定量検査に切り替えたことで、従来のコロナウイルスももちろんそうなんですけど、この変異株に対しても対応ができるのか、御見解をお聞かせください。
○副大臣(山本博司君) 厚労関係の空港検疫でございますので、代わりに答弁させていただきます。
空港検疫におきましては、英国で主に見られる変異株二十一例、南アフリカ共和国で主に見られる変異株が二例、ブラジルからの帰国者から発見された変異株四例、いずれも陽性と判定されておりまして、現在、空港検疫で陽性となった全ての検体は国立感染症研究所へ提供し、ゲノム解析を行い、評価しているところでございます。
この変異株に対しても、この空港検疫で用いられている抗原定量検査、これは対応できるものと考えております。
○高木かおり君 この抗原定量検査で大丈夫だというふうに認識をしましたけれども、私がこの点をお聞きするのは、この抗原定量検査の判定基準におきまして、陽性と陰性の間の数値が出た場合、これ再検査を抗原定量検査でするんですよね。そして、またこれでももう一度再検査という数値が出た場合は、結果は再々検査、PCR検査を行うというふうにお聞きをしております。
最終的にこのPCR検査で判定をするということなんであれば、結局はやっぱりPCR検査の方がより正確な判断が出るということなのか、その辺りの御見解をお聞かせいただきたいと思います。
○副大臣(山本博司君) 今の御質問でございますけれども、PCR検査を含めて、この対応に関しましてはPCR検査の対応でできるということではあります。
○高木かおり君 その再々検査の部分なんですけれども、抗原定量検査で、それできちっと確認ができるということで抗原定量検査に切り替えられたわけですよね。それで、通常のウイルス、また今の変異株、これもきちっと検査ができているのかと。もちろん、PCR検査も一〇〇%でないことはもちろん理解をしているんですが、その抗原定量検査できちっと検査ができているんであれば、その再々検査の段階でもう一度PCR検査をしてから判断するというのはどういう御見解かというのをお聞きをしているんですけれども。
○副大臣(山本博司君) 国立感染症研究所の見解におきましては、この抗原定量検査、このターゲットとしているたんぱく質においては、この部分に関して対応できるということでございまして、原理的にも検出が可能であるということでございますので、抗原定量検査においてしっかり対応していくということでございます。
○高木かおり君 私がお聞きをしたかったのは、抗原定量検査でできるということであれば、抗原定量検査で陽性であるとか陰性であるとかという判断ができるのではないか。けれども、結局、間の数値が出た場合は最終的にはPCR検査をして判断をするということをお聞きをしているので、結局はPCR検査の方がより正確な判断ができるということではないかということをちょっとお聞きをしたかったんですけれども、お願いします。
○副大臣(山本博司君) 済みません。
検査に関しましては、PCR、抗原検査、それぞれ性質が異なってくるということでございますので、その性質に応じて適切な検査、これを行っているところでございます。ですので、抗原検査、さらにはPCR検査、それぞれの特性に応じた対応を行っているということでございます。
○高木かおり君 そうしましたら、抗原定量検査も精度の部分は問題はないんだけれども、違う角度から検査をしてより正確な値を見出すという、そういった御見解でよろしいですか。もう一度お願いします。
○副大臣(山本博司君) その見解で結構でございます。
○高木かおり君 今の現行法でもきちんとそれは担保されているというふうにおっしゃっておられるんだと思うんですけれども、やはりこの十八条の部分で是非とも明記をして確固たるものにしていただけないかということを要望をさせていただいて、この質問は終わりたいと思います。
それから、都道府県知事の権限強化についてもお聞きをしたかったんですけれども、ちょっと時間の都合上飛ばしまして、次のコロナ禍におけるメンタルヘルスケアの必要性についてというところをちょっと質問をさせていただきたいと思います。
通告のときは、前回の内閣委員会のときに、産後うつの、周産期のメンタルヘルスのことを御質問させていただいて、そのとき、助産師のことを分科会でも取り上げていただけないかと尾身会長にもお話をさせていただいたんですけれども、そこから派生する問題、もちろん、今コロナ禍の中でいろんな方々がメンタルをすごくやられてしまっているという、いろんなジャンルの方いらっしゃるんですけれども、前回は、産後うつ、それに伴って児童虐待、結構この産後うつの親御さんの御家庭で虐待というものも関連性が強いというようなことも言われております。
そういった中で、政府として、このメンタルヘルス、こういった分野、しっかりと、もちろんいろいろと、こころの耳というようなホームページも見させていただきました、いろいろやっていただいているのは承知しておりますけれども、このコロナ禍において新たに何か対策取っておられるようでしたらお聞かせいただけますか。
○副大臣(山本博司君) 児童虐待に関しまして把握した調査はありませんけれども、この新型コロナ感染症の流行の影響を把握するために、月別の児童相談所の児童虐待相談対応件数、これを調査をしておりまして、昨年の直近三か月の速報値は前年同月と比較しましてそれぞれ、六月は一〇%増加、また七月は六%減少、八月は二%減少、こうなっている次第でございます。特定の月の件数のみを評価することは難しくて、また、月別の速報値は相談経路別等の内訳がないために、増減の要因や評価、これを申し上げることは困難でございますけれども、いずれにしても、大変重要な問題でございますので、今後も動向を注視していきたいと思う次第でございます。
また、都道府県、指定都市に設置されております精神保健福祉センター等におきまして、コロナ感染症に起因する心のケアの相談対応、これを行っております。相談内容に応じて必要な助言であるとか適切な機関につなぐということの対応を行っておりまして、例えば、今、六十九か所の福祉センターで昨年の十一月ですと千三百十一件の電話相談等を受けている次第でございます。
こうした精神保健センターにおける相談対応につきましては、今年度の一次補正及び来年度の予算案におきましても、相談体制強化のための経費、これを計上しておりまして、今後も、家庭のメンタルヘルスのケア、これを含めまして、国民の心のケアに適切に実施していくように努めてまいる次第でございます。
○田村智子君 予備費で対応すると言いますけど、昨年も何度も予備費使えと言っても全然具体化しなかったじゃないですか。大体、デジタル化とか国土強靱化とか、補正ですから、補正の予算で問われているのですか。補正予算で緊急事態宣言に応じた対策組まなくてどうするのかということなんですよ。これもう今からでも真面目に検討していただきたい。
PCR検査ももっと予算規模必要なんですよ。その具体的な質問に入ります。
今回、緊急事態宣言に至った最大の要因は深刻な医療の逼迫状況にあります。高齢者や糖尿病などの持病がある方も入院ができないという深刻な事態が既に起きています。新型コロナの患者さんだけでなく、脳疾患、心疾患などの救急搬送も困難を来している。また、医療機関と高齢者施設でのクラスターも続発しているわけですね。これが医療逼迫に拍車を掛けている状況です。
新規感染者数も重症者数もどちらも抑えるためには、やはり医療機関、高齢者施設などで、職員、新規入院や入所者への定期的なPCR検査によってウイルスを持ち込ませない、このことが極めて重要になっています。その認識は共有していると思いますが、確認をいたします。
○副大臣(山本博司君) 感染症の蔓延防止を図るために医療機関等で積極的な検査を行うということの重要性に関しましては田村委員とも共有できているのではないかと思う次第でございます。
医療機関や高齢者施設の入院、入所者は重症者リスクが高くて、施設の感染対策の強化、これが重要であることから、感染者数が多数発生している地域等におきまして、その期間、症状がない方も含めて、勤務する方や入院、入所者を対象に積極的な検査を実施することを都道府県等にお願いしたところでございます。
十一月十九日には、高齢者施設で重点的な検査を徹底するために、入所者等で発熱の症状を呈する方につきましては必ず検査を実施すること、さらには、検査の結果陽性が判明した場合には、施設の入所者全員に対しまして原則として検査を実施すること等を都道府県に要請した次第でございます。
さらに、十一月二十日には、クラスターが複数発生している地域におきまして、医療機関又は高齢者施設などの重症化リスクの高い方が多数いる場所が検査実施の優先度が最も高いということを明示しまして、症状の有無にかかわらず積極的な検査を実施するということも要請したところでございます。
○田村智子君 そのように厚労省が、昨年九月以降ですよ、医療機関、高齢者施設での行政検査を行うよう自治体に通知を言わば連打している、これは私も承知しています。問題は、それが実施されているかどうか。現在ちゃんとその検査が行われているかどうか、その実施の状況についてどう評価されていますか。十分だという認識ですか。
○副大臣(山本博司君) 今委員御指摘ありましたとおり、十一月十九日、二十日、先ほど言いましたけれども、事務連絡発出した後、十二月三日までの二週間程度の実施状況を把握したところでございます。
陽性者が発生した高齢者施設等で原則として入所者、従事者全員に検査を実施したのが二百十四施設、クラスターが複数発生している地域において検査を実施した高齢者施設、医療機関等が二百十九施設であることが確認できました。
高齢者施設等での集団感染も依然として多数発生していることを踏まえまして、改めて十二月二十五日、事務連絡で検査の徹底の要請をしている次第でございます。
引き続き、こうした感染拡大防止のための必要な検査、これが高齢者施設等で迅速かつスムーズに行われるように努めてまいりたいと思う次第でございます。
○田村智子君 私たちも地方議員などを通じて調べたところ、今回、緊急事態宣言の対象となっている地域であっても、医療機関、高齢者施設での定期的な検査を自治体として行うとしているところは少数です。極めて少ない。昨年十二月の時点ですけれども、東京二十三区でも五区しか確認ができませんし、それも頻回の検査と言えるのかという状況なんですね。
ある医療団体が、介護事業所を持つ加盟法人について新型コロナウイルスの介護事業所での感染状況を調べています。利用者に陽性者がいたという法人が一六・九%、職員に陽性者がいた法人は八・一%、これは昨年十一月までの取りまとめ、しかも全国ベースです。今、感染蔓延という地域ではいつ介護施設にウイルスが持ち込まれてもおかしくないでしょう。事務連絡で連打しても検査が進んでいないのはなぜなのか、現場が直面している問題を具体的に解決することが求められています。
確認いたしますが、事務連絡の考え方に沿って医療機関あるいは高齢者施設が自らの判断で職員や利用者に対してPCR検査を行った場合、国や自治体に公費負担の義務はありますか。
○田村智子君 そうなんです、自治体が判断しなければお金が出ないんですよ。出す義務がないんですよ。医療機関は今費用を持ち出しで職員の検査をしているとも聞いています。赤字で給料の支払にも窮しているのに検査費用も持ち出し、これでは頻回の一斉検査には踏み出せないでしょう。
感染者が発生したある老健施設では、これ介護施設ですけれども、全職員と全入所者、約二百二十人に三回の検査を行った。約一千万掛かった。保健所からは行政検査とすることは構わないと言われているけれども、本当に全額公費負担になるのかという不安が今も拭えないというんですね。これ、お金、後からですから。
院内感染が発生したある医療機関、感染を収束させるために一週間に一回という頻度で検査を行って、現在までに三千万円の費用が掛かっている。ところが、保健所からは行政検査で公費負担となるのは二回までとされているという説明を受けた。交渉の結果、医師が必要と判断した検査については公費負担を認めるということになったということなんですね。
このように、感染者が出ている施設でさえも現状では医療機関や介護施設に検査費用の自己負担が発生しかねないんです。厚労省の通知に沿った検査が医療機関や施設側の判断で実施ができる、費用負担も発生しない、こういう政府の方針を明確に示すことが必要ではないでしょうか。
また、保健所を介する仕組みでは、感染蔓延の地域ほど保健所は対応できていないんですから、こうした問題の解決が必要だと考えますけれども、いかがでしょう。
○副大臣(山本博司君) 政府としては、必要な行政検査、これが迅速かつスムーズに行われるためのこの検査体制の強化、これを始めとして様々な努力をしてまいりたいと考えている次第でございます。
感染症の蔓延防止の観点から行われる行政検査、この費用に関しましては、感染症法の規定により、都道府県等が支弁されるということとされておりまして、国においては都道府県等が支弁した費用の二分の一を負担するということになっております。そして、都道府県の負担の二分の一につきましては、新型コロナウイルス感染症対応の地方創生臨時交付金、この算定対象になっている次第でございます。こうした点を踏まえて、今般、感染拡大地域の高齢者施設の入所者、従事者に対する集中的な検査につきましては実質的に国の負担により早急に実施するように都道府県には要請をしている次第でございます。
また、厚労省としても、個別の施設からの検査の実施を求めたにもかかわらず速やかに検査が実施されない、こういう場合の相談窓口も設けて丁寧に今対応しているところでございます。
引き続き、こうした感染拡大防止のための、必要な方が迅速にスムーズに検査を受けられるような検査体制の強化、これを努めてまいりたいと思います。
○田村智子君 ちょっと事態は大変逼迫していまして、医療のクラスター感染が一番多いじゃないですか。
そこで、ちょっと具体的にもう提案をしたいんですよ、仕組みを。
医療・高齢者施設等での検査について厚労省が費用の目安とか頻度の目安、例えば感染症が頻発している地域では一週間に一回とか、その他の地域では二週間に一回など、やっぱり一定の要件を示す、そして施設等の判断で検査を行える制度とする。その際、自治体の負担も軽減するために、診療報酬や介護報酬の請求の仕組みも活用して国の直轄事業とする。これ直ちに検討していただきたいんですが、いかがでしょう。
○副大臣(山本博司君) 行政検査に関しましては、今、感染症法に基づく感染蔓延の防止の観点、これから行われることでございますので、実施主体、これは都道府県とされておるところでございます。このため、都道府県等を介さない検査、これを行政検査と、こういうふうにすることにつきましては慎重な検討が必要であると考えておる次第でございます。
いずれにしても、政府としては、必要なこの行政検査が迅速かつスムーズに行われるための検査体制の強化、これに関してしっかりと努力していきたいと思います。
○田村智子君 これ、公費負担の仕組みが医療も介護もあるんですよ、あるんですよ。これ生かさずしてどうするかということなので、真面目に検討いただきたい。
高齢者施設からは本当に悲鳴とも言えるSOSが次々と寄せられています。近畿圏のある老健施設で年末から年始にかけてクラスターが発生し、数名の入所者の感染が確認されました。ところが、この地域では医療体制が元々脆弱だったということもあって、入院させることができない、そのまま数日間頑張ってほしいと言われてしまった。中には、酸素吸入をせざるを得ない中等症の方まで、翌日、酸素吸入などの治療をしながら入院待機せざるを得なかったというんですね。
老健施設は元々急性期の患者さんを治療することを想定していません。こうした対応を余儀なくされるというケースはほかの地域でも聞かれるわけですね。もちろん、広域的な入院調整というのが大原則なんですけれども、現に発生している問題に緊急の支援が必要となります。
現在、入所者に感染が出た場合、防護服や危険手当の支給など掛かり増し経費という形で介護の包括支援交付金出すことができますが、医療的措置については老健施設は若干の報酬加算があるだけなんですね。二百三十九単位という全く微々たるものです。
転院ができない、臨時的に老健施設で治療を継続せざるを得ない、こういう場合、治療の経費をせめて見ることができるような報酬の特例、補助の検討、これ必要だと思いますが、どうでしょうか。
○副大臣(山本博司君) 今委員御指摘のとおり、老健施設、大変入所者またその家族の生活を継続する上では欠かせないものでございまして、安定的、継続的なサービス提供できるようにしていくことが重要であります。
老健施設の入所者に係る費用につきましては基本的には介護報酬から支払われることになりますので、そのうち一定程度の医療に係る費用につきましては基本報酬に包括されております。また、肺炎等の治療を行った場合におきましても、一定期間加算が算定可能となっている次第でございます。
これに加えまして、新型コロナウイルス感染症への対応としては、感染者が発生した場合であってもサービスの継続的な提供につながるように、一時的に人員や運営の基準を満たすことができない場合でも介護報酬等を減額しない等の柔軟な取扱いを可能にすることや、令和二年度一次補正におきまして、今委員御指摘ありました職員の確保に関する費用、さらには消毒の費用などの掛かり増し経費についての助成等を行っているところでございます。
この老健施設の感染症対応に係る支援につきましては、引き続き、こうした介護報酬、また運営基準、予算などの様々な対応を組み合わせながら、必要なサービスが提供できるように総合的に取組を進めてまいります。
○田村智子君 制度を担ってきた全国社会福祉協議会は一括で免除してくれという要望を出していると。これ非常に重要だというふうに思うんですね。
今御説明あったとおり、今回の特例貸付けは、厚労省は、償還能力の乏しい者に貸付けを行ってもよいのかという自治体の質問に対して、新型コロナウイルス感染症の状況等を踏まえ、生活費用が必要な方に対して必要な額を迅速に貸し付けることが最優先課題と、償還の可能性を重く求めることは必要な貸付けを阻害してしまうおそれがあると、こういうふうに自治体に回答しているわけですよね。だから、やっぱり生活資金に困った者に対してお金をまず届けるんだと、償還能力は重視しないということを示してきたわけです。これ是非、やっぱり一括で全額免除というような貸付けにしていかなきゃいけない。そうでなければ、今の事態に対しての貸付けをためらう人が出てきてしまうかもしれません。
また、それで、私たち、これ貸付けだけでいいのかということも思っているんですね。やはり厳しい状況が続いていく中で、貸付額が既に多額に上っている方もいらっしゃるでしょう。これ以上借りて大丈夫かという不安が出てくるんだというのが支援団体からも私たち聞いているお声でもあるんです。
そうすると、まずは貸し付けるということがあってもいいと思います。だけれども、その時点で低所得であるとか無収入が後日確認をできれば、今後そうやって渡した分は即給付に転換する、こういうことも併せて検討することが求められてくるというふうに思いますけれども、これ、いかがでしょうか。
○副大臣(山本博司君) 先ほど審議官からお答えしたとおり、緊急小口資金の特例貸付けにつきましては、償還時においてなお所得の減少が続く住民税非課税世帯の償還を免除することができると、こうしているわけでございます。
全国社会福祉協議会からは、償還免除の要件に該当する場合は償還開始時に一括で全額免除すること等の要望をいただいているところでございますけれども、引き続き検討を進め、生活に困窮された方の生活にきめ細やかな配慮を行うものとしてまいりたいと思います。
○田村智子君 早く一括免除だという方針をまず示していただきたい。そうでなければ安心して貸し付ける制度にならないということを重ねて要望しておきます。
あわせて、住居確保給付金の拡充を求めたいんです。
住居喪失を防ぐ制度としてこれも大変活用されていますけれども、申請は生涯で一回限りとされていて、一旦自力で家賃が支払えるようになった方が今回の緊急事態宣言でまた生活困窮になった場合、二度目の申請ができないんです、このままでは。また、家賃滞納分には支給できないというふうにもされているんです。これ、住まいを失うということは、その後の自立を大変難しくします。また、今の感染症対策を考えても、健康に生活できる住環境を保障するということは極めて重要だと思います。
これ、二度目の申請、滞納分への支給、このことについても検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○副大臣(山本博司君) 住居確保給付金に関しましては、生活困窮者自立支援法に基づきまして、離職等により経済的に困窮し、住居を失うおそれがある生活困窮者に対しまして求職活動を要件として家賃相当額を支給するものでございまして、新型コロナ感染症の影響に対応するため、支給対象の拡大を実施したところでございます。
具体的には、今お話ございました、一部の自治体等から、一定の場合に住居確保給付金の再支給、これを求める要望があることは承知をしておりますけれども、今後の対応につきましては、利用者の実態等も踏まえて、その必要性を含め、慎重に検討する必要があると考えております。
また、住居確保給付金につきましては、申請日より前に発生した家賃に対して充当することはできませんけれども、滞納等でお困りになっている方々に関しましては、社会福祉協議会において実施する総合支援資金、一時生活再建費ということで六十万円等を活用することが可能になっている次第でございます。