参議院 厚生労働委員会 第11号

○山本博司君 公明党の山本博司でございます。本日は、義援金の問題と原発作業員の方々の労働環境についてお伺いを申し上げたいと思います。
 初めに、義援金の問題について伺います。
 この義援金につきましては、五月二十五日の災害対策特別委員会におきましても被災者生活再建支援法に基づく支援金の問題とともにお聞きを申し上げました。被災者の皆様に一日も早くお届けする、それが最優先の課題であると思います。
 六月三日現在、義援金二千五百十四億円のうち被災都道府県に約八百二十三億円送金をされ、被災者の手元に渡ったのは三百七十億円、義援金全体の一五%でございます。大変支給が遅れております。三か月たって、日本中の方々が真心からの善意で集まった義援金がまだ手元に行っていない。被災地の方々、例えば失業で仕事がなくて日々のガソリン代さえ大変もう重い負担だと言われる方々にとりましてこの支給が遅いということが指摘されているわけでございます。なぜ遅れているのか、この理由に関しましてどのように分析をしているのか、見解伺いたいと思います。そして、こうした状況改善に大臣からの指示で、二十七日、三十日と、厚労省、総務省との現地調査をされたということでございますけれども、併せて報告をお願いしたいと思います。
○政府参考人(清水美智夫君) 義援金についてのお尋ねでございます。
 まず、配付が遅れております理由としましては、御承知のとおり、今回の震災、大変大規模なものでございまして、被害が多数の都道県にわたってございました。その間の配分ルールどうするのかということで、発災後一月くらい時間を要して、その結果として日赤等によります義援金配分割合決定委員会が設けられたと、そこの点が一点ございます。
 二点目でございますが、被害の全容、特に住宅被害の全容把握に時間が掛かっているという実態があるわけでございます。内閣府の方で罹災証明につきまして相当の簡略化などをされておられますけれども、それでも津波流失世帯以外は基本的には行政職員が一戸一戸をお訪ねして、全壊、半壊、あるいは被害なし、あるいは一部損壊、大規模半壊といった認定をしなければならないといった点で、まだ住家被害、住宅被害につきましては全容が明確になっておらないという点がございます。
 三点目でございますが、やはり自治体も被災した、中には庁舎が全部津波で壊滅的な被害を受けたというところもございますし、被害が大変大きかったわけでありますので避難所運営業務の方に相当人手が取られた、他自治体からの応援を得ても避難所対応に相当多くの人手を割かなければいけなかった、あるいは取引の金融機関の方のシステムが相当ダメージを受けて手入力等の作業で時間が掛かったといったようなことがあったというふうに伺っております。
 これへの対応、一点目につきましては、義援金配分割合決定委員会が設けられたということを申し上げました。二点目につきましては、いろいろと他自治体の応援等ございます。実態調査でも、他の自治体の応援というところで相当程度軌道に乗りつつあるのかなということでございます。
 ちょっと簡単で、省略して恐縮でございますが、御報告でございます。
○山本博司君 今、三か月たっての状況、特に自治体機能がない地域、これは、特にやはりこうした面では、そうした自治体の方々も少ない人数で様々な事務作業をされているわけでございますから、当然国の様々な支援が必要だと思います。
 そういう観点から調査もされたんだと思いますけれども、その意味で、一刻も早くスピードを持って対応しないといけないということで、昨日、義援金の配分の割合決定委員会、これが二回目が開催をされたということが報道されております。一括比例配分のポイント方式とか様々議論がされたようでございますけれども、その報告をお願いしたいと思います。
○政府参考人(清水美智夫君) 御指摘のとおり、義援金配分割合決定委員会が昨日開催されました。
 その結論、ポイントを申し上げますと、義援金は被災の程度に応じて県レベルに配分されるべきと。具体的には、死亡、行方不明、全半壊、原発避難関係世帯数を被災の程度の便宜の指標とする、要するに被災者への配分額には直結しないという意味でございますけれども、そういうことでやるということ。それから、自治体から被災者への義援金配分に当たっては、迅速性を旨とする部分と公平性を旨とする部分、二つ分けるということも考えられるのではないかという提起。あと、迅速化への他自治体の職員の応援の活用であるとか事業活動等に配分しないといったことが共通理解として定まったというところでございます。
○山本博司君 今回、日赤にまだ千六百九十一億円、これがまだ都道府県に配られていないということで、それを迅速にしていくということも含めて、どのぐらい今回留保金額として手元に置いて、都道府県に対してはどのぐらいの金額をいつごろまでに送付するのか、この点はいかがでしょうか。
○政府参考人(清水美智夫君) 時期といたしましては、日赤も、またそれを支援する私どもといたしましても、六月中なるべく早い時期に第二次の送金が行われればということを考えている段階でございます。
 額については、まだ十分な検討が行われておりません。といいますのは、数字が都道府県から上がってきまして、その数字に基づいて結果的な留保、といいましても被害状況によってどんどん少なくしていくわけでありますけれども、そういうものが定まっていくということになりますが、六月中に送れるものとしては八百億円とかその以上になるのかな。
 ただ、いずれにしましても、被害状況の判明とともに千六百九十一億円ほぼ全て、プラス今後集まってくるものがあるとすればそれも全てこの方式に従って送金していくと、各自治体に送金していくと、そういう考え方でございます。
○山本博司君 やはりこれは速やかに都道府県、自治体に任していってそれで対応するということだと思いますので、これ一刻も早く対応していただきたいと思います。
 対象の範囲でございますけれども、例えば今回のポイント制の中には重傷者とか、また阪神大震災でも児童だとか要援護者とかそういう方々が対象になっていたわけですけれども、今回の中にはそういう形のポイントにはなっておりません。こういう方々、第三次で検討をされるのか、それとも、自治体に金額を配付されますからその中から各自治体が判断をするのか、この点、いかがでしょうか。
○政府参考人(清水美智夫君) その点につきましては、御指摘の後者の方でございます。
 死亡、行方不明、全半壊、原発といった指標で配分するのはあくまで日赤等中央から県レベルまででございまして、県レベルでは地域の実情において様々御検討いただきたいということで、昨日の共通認識というまとめのペーパーにおきましても、相当部分は今言った指標で迅速に配分するのが望ましいが、読み上げますと、また、これ以外の部分については、公平を旨としてきめ細かい検討が望ましいといった記述がございます。先生の御指摘はまさにこの部分で当たるもので、県レベルで御検討いただくことが望まれているものというふうに理解してございます。
○山本博司君 なぜ遅れてしまったのかといいますと、全壊が三十五万円で半壊が十八万、この認定がなかなか各地方自治体、大変だということが実態の部分でございます。
 今回、厚労省の案では一律給付という形で考えていた部分がありますけれども、一律支給案、同じようなポイントということですけれども、各自治体からは結局、第一次配分で違うということで合理的に説明が付かないと、こういう形で拒否されたわけですけれども、これは四月八日の最初の段階での大きな判断ミスということではないんですか。
○政府参考人(清水美智夫君) 当日、昨日でございますけれども、全半壊につきまして一律にしてはどうかという提起につきましては、御指摘のとおり、被災三県の方から、それはやはり差を付けた方がいいと、やはり全壊と半壊では被害の程度も違うので差を付けるのがいい、また第一次もそうだったというふうなお話がございました。その中では、第一次の配分がおかしかったというふうな御指摘はなかったというふうに記憶してございます。
○山本博司君 大臣、やはり今被災されている方々、一番最も必要なことはスピードなんですよ。いち早く対応していくということがこの義援金も含めて大変大事だと思います。
 それで、今第一次の配分に関しましても一四%、この地方自治体を含めて機能が大変厳しい中で、じゃ、大臣としてどういう形の支援をしていくのか、また昨日のこの委員会を含めた内容を含めて、今後どういう形で義援金支給に関して取り組まれるのか、決意をお聞かせください。
○国務大臣(細川律夫君) 私も山本委員と同じ気持ちでありまして、とにかく早く被災地の被災された皆さんのところに義援金が届くということが肝心なことだというふうに思っております。
 そこで、どういう形でこれを早くしていくかということにつきまして、昨日、配分委員会が行われたその後で、被災三県とそれから日本赤十字社の方、そして厚労省の職員、協議をいたしまして、そこでチームを組みまして、義援金の配分が遅れている自治体に巡回で訪問をして、どういうことをすれば義援金が早く配れることでそういうことの応援が可能かということをやることになりました。そして、職員などが不足して進んでいないということになれば、これは総務省とも相談をしまして、その職員を増加するというか、応援部隊を送ってでもしっかりそこで対応をしていくと、こういうことにいたしましたので、そういうことで、もうとにかく被災された方に対しての義援金が早く届くようにしっかりやっていきたいと、このように考えております。
○山本博司君 大臣、是非とも、これはもう被災者の方にとりまして一刻も猶予がありませんので、お願いをしたいと思います。
 じゃ、阿久津政務官、済みません、一問、同じく二十五日の災害特で質問をいたしました被災者生活再建支援金に関しましてお聞きをしたいと思います。
 このときにもやはり被災者生活再建支援金、大変罹災証明とか、現場からやっとの思いで都道府県会館に上がってきた段階で、当初二週間ぐらいの予定のその作業がほとんど滞ってしまっているということで、当時二万一千三百八十件に関しまして処理完了件数一四%、これも一割台ということで、これはとんでもない問題だということで指摘をさせていただきました。このままでいくと二、三か月掛かってしまう、もう大量に人を導入して対応を検討すべきだと松本大臣に指摘をさせていただきました。
 改善策がまとまったということでございますので、御報告いただきたいと思います。
○大臣政務官(阿久津幸彦君) まず、現状から御報告申し上げますと、被災者生活再建支援金は、六月六日までに都道府県会館に届いた分で三万二千件ございます。そして、本日付けで振り込み手続が完了するものが六千九百件でございます。まだまだスピードが遅いというのが現状だと思います。
 二十五日の山本委員の災対特での御指摘を受けて、即日、その日のうちに松本防災大臣が担当者を呼び付けましてスピードアップを求めました。それから、五月三十一日には、片山総務大臣が知事会の場で協力を要請させていただきました。そして、目標を立てさせたわけですけれども、これまで五十日以上掛かっていた申請受付から支給までの日数を、何とか原則二十日前後にできないか、その後は、更に支給システムの刷新をやって、何とか十日前後ぐらいにできないかと、そういう目標で進ませていただいております。
 具体的には、人数を四人から十二人に増やしたものを、更に五十人に増やしました。この中には業務委託やあるいは都道府県の職員支援なども含まれております。さらに、効率化を図るため、審査体制と苦情体制を分けてやるという形、それから勤務体制の二交代制等、それも効率化を図るために実施しつつあります。
 最終的には、コンピューターの末端の端末がどうしても台数が古いもので六台しかないので、これを増やさなくちゃ駄目だということで、何とか七月一日までに六台を十五台に増やしてこの目標達成に向けて頑張りたいというふうに思っております。
 まずは、この処理目標が実際にきちんと達成するように、引き続き財団法人都道府県会館に対し働きかけを行ってまいりたいと思います。
 以上でございます。
○山本博司君 時間参りましたので、是非ともこれは、毎日進捗状況を把握していただきながら、今都道府県会館の三階と八階でやっていらっしゃると思いますけれども、しっかりその辺の部分に関しての進捗、把握をしながら、速やかな、迅速な対応をお願いしたいと思います。
 以上でございます。