参議院 厚生労働委員会 第15号

○山本博司君 公明党の山本博司でございます。
 私は、ただいま議題となりました厚生労働委員長岩本司君の不信任を求める動議について賛成の立場で討論をいたします。
 岩本委員長は六月三日の理事会において、多数の理事の意見も聞かず、一方的に職権で参考人の議決を決定し、その後の委員会において一方的に議決を強行いたしました。国会法第四十八条には、「委員長は、委員会の議事を整理し、秩序を保持する。」と規定しています。しかしながら、岩本委員長は議事を整理せず、秩序を乱したのであります。これは、憲政史上まれに見る議会制民主主義の根幹を崩壊させる暴挙であると言わざるを得ません。
 何ゆえ憲政史上まれに見る暴挙であるかといいますと、与党の委員だけでなく、共産、社民の野党の意見も聞かないからであります。
 一昨日、六月三日の本委員会散会後に日本共産党の小池委員からは、異常な運営だ、一切議論がなく民主党は採決日程を押し切ったと。また、社会民主党の福島委員からも、こんな強引な手法は付いていけないとの発言がありました。その後、この岩本委員長のやり方に憤りを感じ記者会見を行ったと伺っております。
 また、共産党の機関紙には、日本共産党は、参考人質疑とともに地方公聴会の実施を繰り返し要求してきました、四野党の書記局長・幹事長会談でも、地方公聴会の実現を含めて審議の充実に努力すると確認しており、厚生委理事会での民主党の提起は、この四野党の確認にも反するものですと記述しております。
 与党のみならず野党からも批判をされる議事を行うこと自体が異常であり、少数意見を聞くこともせず、一方的に議決をすることは国民に背を向けた行為であり、断じて許すことのできない暴挙であります。
 なおかつ、岩本委員長は、昨年の十月二十三日の本委員会において委員長就任のあいさつを行い、皆様方の御指導、御協力を賜りながら、公正かつ円満な委員会運営に努め、その重責を果たしてまいりたいと述べていました。また、六月三日の後期高齢者医療制度廃止法案の委員会審議中、西島委員からあえて答弁を求められた中で、岩本委員長は、中立公平に委員会運営に努めてまいりたいと決意を述べられていたのであります。ここにいた委員の皆様もその場で聞かれたと思います。にもかかわらず、舌の根も乾かないうちに、その日のうちに一方的に議決を行ったことは断固許すことはできません。
 さらに、本日、岩本委員長は、後期高齢者医療制度廃止法案の強行採決をしようとしています。
 この法案は大変重要な法案であることから、我々は参考人の意見聴取や地方公聴会の開催などを実施して慎重な審議を尽くすべきであると主張してまいりました。しかしながら、岩本委員長は、この意見を無視して職権で委員会を開き、強行採決を行おうとしております。
 これまで数の力でやるのは暴挙だと言っていたのは民主党が言ってきたことではないでしょうか。(発言する者あり)
○理事(家西悟君) 御静粛に願います。
○山本博司君 それを平気でやろうというのが岩本委員長であります。もし、政局に利用しようと考えているならば、公平中立であるべき委員長の座を汚すものであり、一刻も早くその座から退くべきであると主張するものであります。
 以上、岩本委員長の委員会運営は、立法府としての議会の品位をおとしめ、ひいては参議院無用論を惹起させてしまうものであり、国民不在、国民無視の暴挙であると指摘して、岩本委員長の不信任を求める動議に賛成の討論を終わります。