参議院 厚生労働委員会 第16号 令和3年5月18日

○塩田博昭君 公明党の塩田博昭でございます。
 ファイザー製の高齢者向けワクチンが今後日本にしっかり届くと、こういう見通しも立ち始めておりますので、局面がこれからしっかり変わっていくという中で、やはり自治体がしっかりワクチン接種体制をスムーズに行うことができるかどうかということがやはり大事になってくるというふうに思っております。
 そこで、自治体の実情に応じて、国であるとか都道府県がしっかりそこに支援をしていくということが今後不可欠であるというふうに思っております。そして、特に高齢者に配慮した取組が重要であると考えておりまして、ワクチン接種の予約時にやはり今も電話がつながらない、またネットもつながらない、そもそもネットが使えないという高齢者が結構いらっしゃるということで、現場からそういう声をよく伺います。
 また、届いた接種券が、案内チラシの内容が非常に分かりづらかったり、予約せずに結局直接訳が分からなく接種会場に行ってしまったという高齢者もまだいらっしゃいまして、接種券は国が定めた形式ですけれども、例えば静岡県の富士宮市は、市で接種券の予約に必要な接種券番号がやはり小さくて見えづらいということで空きスペースを活用してここの接種券番号を大きく表示をして高齢者が見やすくして打ち込みやすくするという、こんな工夫をしていたりします。
 こうした情報を分かりやすくする工夫や予約に対する支援など、準備が進んでいる自治体の例を参考にしながら取組の加速をするということがやはり重要であるというふうに思っています。こういう予約支援の充実について、まず山本副大臣にお伺いしたいと思います。
○副大臣(山本博司君) ありがとうございます。
 国民の皆様に安心して接種いただけるように、現在、自治体と連携しながら接種体制の構築を進めているところでございます。地域の実情を反映して、合理的に必要と考えられるこのワクチン接種の費用につきましては国が全額負担することとしておりますので、接種に係る情報発信のための費用、さらには予約受付等のためのコールセンターを設置する費用等につきましても補助の対象にしている次第でございます。
 また、自治体におきまして、例えば市の職員がインターネット予約を支援する取組が行われるなど、様々な工夫をいただいております。例えば、埼玉県狭山市では市の職員が六十か所の集会所にお年寄りに代わって予約入力をタブレット端末を使って支援をしたり、また神戸市では学生ボランティアの方の支援、さらには静岡県の三島市では民生委員などの方々の予約お助け隊と、こういった様々なこうした事例があるわけでございますけれども、こうした自治体の参考となる取組事例につきまして周知を行っているところでございます。
 こういった取組を外注する際の費用に関しましても補助の対象としております。また、市の職員の人件費に関しましても、勤務時間外の職員に関しましても超過勤務手当に関して補助金の対象となる次第でございますので、引き続き円滑なワクチン接種に向けて万全の体制で準備してまいります。
○塩田博昭君 次に、ワクチン休暇の支援について、十一日に田村大臣にお聞きをいたしました。では、ちょっと改めて今日は、内閣府としての山本副大臣にこのワクチン休暇のことについてお伺いしたいと思います。
 平日にやはりワクチン休暇を取れれば接種機会は大きく拡大をするわけでございますので、やはり、接種翌日に副反応、症状が出た場合に休暇を認める企業とか、接種を促すために奨励金を出す企業もいらっしゃるということでございまして、つい先日も河野大臣は経団連に対して産業医による職場での接種やワクチン休暇の導入を要請をいたしまして、経団連は最大限協力すると、このような意向も示していただいているところでございますけれども、あくまでもこれ今お願いベースでございまして、私が強調したいのは、やはり、対応力のある大企業だけでなくて、中小企業で働く方々がワクチンを少しでも打ちやすくするために、更に休暇を取れやすくする支援策がやはり必要だと、このように考えております。
 先日も厚労委員会で私言いましたけれども、特に二回目の接種翌日というのは六割以上の人に倦怠感が出るとか、四割以上の人に頭痛が出るとか、三割以上の人に三十七・五度以上の発熱が出るということがもう大体今までの経験でも分かっているわけですので、やはり二回目というのは非常にちょっと重い場合もあって休む方もいらっしゃる、こういうことがあるわけで、やはり休暇を取りやすいシステムをつくっておくことが必要だと思うんですね。
 例えば、山梨県は副反応休業助成金というのを創設をいたしまして、副反応による休業を余儀なくされた方で有給休暇が取得できない人に一定額を助成する制度を創設をするということでございまして、自治体もこういう動きが出てきております。
 各企業が平日にワクチン休暇をもっと導入しやすいように、特に中小企業に対しては政府が積極的に休業助成金などの支援を行うべきと考えますけれども、これいかがでしょうか。
○副大臣(山本博司君) 河野大臣の下の内閣府副大臣としてお答え申し上げたいと思います。
 企業活動を進めていくためにも、従業員のワクチンの接種、円滑に進めていくことは重要でございまして、各企業におきましてそのための取組を積極的に御検討いただいている次第でございます。
 従業員がワクチン接種を受けられるに当たりましては、接種を受ける際、今委員御指摘ございましたけれども、副反応によって会社を休む際の特別休暇の取得、さらには業務の調整といった様々な工夫が各企業がそれぞれの事情に応じて対応されることになる次第でございます。
 そのためにも、政府としては、今、河野大臣も経団連等に当たっておりますけれども、各企業で働いておられる皆様が安心して接種していただける環境をこの産業界の方、産業界との意見交換をしているわけでございますけれども、意見を伺いながら整えていきたいと、こう考えている次第でございます。