参議院 厚生労働委員会 第2号
○山本博司君 公明党の山本博司でございます。本日は、細川大臣の所信ということで質問をさせていただきます。
細川大臣は、四国の高知のいの町の出身ということで、私も四国ですので大変身近に感ずるわけでございます。座右の銘が、何か、あらしは強い木をつくる、あらしがお好きのようでございますけれども、しっかりこの厚生労働行政、幅広い行政でございますから、リーダーシップを発揮されて推進をお願いをしたいと思います。
それでは、今日私は、新卒者の就職支援、また独居老人の方々への支援策、またうつ病対策という観点で質問をさせていただきます。ただ、その本題に入る前に、一つハンセン病支援について質問を申し上げたいと思う次第でございます。
現在、十三のハンセン病の療養所で約二千四百名の方々が入所をされていらっしゃいます。平均年齢はもう八十歳を超えておられます。私も今まで、岡山県の長島愛生園とか邑久光明園、また東京都の多磨全生園、そして今、地元香川の大島青松園等も訪問しまして、入所自治会の方々の声も聞きながら、当委員会でも何度も質問をさせていただいた次第でございます。
この五月二十五日の質問では、ハンセン病問題の基本法、この制定を受けまして、各今十三の療養所では、将来構想に基づき、地域開放ということで進めていらっしゃいます。多磨全生園の保育園の問題を取り上げさせていただきました。この多磨全生園、また熊本の菊池恵楓園の地域開放の進捗状況、まずこの点を報告をいただきたいと思います。
○大臣政務官(岡本充功君) 今御指摘、御質問のありました多磨全生園などの地域開放の進捗状況ということでお答えをしたいと思います。
国立ハンセン病療養所の地域開放については、ハンセン病問題解決促進法において、入所者が地域から孤立することがないよう、療養所の土地等を地方公共団体又は地域住民等の利用に供することが可能となったところであります。これは平成二十一年四月一日施行であります。
国立療養所多磨全生園におきましては、施設内の土地を保育所として利用するための準備を今進めております。今後、公募の実施、また利用者の選定等の手続を行い、二十四年四月を目途に開所が可能となるようにしていきたいと思っておりますが、また、国立療養所菊池恵楓園についても、多磨全生園と同様、保育所利用のための計画を進めているところでございます。
いずれにしましても、今後とも入所者や施設管理者等の意見をよく聞いた上で、各施設の地域開放に向けた取組を進めていきたいと思っております。
○山本博司君 やっぱりハンセン病の患者の方々、子供を持つことが許されなかった、そういう患者の方々の皆さん方が、その敷地内で子供の声が響き合っていく環境が実現できるということは本当に歴史的に画期的だというような声もあるわけでございます。各今十三の療養所ではこういう将来構想を推進されております。
もう一つ、私の地元の香川県大島青松園のことを取り上げさせていただきたいと思います。この大島青松園は、十三ある療養所の中で沖縄、奄美を除きまして唯一離島でございます。大島と高松を結ぶ約八キロ、この唯一の足が船でございまして、官用船ということで二隻運航がされていらっしゃいます。私も何度も乗せていただきながらその場所にも行かさせていただきました。今六名の船員がいらっしゃいますけれども、うち二名が今年度退職をされるということで、厚労省は補充をしないで二〇一一年の概算要求では一隻を民間委託すると、このようなことを決定されたという報道がございました。
その点で、大島青松園の入所者の方々、大変不安が広がっております。夜間の緊急時に今までのように対応してもらえるのだろうか、また便数が減るのではないか、そういう不安が募っておりますし、ハンセン病の療養所の方々は、そういう国の隔離政策によってその島に追いやられてしまったわけでございます。
そういう一つしかない交通手段という意味で国の責任の棚上げではないか、様々な強い反対をされておりますけれども、この点どうお考えでしょうか。
○大臣政務官(岡本充功君) 御指摘になられました国立療養所大島青松園においては、平成二十二年度末に二名の船員職員が定年退職の予定であるというのは事実でございます。この職員の退職に伴い、いわゆる官用船二隻の運航が難しくなるのではないかと、こういった御指摘であると思います。
御指摘のとおり、一隻を民間に業務委託して運航に支障がないように継続をしていきたいというふうに考えております。御希望とはいえ、残念なことでありますけれども、国家公務員、来年度の新規採用抑制が大変厳しいという状況で、この方針の下、新規に船員を採用するのは極めて困難でございます。そういった事情も是非御理解をいただき、今後入所者の皆様方と、増便を含めた利便性の向上や夜間や救急に対する対応等全体的にサービスの向上を努めて、御理解をいただいていきたいというふうに考えております。
直営と業務委託との両輪によって入所者の方々の安全確保と利便性の向上を図っていくということは重要なことだと考えておりますので、御理解がいただけますようにお願いをしたいと思っております。
○山本博司君 これは本当にもう、国の勝手なそういう形の内容であるというふうに多くの方はおっしゃっていらっしゃるわけでございます。やはり最後の一人まで国が責任を持つと、このように言ってきたわけでございまして、医療の問題、また唯一、交通手段が一つであるこの船の問題というのは大きな問題でございます。
特に大島青松園の場合は、将来構想ということで、今香川県とか広島県とか岡山県とか多くの離島を持っております、こうした離島医療を支援をする瀬戸内海離島医療センターという構想もありまして、この二隻の船を活用しながら、将来構想をやりながらやっていきたいという思いもあるわけでございまして、この十月十四日には、香川県の自民、民主、それから公明、社民、共産、すべての全会派がこのことに関しまして全会一致で反対の決議をし、大臣にそのことを申し入れるという形でございます。このハンセン病問題の基本法の趣旨に反しているのではないかというふうな形で強い懸念を示されているわけでございます。
大臣にお聞きをしたいわけですけれども、やはりこういう問題というのは、現場の皮膚感覚というのがすごく大事だと思います。前回の委員会でも長妻大臣に、入所先に行ったことがございますか、同じ、民主党政権になって政務官以上の方が行ったことがあるんでしょうかと、こういう話をしましたら、まだ一度もそういうところに行ったことはないということでもございました。大臣は行かれたことがあるんでしょうか。また、この問題をどう思われますでしょうか。
○国務大臣(細川律夫君) まだ私も現場に訪問したことはございません。したがって、今委員のいろんなお話も聞きまして、この問題にはしっかり対応していきたいと、いずれ時間を取りまして訪問もしてみたいというふうに思っております。
○山本博司君 是非とも、やはり国のこういう隔離政策でハンセンの方々がもう大変な思いをされていらっしゃるという、現場も含めて、その状況の中でこの船がどういう意味があるのかということもやっぱり実感をされた上でのそういう判断をしていただきたいと思う次第でございます。
全国の十三のハンセン病療養所の方々は全国を挙げて大島のこの船の問題は単なる一療養所の問題ではないと、そういう人権の問題だということもおっしゃっておられるわけでございますので、大臣は人権派弁護士であったわけでございますので、同じ四国でございますので、よろしくお願いをしたいと思います。
それでは、新卒者の就職支援ということに移らさせていただきたいと思う次第でございます。
今春の就職内定率、新規大学卒業者は九一・八%、高校の卒業者は九三・九%ということで、先ほど、午前中からの論議もございましたけれども、大学は前年から大きく減少をしておりまして、ここ十年来で最も厳しい状況とも言われていることが伝わっております。大学の未就職卒業者は六万六千人、前年同期より三万人増えております。就職をせずに留年をした大学生は約十二万人、これも前年対比一万八千人増加をしております。この中には、就職先が決まらずにあえて留年をした就職留年も多く含まれていると、こう指摘されているわけでございます。
〔委員長退席、理事長浜博行君着席〕
この学生が就職留年を選ぶ背景には、日本の企業で広く行われておりましたこの新卒一括採用方式がございました。この方式は、この大半の学生が卒業と同時に就職できる大きなメリットもございますけれども、その一方で、卒業してしまうと就職の門戸が極端に狭くなってしまうという弊害もございます。
この新しい就職戦線に挑む学生を支援するために、私たち公明党は、この新卒未就職者対策として、新卒要件を三年までに緩和するということであるとか、就職活動の経済的負担を軽減する就活手当の創設、このことを提案をしております。このうち要件緩和につきましては、政府の新卒者雇用・特命チームによりまして八月三十日にまとめた緊急対策にも記述されてもいるわけでございますけれども、この卒業後三年間は新卒扱いと、こういう規定につきまして、青少年雇用機会確保指針の改正、これが求められると思いますけれども、大臣、これをどのように取り組むお考えなのか、見解をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(細川律夫君) 大学を卒業しても就職ができない、その後就職をしようと思ってもなかなか正社員にはなれないという大変厳しい状況の方がたくさん今出てきているという委員の御指摘のとおり、私も大変このことは心配しておりまして、若者の就職支援にはしっかりと取り組んでいきたいというふうに思っております。
〔理事長浜博行君退席、委員長着席〕
そこで、今御指摘のありました青少年雇用機会確保指針の問題でありますけれども、これは雇用対策法に基づいて作られるものでございますけれども、これに政府といたしましては、この既卒者の問題を少なくとも卒業後三年以内の既卒者が新卒者と同じスタートラインに立てるようにこれを、指針を変えていく、改定をしていくと、このことをやってまいります。
改正後はもう経済団体とか、こういうふうに指針を変えたということを通知もいたしまして、また事業主にもハローワークなどで徹底もして、厚生労働省のメルマガとかホームページでも徹底をしてまいりたいというふうに思っているところでございます。
既卒者の就職支援につきましては、具体的にはまたいろいろ委員の方から御提起もあろうかと思いますけれども、またそのときにお話をさせていただきたいと思います。
○山本博司君 是非とも、まずこのことを通知をしていくということも大変大事でございます。後でその経済界のことをお話をしたいと思いますけれども、まずそういう企業側が大きく変わっていかないと現状これは変わらないということでもございますので、しっかりした取組をお願いをしたいと思います。
続きまして、中小企業とのマッチングということでお聞きをしたいと思います。
従業員千人以上の大企業のこの求人倍率、今〇・五七倍でございます。ところが、千人未満の企業は二・一六倍、三百人未満の中小企業では四・四一倍となっておりまして、ミスマッチが生じております。
中小企業、大変採用意欲はありましても、経営が厳しく、採用に掛かるコストをなかなか掛けにくいために積極的な求人を行いにくいという点もございます。また、新卒者のそういう大企業志向が強いということもございますから、こういう面でのギャップがございます。こうした中小企業とマッチングをどのように取り組んでいったらいいのか、このことをお示しいただきたいと思います。
○大臣政務官(小林正夫君) 今、山本委員がおっしゃったように、中小企業への求人はあるんだけれどもそこに就職する人が少ないと、希望する人が少ないと、こういう状態になっていることで心配をしております。特に、先ほどおっしゃったように、中小企業では四・四一倍の求人があるんだけれども、なかなかミスマッチを起こしている状態が続いていると、こういう状況にあると思います。
そこで、予備費の活用あるいは先般の緊急総合経済対策において、高卒・大卒就職ジョブサポーターの増員配置、要は、いろいろ相談を受けたその人が、中小企業がこういう仕事をやっている、あるいは中小企業ではこういう応募があると、こういうことを来た人にしっかりお伝えをして、中小企業への就職、こういう方向にも進むように努力する、こういう人たちを増員して、今その対策に当たっているところでございます。それと、卒業後三年以内の既卒者を採用した企業への奨励金、こういうものを創設をして、今、山本委員がおっしゃったようにミスマッチが生じていますから、それを解消すべく努力をしているところでございます。
○山本博司君 是非ともこの中小企業とのミスマッチの部分の是正ということを今の取組も含めて強化をしていただきたいと思います。
次に、地域格差ということで、これも先ほど自民党の赤石委員からもお話ございました。私も四国、中国地域を回っておりますので、雇用状況大変に厳しい状況ございまして、都市部に比べて地方部というのは非常に求人数も少ない。そして、新卒者だけでなく、非常に就職のしづらい状況がございます。やはり雇用にどう結び付けていかないといけないか、これはもう努力が必要でございます。それで、地方の就職機会の拡大、これをどのように取り組むお考えなのか、この点もお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(細川律夫君) 地方での若者の就職というのは、これは地方が大変厳しいがゆえに更にしっかりとやっていかなければというふうに思っております。
地方での若者の就職支援、どのような具体的な対策を立ててまいったかということをちょっとお話をしたいと思いますが、まず、都道府県に造成をしております基金を活用いたしまして、医療とかあるいは介護といいます成長が期待されるそういう分野を中心に雇用の創出や人材育成を行います。重点分野雇用創造事業というのを、これに予備費で一千億円の積み増しをいたしまして、これで事業をしっかりやっていく。そしてもう一つは、各都道府県に新卒者応援本部というのを設置をいたしまして、ここに大学とか高等学校の方、そして産業界の代表の方、あるいはハローワークの人、それから労働界の人とか、そこに集まってもらって、新卒者の方の、既卒者の方の就職をしっかり応援をしていくと。あるいは、先ほどもお話を申し上げましたジョブサポーターのこれの倍増で、一人一人に寄り添ってしっかり就職のお世話をするというようなことをいたしております。
そしてさらに、私ども、産業界にもしっかりやっていかなきゃということで、地方、中央を含めました産業界の方に私自身直接訪問もいたしまして、就職をしっかりお願いをしたいという、そういうお願いもしてまいりましたし、また私と文科大臣、経産大臣、三人の連名で、これまたいろんなお願いの要請もしたところでございます。
○山本博司君 是非とも地方に関しての格差ということも含めて是正をお願いしたいと思います。
先日、私も、実際こういう就職活動されているメンバー若しくはそれを支援している方々等のお話を聞きました。この八月、九月と就職の合同説明会、八月の就職合同説明会と九月では、九月が極端に下がってしまっているというお話も聞いて、就職活動されている方は五十回、百回と回られて、でも採用は決まらない、もうあきらめてしまっているという状況があるというふうにもお聞きをした状況がございます。その部分、やはり雇用の募集が少ないということもあるわけでございまして、雇用をいかに拡大するかということはもう本当大事な部分でございます。
先日の決算委員会でも、私どもの木庭幹事長が、総理自ら経済団体であるとか業界団体、働きかけをしながら、具体的に雇用の拡大のため、また新卒者の採用のために汗を流すべきだと、このことを申し上げました。大臣はどのような活動をされていらっしゃるんでしょうか。
○国務大臣(細川律夫君) 委員おっしゃるとおりでありまして、私どもも、経済団体、業界団体、その皆さん方がこういう若者が就職できていないことをしっかり受け止めていただいて採用していただく、それを期待もいたしております。
したがって、私どもとしては、主要な経済団体に対しましては、採用枠の拡大、そして先ほども申し上げました、新卒枠を卒業後三年以内の既卒者に拡大をしていただくと、それをお願いする。そして、就職活動、選考活動の早期化、早い時期からの就職活動、こういうことについては、もうそういうことが、あるいはもうちょっと適正な時期から採用をしていただきたいというようなことを要請をいたしました。
これは、先ほども申し上げましたように、私も直接、例えば日本経団連とか経済同友会、日本商工会議所とかあるいは全国中小企業団体中央会、こういうところに直接参りましてそういうことも要請をしてまいりましたし、あと産業経済大臣あるいは文科大臣とともに文書でもそういうことも要請もしたところでございます。
○山本博司君 是非とも、やはり今の学生の皆様、もう本当に大変な状況であるというやっぱり危機感を持ってリーダーシップを発揮していただきたいと思います。
続きまして、ハローワークのことでお聞きしたいと思います。
新卒者にとりましてハローワークというのは、やはりなかなか利用しづらいといいますか、失業者の方が行くんではないかというイメージがあってなかなか縁が薄い、なかなか足が向かわない、こういう状況もございます。ただ、やはりこのハローワーク、就職支援の拠点としては大変大きな重要拠点でございます。その活用方法、このことをどのようにお考えでしょうか。
○大臣政務官(小林正夫君) 今、山本委員おっしゃったように、学生の皆さん、ハローワークというと離職されて再就職、これを求めてくる方が多く来るので、少し自分たちとは縁がないというように考えている方も多いんじゃないか、このように思います。
したがって、新卒者の方が利用しやすい専門の窓口として、予備費の活用により新卒応援ハローワークを全都道府県に設置をして、就職支援をワンストップで行う、今この施策に入っております。先般の緊急総合経済対策では、新卒応援ハローワークにおいてジョブサポーターの更なる増員などを行うこととしており、多くの新卒者に利用いただきたいと考えております。
このため、厚生労働省、各労働局による記者発表に加えて、ジョブサポーターによる学校訪問時のPR、しっかりPRをしたい、それとメールマガジンやツイッターなどを活用してPRをしたい、さらには各労働局に設置した新卒者就職応援本部におけるPRをしていきたい。要は、学生の皆さんもハローワークに足を運んでいただく、そこで新卒者のためのいろいろ紹介、就職への紹介などをやっているんだということを知ってもらうことが大変大事だと思っておりますので、今言ったような支援をしてPRにも努めているところでございます。今後とも、積極的な周知に努めてまいりたいと思います。
○山本博司君 ありがとうございます。是非とも推進をお願いしたいと思います。
ちょっと視点を変えまして、雇用の創出ということでお話をしたいと思います。
菅総理は、雇用の創出ということに関しまして、社会保障の充実が雇用の拡大につながると、こういう趣旨のことを言われております。社会保障の分野で、ではいつまでにどれぐらいの雇用を創出するのか、こういう具体的な工程表があるのかどうか、このことをまず一つ聞きたいと思います。
特に、介護の分野で雇用を拡大させるための具体策といいますか、規制緩和の推進とか、やはりこの部分、拡充策が必要ではないかと思いますけれども、この点、大臣の考えをまずお聞きしたいと思います。
○国務大臣(細川律夫君) 少子高齢社会がどんどん進んでまいります。特に、これから高齢者を中心にいたしました医療、介護等の需要は確実に増大をするということが見込まれております。そこで、この需要にこたえるサービスを創出するということで雇用を拡大をして、そして経済成長につなげると、こういうことが期待されている、それが医療、介護等の分野だというふうに考えております。
そこで、六月の閣議決定で新成長戦略というのが打ち出されました。これは二〇二〇年を目標としてですけれども、医療・介護・健康関連サービス等の新規雇用というものは二百八十四万人でございます。また保育サービス等の新規雇用は十六万人以上を掲げているところでございます。
厚生労働省におきましては、雇用情勢もなかなか厳しいところを踏まえまして、当面の対策としては、介護や医療といった分野を中心に地域の雇用を創出するということで、この人材養成を行います重点分野雇用創造事業の拡充と、それから先般の経済対策で盛り込みました介護人材の確保、これは一万五千円プラス九千円で二万四千円、介護職員の待遇が改善をされましたけれども、これらの事業というのを着実に進めまして、介護職の改善、そして全体的な医療や介護の分野での雇用の創出をしっかりやっていきたいというふうに考えておるところでございます。
○山本博司君 ちょっとよく分からないんですけれども、十年後のお話で二百八十三万人の雇用というのが、じゃ、直近この一、二年、その分がどういうところにその分野がなるかというのはちょっと私の頭では今イメージできなかったんですけれども、やはり今大事なのは、この直近の一、二年、本当にどうしていくのか、それが十年後の今言われているようなお話になるわけですけれども、それがブレークダウンされた形での具体策が見えてこない、それがやっぱり言えるのではないかという気がいたします。
この点は後でまた、次回に譲らさせていただきたいと思います。
続きまして、第二のセーフティーネットということでお話をしたいと思います。
公明党は、雇用保険に代わる第二のセーフティーネットといたしまして、再就職に必要な職業訓練中に月額最大十二万円生活費を支給する訓練・生活支援給付金制度、これを創設をして、今、現下の現政権でもこの雇用情勢の中で大変大きな効果的な支援策になっているのではないかと思います。
現在、厚生労働大臣の諮問機関である労働政策審議会でこのことに関しまして検討をされておりますけれども、この制度の恒久化、是非とも実現をしていただきたいわけですけれども、その取組に関して大臣の見解をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(細川律夫君) 先ほどの議論でも出てまいりましたけれども、非正規労働者がどんどん増えてまいりました。三人に一人は非正規労働者ということで、その非正規労働者の中には雇用保険に加入してない方もたくさんおられまして、失業して雇用保険を受領できない、そういう方がたくさんおられる。そういう方のためにも是非ともこのセーフティーネットをしっかり張っていかなければいけないということでございます。
そのために昨年の七月から事業を始めておりますのが、そういう雇用保険を受けられない方、そういう方に就職のための職業訓練をしていただいて、その訓練中には生活費として月十万円の支援をすると、こういう緊急人材育成支援事業、こういうのをずっとやっておりますけれども、やはり働く人たちが安心して働ける、そのためにはセーフティーネットをしっかりつくっていかなければならないということで、これを恒久的なものとするために、今、労働政策審議会の中でこの制度の仕組みとかあるいはどういう形でやるかとかいろいろ御審議をいただいているところでございます。したがって、来年の通常国会にはこの恒久化の法案を提案をさせていただこうと思っておりますので、よろしくお願いをしたいと思います。
○山本博司君 是非とも推進をお願いしたいと思います。時間の関係で雇用はこれぐらいにしたいと思います。
続きまして、独居高齢者への地域支援体制の整備ということでお話をしたいと思います。御質問をしたいと思います。
今年の夏に次々と明るみになりました高齢者の所在不明問題、このことによりまして、地域社会のつながりの希薄化、無縁社会、こういうようなことが今出ておりますけれども、急速な高齢化に制度が追い付いていかないと、こういう面があるわけでございます。この超高齢化社会にふさわしい仕組みを再構築しないといけない、このことがございます。
それで、最初に高齢者の置かれている状況に関しまして報告いただきたいと思います。
○大臣政務官(岡本充功君) 今委員御指摘の件につきましては、単身高齢者の世帯数の現状及び今後の推移ということだろうと思います。
国立社会保障・人口問題研究所によります二〇〇五年現在、高齢単身世帯数、これにつきましては約三百九十万世帯であり、二十年後の二〇二五年には約六百七十万世帯まで増加するということが推計をされております。この日本の世帯数の将来推計によりますと、高齢者夫婦のみ世帯は二〇二五年は約五百九十万世帯というふうに推計をしているところでございます。
○山本博司君 これからやはりどんどん単身の高齢者が増える、多分、一番標準の世帯がこの単身の高齢者世帯といいますか、多くなってくると言われておりますけれども、こういう高齢者の方々が、やっぱり住民が安心をして暮らせる地域づくり、大変大事でございます。
これは、公的サービスだけでは解決できない課題に対応するために、各自治体において地域福祉計画、これが策定が進められている状況でございます。ところが、この二〇〇九年の報告ですと、全国まだ五一・四%の自治体、約九百の自治体は作成をしていません。半分もされていない。熊本県は一〇〇%すべて策定をされています。最も低いのは鹿児島県の一四%。地域格差があるわけでございます。
こうした様々な今高齢者の問題ということがありまして、見守りの問題、様々な形を推進しないといけない。そういう意味で、厚労省は八月十三日に通知を出しまして、積極的な働きかけの強化を行っております。
そのアンケート等では、平成二十二年七月末現在の状況、策定が終わっているのか、策定予定であるのか、策定未定であるのか、策定が未定のところはどんな理由で策定ができていないのか、財源なのか人の確保なのか、また、策定されているところは、例えばそれはどういう内容の見守りシステムとかネットワークを構築しているのかということを調査を依頼し、九月三日までにすべて上げよと、公表するからということで出しているわけですけれども、いまだ二か月たってもこの公表されておりません。
一体こういう大事な問題に関してどのように考えてやるのか、このことをお示しいただきたいと思います。
○大臣政務官(岡本充功君) 委員御指摘の地域福祉計画というのは、まさに市町村がその地域の実情に応じた地域福祉の推進に自主的かつ積極的に取り組むために必要であろうというふうに、重要であろうというふうに考えております。
御指摘の数字、本年三月末現在で策定済みのところが四八・六、裏を返せば五一・四というのが策定できていないということでありますが、先ほどのお話のとおり、八月十三日に都道府県を通じて通知を出したところでありますが、その中で策定状況等の調査ということで、どういうふうな理由でできないのかというようなことも含めて市町村からの回答を今取りまとめているところであります。今月中の公表を目指しておりまして、また、この結果を踏まえて、この得られた情報からまた優良事例の抽出をして、そして順次厚生労働省のホームページでこういったものを紹介をしていきたいと。未策定の自治体等に課題解決になるような事例を紹介をしていくということが重要だと思っています。
先ほど熊本と鹿児島の例を出されましたけれども、策定しているのはどちらかというと市の方が多くて、町村についてはその割合も低うございます。そういう意味では、その町村がなぜ割合が低く市の方が高いのかといったようなところもこういった調査から出てくるのかなというふうに思っているところであります。
○山本博司君 スピードを持って対応するということがやっぱり大事な行政の在り方ではないかと思いますので、今月発表された後の対策も是非ともお願いをしたいと思います。
もう一点、地域包括支援センターということを質問したいと思います。
高齢者の孤立化とか虐待等の率の高い高齢者の早期発見をするために、この地域包括支援センターの役割、これが大変重要になっております。約、設置数が今四千で、サブも含めますと七千か所ございますけれども、この地域包括支援センターでは介護予防ケアマネジメントとか相談業務などを主に行っておりますけれども、ここに高齢者の情報を集約するとともに、支援センターの職員が戸別訪問をして高齢者の状況を把握するということを現実的に即した対応が一番身近に取っている状況でございます。先ほどの熊本の場合も、目標値、地域包括センターが今現状こういう見守りシステムが完備されているのが何か所で、いつまでにどうするかということを具体的に高齢者の把握をしております。
また、先日、私は和光市に行きました。七万人の市でございましたけれども、この孤立死ゼロ、これを目指しましてスクリーニング調査をずっとされておりまして、家庭訪問をして状況掌握をしているという例もございます。
こうした進んだ事例、全国展開をするためにも、こうした地域包括支援センターの予算がどうなっているのか、人員がどうなっているのか、十分じゃないのかどうか、そういうことも含めて拡充をするということが大事でございます。この地域包括支援センターの見守り活動の充実強化、この今後の取組に関してお伝えいただきたいと思います。
○大臣政務官(岡本充功君) 委員御指摘の地域包括支援センターが平成十八年に設置をされました。これは介護保険法の改正によって設置をされたわけでありますけれども、この地域包括支援センターがまさに今の見守り活動といったインフォーマルなアプローチでサービスを行うということは大変重要だというふうに考えています。地域のネットワークづくりなどの調整役を担って見守り活動を実施をしていくということだろうと思っています。
平成二十三年度予算についてお尋ねがありました。
概算要求における地域包括支援センター、地域のコーディネートを担当する職員を配置して、見守り活動等の支援ネットワークの構築等を全国五十か所程度で実施するため、モデル事業の要求をしています。額としては五・五億円ということになっております。
さらに、二十三年度概算要求において、認知症高齢者の徘回に対応するため、地域包括支援センターなどを含め市民が幅広く参加をする徘回高齢者の捜索、発見、通報、保護のためのネットワークづくりを進める事業を要求しているところでございまして、こちらにつきましては、今月の八日の閣議決定において円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策の中で、地域の日常的な支え合い活動の体制づくりということで、NPO法人、福祉サービス事業者等の協働による見守り活動チーム等の人材育成、地域資源を活用したネットワークの整備等に対する助成を行うというような書きぶりでお示しをしたところでございます。
また、地域包括支援センターが積極的に支援が実施できるよう、本年九月三日に、見守り活動等のネットワークを構築する際の個人情報の取扱いについて、その適切な取扱方法の例示を周知したところです。したがって、これまで個人情報保護法の枠があるからなかなかうまくいかないといったような声を聞いてまいりましたけれども、この例示を通じてそういった取組が進められるように厚生労働省としても後押しをしていきたいというふうに考えております。
いずれにいたしましても、地域包括支援センターの機能強化を図り、地域の見守り活動を支援していく取組を推進していく、そのような考えでおります。
○山本博司君 これはなぜ特別枠なんですかね、五・五億。大事な予算ですよ。それを特別枠でコンテストに乗っけるみたいな形。違いますか。
○大臣政務官(岡本充功君) いわゆる補正予算の大要を今決めているところでありますけれども、先ほどお話をしましたのは徘回・見守りSOSネットワーク構築事業ということで、こちらの方が今少し前倒しを考えているということで御理解いただきたいと思います。
○山本博司君 続きまして、もう一つ、厚生労働省で、自公政権時代に、平成二十一年度から安心生活創造事業、これを三年間のモデル事業として今五十八の市区町村で実施をしております。これは、家族のサポートが期待できない独り暮らしの世帯などの見守り、買物支援であるとか、若しくは民生委員とか住民の活動とかサロンの集いの公的サービスに伴う見守りであるとか、居場所づくりと情報提供、こういうことを地域住民と連携をしてサポートをしております。
横浜市の栄区の公田町団地、これは高齢者の方々のお宅に、人感センサーを活用をして、十二時間以上で室内での動きがないとNPOスタッフがすぐ訪問をし安否を確認するという、こういう見守りシステム、これが大きな効果を発揮していると言われております。
この安心生活創造事業の取組状況を御報告いただきたいと思います。
○大臣政務官(岡本充功君) 今御指摘がありました、少子高齢化社会における独り暮らしの高齢者等が住み慣れた地域において継続して暮らし続けることができる、生活を営むことができるようにするということは重要だろうというふうに考えています。
そういった中で、今御指摘のありました、民生委員やボランティア、民間事業者等が行政と連携して支援が必要な高齢者等の地域での生活を支える、そんな地域づくりのモデル事業として安心生活創造事業というのを全国今五十八の市区町村で実施をしています。
今委員から御指摘がありました横浜市の公田町団地、これはURの団地だと承知をしておりますけれども、こちらでは、自治会や民生委員等がNPO法人等を設立し見守りや買物支援を行う取組を行っておりますし、また、栃木県の大田原市では、自治会、民生委員、新聞配達員や郵便配達員等のネットワークを利用させていただいて見守りや安否確認を行う体制づくりを行っているというふうに承知をしておるところであります。
今後とも、国としましてこのような成果を取りまとめ、全国に発信をしていく。まさにこれはモデル事業でありますから、こういった取組を通じて厚生労働省としての対策、また対応を決めていくことになるんだろうというふうに考えております。
○山本博司君 ありがとうございます。
やはりこの取組というのは大変大事な取組ですので、是非とも推進をしながら、今各省庁とも、例えば総務省もICTを使ってのこういう見守りネットワークシステムにお金が出て推進をするとかということもございますので、よく連携をしながら推進をしていただきたいと思います。
それで、最後になりますけれども、この問題の最後になりますけれども、公明党は九月二日に、この緊急経済対策の中で、地域における高齢者の見守りなどのネットワーク体制の整備のための独居高齢者支援体制整備モデル事業、この創設を主張しております。今お話がありました緊急通報システムとか配食サービスとか訪問活動、こういう見守り体制の整備には、公的機関のサービスだけではなくて、住民などの地域のネットワークとか民間企業とかNPO法人などの地域の活力、これをやはり総合力で活用すべきでございます。
大臣にお伺いしますけれども、こうした面での税制面、金融面での優遇、こういうことがやっぱり必要であると思いますけれども、この点いかがでしょうか。
○国務大臣(細川律夫君) 今委員が御指摘のとおり、この問題については大変大事なことで、私どもとしても積極的に取り組んでいきたいというふうに思っております。
そこで、この間の緊急総合経済対策、これにおきましてNPO法人、福祉サービス事業者等の協働による見守り活動チーム等の人材の育成、あるいは地域資源を活用したネットワークの整備等の助成、これの必要性ということがこの経済対策で掲げられました。これを踏まえまして、補正予算に百億円程度の予算を計上してしっかり対策を遂行していきたいというふうに思っておるところでございます。
○山本博司君 それでは最後の時間に、うつ病対策に関しまして質問をしたいと思います。
これは、五月の当委員会でもこのうつ病対策ということで質問をいたしました。その後、厚労省で自殺・うつ病対策プロジェクトチーム、こういう報告を出されて、対策の五本柱ということで今推進をされていると思います。その点で何点かお聞きをしたいと思います。
まず、職場におけるメンタルヘルス対策ということで、厚生労働省が職場におけるメンタルヘルス対策検討会、九月七日に報告をまとめて、労働者にストレスによる不調がないかを健康診断の調査票で確認するなどの提言を行っております。
公明党の部会でも報告を受けましたけれども、二十一年度の第一次補正予算に約百億円の地域自殺対策緊急強化基金、こうした前政権でやられた内容の対策の積み重ね等もあって効果が上げているということでもございました。この流れを加速することは大変大事でございます。
この報告書の概要に関しましてまずお示しをいただきたいと思います。
○政府参考人(金子順一君) お答え申し上げます。
今委員から御指摘のございました報告書でございますが、働く方のプライバシーが保護されて、その上で人事とか処遇の面で不利を被らない、こういったことを基本といたしまして、職場のメンタルヘルス対策の強化につきまして新たな枠組みの導入を提言したものでございます。
この枠組み、具体的には、働く方のプライバシーに配慮しながら、健康診断、これに合わせまして医師が働く方のストレスに関する症状、不調を確認するというプロセス。それからその次に、医師がその際に必要と認めた方については職場の産業医などの方々に面接が受けられるようにすると。面接の結果、産業医等が必要と判断した場合には、労働者に同意を得た上で、事業者に対しましてその方の労働時間の制限でありますとか必要な措置を講ずるような、そういう意見を述べることができる、こうした枠組みを構築することによりまして、職場におけるメンタルヘルス対策の強化につなげていこう、こういう内容のものでございます。
○山本博司君 大臣にお聞きいたします。
この報告を実施するには、労働安全衛生法の改正、これが必要になる可能性がございます。大臣の見解を、この認識の見解をお聞きします。
○国務大臣(細川律夫君) 今局長の方から報告がございました。専門家の意見も聞きまして、今私どもが施策を打ち出さなければいけないと思っておりますのが職場におきますメンタルヘルスの強化でございまして、そこで、労働安全衛生法の改正の必要も含めまして、今、労働政策審議会の中で先ほどの局長の報告を基に今審議をしていただいているところでございます。その結果に基づいて対応してまいりたいというふうに思っています。
○山本博司君 是非ともお願いをしたいと思います。
リワーク支援事業ということで、メンタルヘルス対策の中で職場復帰支援事業の抜本的拡充、これが求められております。特に、地域障害者センターにおきましてのうつ病患者の職場復帰支援を行うカウンセラーの役割、大変重要でございます。この部分、独立行政法人の担う仕事の重要性を示す事業でございまして、カウンセラーの大幅な拡充、これは必要であると思いますけれども、この点、最後にお聞きして質問を終わりたいと思います。
○大臣政務官(小林正夫君) 山本委員御指摘のとおり、大変必要な施策だと思っております。
特に、精神障害者の職場復帰支援、リワーク支援については、在職精神障害者の職場復帰支援のニーズの増大を踏まえ、うつ病等の精神障害による休職者に対して、本人、主治医、事業所の同意の下、個々の休職者の必要に応じてプログラムを実施しております。支援ニーズの増加を受けて、平成二十一年度には、リワーク専任のカウンセラーを新たに十五センター、二十七名を配置して支援体制の強化を図ったところであり、平成二十一年度は、千四百四十七人の方が支援を受けて、復職率は八一・四%と高い実績を上げております。
リワーク支援の重要性は認識していることから、今後とも、事業の効率化等を通じてより多くの人に対するきめ細かな支援強化に努めていきたいと思います。