参議院 厚生労働委員会 第3号

○山本博司君 公明党の山本博司でございます。
 本日は、長妻大臣の所信に関しましてお聞きを申し上げたいと思うわけでございます。
 最初に、厚生労働省の役割という観点で一問ちょっと質問をさせていただきたいと思います。
 厚生労働省、大変大きな省でございまして、年金、医療、雇用、大変幅広い分野を抱えているわけでございます。国民の生活に直結する大事な役割を担っておりまして、一般会計予算、二〇〇九年度に二十五兆円を突破して、政策的経費である一般歳出全体の半分を占める規模になっているわけでございます。その意味でも、大臣はこの社会保障改革の重要性を認識されていると思います。
 そうした中で、ある閣僚が厚生労働省の三分割論について言及されているわけでございます。子ども家庭省、教育雇用省、社会保険省とのことでございますけれども、民主党はかねてからこの子ども家庭省の創設を提唱されて、子ども手当の支給とか総合的な少子化対策に取組を検討されていると聞いております。
 大変多岐にわたる厚生労働省の分野ということで、専門性が高いということでは、この分割論、検討には値すると考えますけれども、大臣はまずこの厚生労働省の分割論に関しましてどのような認識なのか、お聞きをしたいと思います。
○国務大臣(長妻昭君) これにつきましては、いろいろ御議論をいただくというのは、これは結構なことであるというふうに考えております。例えば、海外でももっと分かれている国もあるわけでございます。私自身はある意味では厚生労働省の当事者でございますので、これはいろいろ御議論が仮にあって、それが煮詰まってきた場合、私も意見は申し上げようと思いますけれども、今は当事者でございますので、御議論を聞いていく立場だというふうに考えております。
○山本博司君 ありがとうございます。
 これからの厚生労働省の役割ということも含めまして、どうか障害者であるとか難病の方々とか、そういう法律のはざまで大変な思いをされている方々、こういう方々に対しまして是非とも光が当たるような政策の推進をお願いをしたいと思います。そういう意味で以下お聞きを申し上げたいと思います。
 当初、子育て支援策をこの後考えておりましたけれども、五問省かせていただきまして、雇用の方に入らさせていただきたいと思います。ちょうど午前中も丸川委員からの御質問がありました。その意味でちょっと大事だと思いましたので、こちらから入らさせていただきたいと思います。
 午前中の指摘にもございましたけれども、今回の第一次補正予算の見直し十四兆七千億円のうち二兆九千億円、執行停止になったわけでございます。内閣府の試算ではGDPの約〇・二%、九千億円の引下げの影響があると、こう発表されておるわけでございますけれども、当然雇用への影響は計り知れないものがあるわけでございます。
 例えば、子育て応援特別手当、これも各地方自治体では臨時職員を雇って対応していたわけですけれども、そうしたこともやめざるを得なくなる。また、私は地元の、愛媛県でございますけれども、電子黒板製造メーカーへ参りました。今回の電子黒板等のICTの凍結、また概算要求百億のゼロと、こういうことで、生産ラインを三倍にして約二億円の投資をして人も雇って対応したけれども、在庫の山になってしまっていると。そういう雇用の不安が本当に広がっているわけでございまして、大変心配をしているわけでございます。
 それに対しまして、菅副総理は予算委員会でも、この予算凍結による雇用が失われる数に関しまして、新規の雇用創出十万人を想定していろいろ施策を打っておりますので、トータルとしてはマイナス的な効果はほぼなかったのではないかと思っていますと、このように公明党の質問に対しまして予算委員会で答弁をされておられます。
 それで、今日は内閣府の津村政務官にも来ていただいておりますので、この十月二十三日に発表されました新たな十万人雇用創出の数字の根拠、まずお示しをいただきたいと思います。
○大臣政務官(津村啓介君) 御指名ありがとうございます。山本委員の御質問にお答えいたします。
 午前中の丸川議員との古川副大臣のやり取りでも一部お示しをしておりますけれども、緊急雇用対策におきましては、雇用下支え、雇用創出の追加的な効果といたしまして、本年度末までに十万人程度が期待されるということでございます。
 内容は、大きく二点に分かれますけれども、まず一つは、緊急雇用創出事業を来年度分を今年度中に前倒しすることによるものが約三万から四万人分、そして二点目として、緊急人材育成支援事業の訓練受講者が今後約六万から七万人程度増加が見込まれる、これを足し上げまして十万人ということでございます。
○山本博司君 今、内閣府ではこういう十万人の雇用創出ということを来年の三月まで、本年度中にというふうな試算でございます。
 菅副総理はこれに対して、この雇用創出によるGDP約〇・一%の押し上げ、三千億円と、こう言われておりますけれども、この根拠、考え方を教えていただきたいと思います、同じく内閣府の。
○大臣政務官(津村啓介君) 今お話しになられたのは、今回のこの雇用創出プログラムによって経済効果として〇・一%のプラス効果があるという菅大臣の御発言があったということでよろしいですか。
○山本博司君 そうです。
○大臣政務官(津村啓介君) 今、御通告と少し違いますので正確な根拠が目の前にございませんけれども、先ほどのお答えに一つ追加して申し上げられると、一つ先ほどのことに追加をすると、雇用の下支えの方、先ほどの十万人が雇用下支え効果として一つは失業率が〇・一六%分に相当するということが一つと、それから経済対策の効果については、これから二次補正が今議論になっておりまして、今経済対策チームを昨日から立ち上げたばかりでございますけれども、この中で雇用、景気その他GDP押し上げ効果もトータルとしてお示しすることを考えております。
○山本博司君 答えていただいてないんですけれども、この三千億円、GDP〇・一%の押し上げをすると菅副総理は予算委員会で答弁されているわけですよ。内閣府はそういう試算をされたんじゃないですか。どういう試算があったんでしょうか、そのことを聞いているんです。これ一番大事なんですよ。
○大臣政務官(津村啓介君) 考え方をきちんとお示ししたいと思いますが、数字について不正確なことを申し上げるわけにいきませんので、質問通告がないものを持ってきていないということはお許しいただきたいと思います。
○山本博司君 菅副総理は予算委員会、公明党の木庭幹事長にこのように答えられているんです。十万人の新規雇用、これは例えば人材育成七千億円のうち三千五百億円はありますし、そういうものを使っての新規雇用十万人というものを発表しております。計算で単にこれに掛かった費用だけ見れば、十万人の雇用が安定、その人が仕事をすることになれば年間三百万程度のサービスなり物が生産できますから、そうなると三千億円程度のこととなりますので、GDPの〇・一はそれで回復はできると、こう予算委員会で明確に答弁されているんですよ。
 ですから、私が推測するに、十万人のその三百万、要するに働いて収入を得るという、それが三百万という想定で三千億という、このように理解をしたわけですけれども、どうなんでしょうか。
○大臣政務官(津村啓介君) 今、山本委員がおっしゃられたように、菅大臣がその答弁の中で十万掛ける三百万が三千億円ということで明確に答弁されていると今委員はおっしゃいましたが、それが根拠だと思います。
○山本博司君 それでは、また津村委員にお聞きしますけれども、この第一次補正予算の九千億円、GDP〇・二%引き下げた場合の雇用がどのくらい失われるかという、この数は試算されているんでしょうか。
○大臣政務官(津村啓介君) 先ほど委員もお触れになりましたけれども、二十一年度末までということで申し上げれば、二次補正予算も今現在検討中でありまして、トータルで見てマイナスはほぼ見込まれないということを大臣がお答えになった、そのとおりでございます。
○山本博司君 菅副総理もこの計算をされていないということを言っておりましたけれども、一方でこの十万人の雇用創出によって三千億円と、このように明確に言っているんであれば、九千億が減少すれば三十万人の雇用の減になってくると通常考えてもいいわけでございますけれども、どちらにしても、内閣府が十月二十三日発表されて、この雇用対策ということで大変大事なわけでございます。
 先ほどこの十万人の雇用創出ということで、一つが緊急人材支援育成事業、先ほども丸川委員からもお話ありました、七万人という数が出ました。午前中、山井委員からは五万人というふうに言われましたけれども、これは間違いですか、山井委員。
○大臣政務官(山井和則君) いや、私が答弁したのは、基金事業、これが来年の三月末までに五万人ということを言っているわけであります。
○山本博司君 それでは、この緊急人材育成支援の基金と同じことではないんですか。
○大臣政務官(山井和則君) 現時点で、十一月までの時点で二、三万人ということになっております。それの今後の増やす訓練枠は十万人に増えるわけですから、プラス六、七万人増えると、そういうことであります。それと、残りの三万人程度、そこが緊急雇用創出事業ということになってまいります。そこは先ほど津村政務官が答えられたのと同じ数字であります。
○山本博司君 非常に、雇用ということで十月二十三日、緊急に経済対策を発表されたと。十万人の創出効果で、菅副総理は三千億円、〇・一%押し上げると、こう言っていらっしゃるわけですけれども、その雇用を担当されるそれぞれの方々がその認識がいかがなんだろうか。細川副大臣はこの雇用対策のチームの事務局長というふうにお聞きをしました。内閣府のそういった試算、年度末までに十万人で三千億円とかいうふうに言っていらっしゃいますけれども、そういう認識はあるんでしょうか。
○副大臣(細川律夫君) この緊急雇用対策事業、私どもといたしましては、これは二十三日に発表いたしたわけでありますけれども、このときの一番の大きな課題というのは、そのときには新しい財源を投入するんではなくて、前政権からいろいろと施策を行っていただいているその施策、そしてその予算、それをもう少し使い勝手のいいような形にするとかいうようなことで、あるいは基金の前倒しをするとかそういうことで、新たな財源を投入するんではなくて、そこで雇用の維持あるいは創出、そういうようなことを計画したわけでございます。
 細かい数字の計算もいろいろ御指摘もございますけれども、そういうことで、私どもとしては、何としても雇用の創出あるいは維持、これをやらなければということで計画をしたわけでございます。
○山本博司君 雇用の担当副大臣というふうに今おっしゃっていらっしゃいますけれども、今のこの雇用の緊急さ、大変さというのがどれだけ分かっていらっしゃるのかということで大変不安になったわけでございますけれども、七万人の緊急人材の訓練、これは実際教育を受けられる。当然そこには六か月とか様々な形でこの千七百四十一コースが走っていると。これ、前政権が七月からやった事業ですよ。
 それで、今、この七万人ということに関して、年内、今何人の受講をされていて、そして何人雇用をされているかという実態は分かっていらっしゃるんでしょうか。大臣、いかがですか。
○国務大臣(長妻昭君) 今お尋ねがございましたけれども、これは確かに前政権が始めていただいた事業でございますが、その考え方というのは、かつて野党のときの民主党も申し上げた求職者支援という考え方でありますが、これは今生活保護と雇用保険と、こういうセーフティーネットがあるわけでありますが、その両方にも当てはまらない方、雇用保険が切れてしまった方、あるいは自営業の方は初めから雇用保険がない、そういう方のセーフティーネットがこれまでないということで、これを何とかつくりましょうということで当時の与野党、力を合わせてそういう制度ができたという趣旨でございます。
 その中で、今おっしゃられたのが、雇用保険のない方を限定して無料で職業訓練が受けられる、かつ、その方の中で主たる生計者の方については十万円ないしは十二万円、一か月生活費も支給しましょうと、こういう非常に画期的なセーフティーネットのはざまを埋める制度だということでございまして、これについて、十一月十七日現在の実績といたしましては、受講者が、これ予定者を含むものでございますが、二千五百八十九人今いらっしゃるということで、これを、済みません、失礼しました、二万五百八十九人、予定者も含む受講者が十一月十七日現在いらっしゃるということで、これを、年内にこの定員数を五万人程度に増やしていきましょう、年度内に、来年の三月末まででございますが、十万人を目標に増やしてまいりましょうと、こういうことでございます。
○山本博司君 この緊急人材育成事業、年内五万人の予定で、現在二万五百八十九人という形で、まだまだこれ年内どうなのか。当然、来年の三月までに七万人。
 実際、訓練を終えて、内閣府で菅副総理が言っているのは、研修を終えて生産をする、お給料をもらうということを想定をしているわけですけれども、今現状の部分というのは訓練の段階ですね、訓練の段階。生産活動をされていないわけです。なおかつ、この方たちが実際コースを終わって働く、実際その方たち全員が就職できるかどうか分からない。通常のコースでは六割から七割と言われています、雇用が。
 ですから、現実的には七万人というこの人数自体も、今が二万人ですから、この教育訓練コースが更に充実をさせて本当に雇用に結び付くような形で、菅副総理が言っているような形で、年度末に三千億、十万人の雇用が本当にできるのかという観点から見たときに、大変心もとないという感じがいたします。
 今日はちょっと、その後、私も別の内容がございますので、どうか、十一月十七日に、新たな経済対策、雇用対策ということを鳩山総理の下でスタートをされると、こう聞きましたので、是非ともそういうことも含めて、内閣府任せにしないで、しっかりそういうことをお願いをしたいということをお伝えを申し上げたいと思います。
 それでは、難病対策に関してお話をしていきたいと思います。
 津村政務官、これで結構でございますので、公務があると思いますので。
 難病対策に関しまして、前政権が本年四月に決定をしました経済対策で、医療費を公費助成し患者の負担を大きく軽減する特定疾患治療研究事業の対象に新たに十一疾患、ミトコンドリア病とか、これが追加をされました。今回の追加で合計五十六疾患が対象になりまして、患者の団体の方々、大変喜びの声が寄せられているわけでございます。
 公明党、これに対しましても推進をしたわけでございますけれども、そのときの、本年の四月の決定では、そのほか数疾患を追加するということが検討継続となっておりました。六疾患とも言われておりますけれども、是非とも多くの疾患を追加をしていただきたいわけでございます。
 皆様のお手元に、膵嚢胞線維症という難病の方、昨日、この患者の方のお話を聞かさせていただいた次第でございます。この膵嚢胞線維症、実際、汗とか涙とか、こういう分泌腺のどんどん固まってしまうということで、呼吸器障害とか、また腸ですと腸閉塞とか、こういう形で命をなくしてしまうという難病だそうでございまして、日本でも十五名程度でございます。大変治療費も掛かるということで、その方、お話をしていましたけれども、息子さんがその病気にかかられていて約五百万円ぐらいの治療費が掛かってしまうということで、この医療費助成に関して是非ともお願いをしたいということでございます。
 その意味で、是非ともこの追加対象、予算が二十九億余っているとお聞きしておりますので、大臣、是非やっていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(長妻昭君) これにつきましては、関係各位の御努力によって特定疾患治療研究事業が十一疾患追加になって五十六疾患になったと。これについては、年内に申請をしていただければ十月分までさかのぼって医療費を助成すると、こういうような措置もとらせていただいたところでございまして、そして、かつ、これも関係各位の多くの皆様方から更に追加をしてほしいという御要望というのもございます。それに関しましては、私どもとしては難病対策委員会というものを年度内をめどに開催をして、そこで議論を進めていくということになろうかと思いますけれども、具体的にどの疾病をどういう形にするのかというのは、まずは十一疾病を追加させていただいたわけでございますので、その後の難病対策委員会において御議論を進めていただくと、こういう段取りにしているところであります。
○山本博司君 どういう病名かは別にしまして、この年度末までにやるということでよろしいんでしょうか。
○国務大臣(長妻昭君) これについては、難病対策委員会において年度内をめどに議論を進めていくということで、必ずしも年度内に結論を出すということではございませんけれども、多くの方の関係者の御意見たくさん寄せられておりますので、真摯にお伺いをして議論を進めるということでございます。
○山本博司君 是非ともお願いをしたいと思うわけでございます。
 もう一つ、難病の件で、平成二十二年度の予算の難治性疾患克服研究事業の概算要求額でございますけれども、今年度当初約百億円に対しまして二五%削減の七十五億五千万円、こうなったわけでございまして、さらに補正予算で執行停止とされました適応外医薬品の開発支援六百五十三億円も概算要求には盛り込まれておりませんでした。舛添大臣のときにこの扉が開きかけたこの難病支援の扉を是非とも鳩山政権で閉じることのないようにしていただきたいわけでございます。
 特に、今年度から始まりました公募によって指定をされました百三十疾患の研究症例の分野、私も、この一年間でジストニアとかプラダー・ウィリー症候群とかエーラス・ダンロスとか混合型奇形とか、様々この研究の対象になって大変喜ばれたわけでございますけれども、この一年、二年、三年、大変大事な時期にこの予算が削られる、大変苦労されているわけでございますし、またそれ以外の方々の難病というのは五千から七千あるとも言われておりまして、先日もけいれん性発声障害という方々が是非この申請をしたいということであるわけでございます。
 大変難病の対策というのは大事でございまして、今年度の、まあ来年の予算要求等を含めて是非とも復活をしていただきたいと思うんですけれども、そのことの御見解をお願いします。
○国務大臣(長妻昭君) これは難病の研究予算のお尋ねだと思いますけれども、これについて私どもとしては来年度は七十五・五億円ということで減少をさせていただきましたけれども、これはほかとの研究事業との役割分担等を行うということで、研究予算の効果的な活用によって基本的にこれまでと変わらない研究を維持できるということでこの予算を付けさせていただいているところでありまして、我々としても、実態把握をしつつ、この予算を確実に執行して研究を進めていきたいというふうに考えております。
○山本博司君 やはり鳩山政権、鳩山総理は友愛ということで、命に対してやはり優しい政治をということでございますので、この難病の支援、今までやっと広がったわけでございますので、是非ともお願いを申し上げたいと思います。
 もう一つ、難病相談・支援センターのことでお聞きをしたいと思います。
 都道府県に設置をされております難病相談・支援センター、療養上の相談とか就労の支援とか、様々な状況に応じまして関係機関とか専門家との連携を図るために大変重要な役割を担っておるわけでございます。平成十五年から国が予算化をされまして設置をされているわけでございますけれども、地域格差によって大変状況が違いがございます。
 また、この難病相談・支援センターの予算が来年度の概算要求では一千万円削減をされるという、この難病の方々にとって、やっとその窓口センターが充実ができるというときに、これも予算が削減をされました。このことに関しまして、大臣の御見解をいただきたいと思います。
○国務大臣(長妻昭君) 今お尋ねの難病相談・支援センターというのは、これは難病を体験されて御苦労された方々などなど、そういう本当に難病の方の立場に立った支援、御相談をするということで、おっしゃるように平成十九年度にはすべての都道府県に設置をされるということで、重要なセンターであると考えております。
 今、一千万円の予算削減というお話ございましたけれども、これは前政権が削減をされたわけで、だから是とするわけではございませんけれども、ただ、この削減の中身をつぶさに見ますと、基本的には人件費の単価を一部減らしていただいたということでございまして、基本的にはセンターの活動内容に支障が出るというものではないというふうに私どもも考えているところであります。
 いずれにしても、センターの活動内容に地域ごとの差が生ずることのないよう、全国のセンターの職員を対象とした研修もきめ細かく実施をして、きちっとした取組を続けていきたいと考えております。
○山本博司君 ありがとうございました。
 是非とも、私も香川県でございますけれども、この難病支援センターがやはり県庁の中で全くそういう機能という形ではございません。本当にそういう意味では格差がございますので、是非ともお願いを申し上げたいと思います。
 難病の最後でございますけれども、そうした難病患者の方々とか、がん患者の方々とか、慢性疾患の患者の方とか、大変高額な医療費に苦しんでいらっしゃるわけでございます。現在の高額医療費制度は、生活保護水準以上で月収五十三万円未満の収入の方には月額八万円強の自己負担となっているわけでございまして、これでは長期間にわたる療養の方々は年額でおよそ百万円ということで、家計を大変圧迫しているわけでございます。こうした高額療養費を、自己負担額を引き下げて、長期の治療に当たっても経済的な不安がないようにお願いをしたいわけでございます。
 十月二十八日の衆議院本会議で、公明党の井上幹事長が鳩山総理に質問をいたしました。前向きな答弁をされたわけでございます。長妻大臣の御見解を含めて、お願いをしたいと思います。
○国務大臣(長妻昭君) 今おっしゃられるように、この高額療養費の制度というのは、これは本当に大変な御病気で苦しんでおられる方々の自己負担の上限を決めるということで、非常に重要な制度だというふうに認識しております。
 今おっしゃられたように、七十歳未満で一般の方で一定の要件の方は一か月八万百円が上限ということではございますが、多数回という、多数御利用するという要件に該当される方は一か月の上限を四万四千四百円にさせていただいているということもございます。
 鳩山総理も、おっしゃるような答弁をさせていただきましたとともに、その検討に当たっては、患者負担の実際どういうような利用状況で、更に改善すべき点はどういう問題があるのかということを把握する現状の問題、さらには医療保険財政への影響というのも勘案するというお話もございまして、今後ともこの制度の運用については、我々も負担水準についても検討はしていこうというふうに考えておりますけれども、今直ちにこれを見直すということはなかなか難しいということも御理解を賜ればと思います。
○山本博司君 是非とも前向きにお願いをしたいと思います。
 最後に、原爆症に関しまして、今、三百六名の原告団の方々の救済を目指して様々な動きがございます。八月六日の政府の確認書という形で救済に対しての方向性は示されたわけでございますけれども、定期協議会とか、様々な形で課題も残っております。何とかこの国会でやはりまとめていかないといけないと思うわけですけれども、大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(長妻昭君) 今、本当に前政権の麻生総理と原告団との覚書に書いてある項目を進めていこうということで、特に議員立法の項目につきましては、関係各党各会派の関係者の皆様方が精力的に今交渉をされておられるということには大変敬意を表するところでございます。
 私どもといたしましても、その中身、確認書で確認をされた中身を一つ一つ誠実に履行をする必要がもちろんあるというふうに心得ておりますので、今後とも御指導賜ればと思います。
○山本博司君 是非ともよろしくお願いしたいと思います。
 以上で質問を終わります。ありがとうございました。