参議院 厚生労働委員会 第3号
○山本博司君 公明党の山本博司でございます。
今日は委嘱審査ということで、二つの観点から質問を申し上げたいと思います。
一つは社会保険病院、厚生年金病院に関してでございます。
社会保険庁が独立行政法人の年金・健康保険福祉施設整理機構、いわゆるRFOに譲渡した合計六十三か所の社会保険病院と厚生年金病院の売却を検討しておりますけれども、RFOは来年の九月までの時限組織となっており、期限後の病院の姿がどのようになっているのか、勤務医などの医療従事者や地域住民を中心に将来への不安が広まっております。社会保険病院、厚生年金病院はこれまで地域医療の大きな役割を担ってきており、RFOの終了期限後も安定をした事業継続を確保して、地域の医療拠点としての機能が維持できるようにするべきでございます。
先日も私は徳島県の健康保険鳴門病院を訪問いたしましたけれども、地方自治体からは、地域の基幹病院であり、公的医療機関として今後も存続していただきたいとの要望を伺った次第でございます。鳴門病院は、鳴門市とその周辺、また香川県の東部、東かがわ市とか兵庫県の淡路島の南地区に、合わせて十数万人の医療を担っております。地域では二次救急医療の多くに対応しており、救急医療は年間二千人、一日六人から七人平均で救急医療が運ばれております。また、周産期医療も徳島県で三番目ということで、さらに災害拠点病院ということでも大事な病院でございます。
今回、こうしたことがマスコミ等によって廃止、売却、こういったことが報じられたことで大変患者の方々、住民の方々、不安が拡大しております。その影響で、大学医学部からの医師派遣、研修医、今まで平均四人ぐらい来ておりましたけれども、三人がキャンセルになってゼロという状況が続いておるわけでございます。
地域の声を十分に踏まえた上で、無用な心配を払拭するためにも早急に具体的な将来像を示すべきと考えますけれども、大臣に、今後の方針も含めて見解をお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(舛添要一君) 先般、二週間ぐらい前、たしか三月六日だったと思いますが、このRFOに対しまして譲渡の進め方について指示を出したところでございます。
その中で強調しましたのは、地域の医療体制を損なわないような十分な配慮をして、地域の意見も十分聞いた上で適切な譲渡先や受皿を確保してくれということを言っておりますので、今後とも、地域の医療体制を損なうことのないように十分配慮しながらこの問題に取り組んでいきたいと思っております。
○山本博司君 もう是非とも地域の声、十分に聞いていただいて、お願いを申し上げたいと思います。
二つ目は、保育制度の改革に関しまして質問を申し上げたいと思います。
現在の保育サービスは、安定的なサービス提供や質の確保という観点から、認可保育所における提供が基本でございます。ただ、待機児童の増加とか保育ニーズの多様化に対応するためには、一定の基準を満たした認可外の保育施設にも支援を行うべきであると考える次第でございます。この認可外保育施設の支援の取組に関しまして、現状どのようになっているのか、まずお示しをいただきたいと思います。
○政府参考人(村木厚子君) お答え申し上げます。
平成二十年度の第二次補正予算で待機児童ゼロ作戦ということで、特にこの集中重点期間として、平成二十年度から二十二年度におきまして十五万人分の保育所などの整備を前倒しで行っているところでございます。
特に、都道府県に安心こども基金を創設をしてこういった対策を講じているところでございますが、安心こども基金におきまして、今回追加的な施策として、認可外保育施設に対する補助として初めて、賃貸の施設により新設される最低基準を満たす認可外保育施設に対しまして、家賃や改修費など開設準備費の補助を行うこととしたところでございます。
さらに、平成二十一年度予算案で、一時預かり事業、休日保育事業、夜間保育事業、家庭的保育事業における連携保育所、これらにつきまして、最低基準を満たしている認可外保育施設等に対しましても国庫補助の対象とすることとしているところでございます。
○山本博司君 一歩前進でございます。まだまだこの認可外の施設の支援、まだ十分ではございません。
本年二月二十四日に発表されました社会保障審議会の少子化対策特別部会第一次報告では、今後の保育制度の姿につきまして、認可外保育施設の質の引上げを目指すとして、最低基準への到達に向けた一定水準以上の施設に対する一定期間の経過的財政支援、この必要性に言及しております。認可基準を満たしていても、自治体の判断で認可をされずに大変厳しい財政状況の中で御苦労をされている認可外保育施設に対して、この新しい制度が実現してからではなくて、今からこの支援の枠を広げるべきと考えるわけでございます。
認可外保育園、例えば認可でございますと、零歳児では一人十五万円という形で財政的な支援があるわけでございます。様々な支援が、一人当たり百万円前後認可があるとある、現状は認可外はないという状況もあるわけでございまして、この認可外の支援、この新しい制度が実現してからではなくて、その前にも必要だと思います。
例えば、障害児の加算、これは今認可施設で加算がされておりますけれども、実際、認可外もこうした障害児の方々を見ているわけでございます。こういう認可外のサービスに対しましても、更なる加算といいますか支援策、これが必要であると思いますけれども、この点につきまして御見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(村木厚子君) 大変難しい問題だというふうに考えております。保育についての議論をする中で、認可の保育所であればしっかりした支援が受けられる、認可外であれば国からの支援がゼロではないかということで、委員が先ほど御紹介をくださいました社会保障審議会少子化対策特別部会の第一次報告の議論でもたくさんの議論がございました。
その上で、第一次報告では、やはり保育の安定的な供給、質の担保ということから、きちんと最低基準を満たす保育所を基本にしなければならないという原則に立ちながら、その上で最低基準を満たす保育施設に公費投入を行うということと、さらにそれに付け加えて、認可外保育施設について、最低基準への到達に向け、一定水準以上の施設に対して期間を限った経過的な財政支援が必要であることということが提言をされました。具体的にこれらをどう制度化をしていくかについては相当しっかりした議論が要るというようなことが議論をされたところでございます。
そうした中で、先ほど御答弁申し上げましたように、今回の安心こども基金については、認可外の施設に一定の補助をすることに踏み切ったわけでございますが、これは昨今の経済情勢の悪化の中で非常に待機児童が増えている、その中で即効性のある施策として一定の質を担保できる保育所を何とか増やしていただきたいということで、新たにこういう保育所をつくっていただくときに応援をしようということで、一時的、緊急的に何とか補助に踏み切ったというような状況でございます。
そうした意味では、既存の認可外保育施設について恒常的に運営費の補助をするということについては、やはり保育の質の確保と量の拡充、このバランスをどう取っていくかということで、相当に慎重な議論が要るのではないかというのが今の私どもの考え方でございます。
○山本博司君 ありがとうございます。
今御指摘がございましたですけれども、現状、私が四国の愛媛県、香川県、高知県、この認可外の経営されている方々、園長さん、お会いをさせていただいております。そのほとんどが認可の基準を満たしているわけでございます。その認可の基準を満たしているにもかかわらず、その市の財政的な基盤、これが厳しいということで認可されない。そのために、その方たちは認定こども園という形で地方裁量型を取られている。そういう形の基準を満たしているわけでございます。
ところが、何も、今回も、先ほどのありましたけれども、新設ということで、既存には全く、既存の認可外に対しては支援がないという現状があるわけでございまして、こういったところは二十年、三十年と地域で認可外の保育園をやりながら保育を担っていらっしゃるわけでございまして、お給料もほとんどその事業者の方々はもらっていないという状況の中でやられているわけでございまして、大臣、是非とも、今二十三万人という方々を受け入れているこの認可外施設、中にも様々な形がありますけれども、基準を満たしているこの認可外に対しての支援、これを是非ともお願いをしたいと思いますし、また、こういった方々、是非会っていただきたいと思います。先ほども難病の方々とか様々お会いをしていただいておりますけれども、今本当に御苦労されながら保育の現場にいらっしゃる方々の声を是非とも聞いていただきたい。
そういう意味で、大臣に最後に御見解をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(舛添要一君) 先ほど局長も御答弁申し上げましたように、質を確保しながら量を増やしていく、これが一番大事なんで、認可外保育所について最低基準を満たしていれば、これは今、公費を投入するという形でやりました。
それから、あと一歩で認可できる水準に達するよという、そういう施設に対してはそこにも公費を投入してその水準に上がってもらうということを、これは審議会の報告でも出ていますので、具体的にそれをどう進めていくかは今後の課題として取り組んでまいりたいと思いますし、現場の声を、できたらおいでいただいて聞くこともありますが、今は国会で動き取れませんが、時間が許す限り現場は私も視察したいと思っていますので、生の声を聞いて施策に反映したいと思っております。ありがとうございます。
○山本博司君 ありがとうございます。是非とも会っていただいて、声を聞いていただきたいと思います。
ありがとうございました。以上でございます。