参議院 厚生労働委員会 第7号 令和2年12月3日
○矢倉克夫君 先日、NHKのテレビで「こもりびと」というドラマがありまして、松山ケンイチさんが主役されていて、自分の中でも外に出たい、そのために頑張っているんだけど、自分とか周囲が与える期待と現実とのギャップで出られなくなった、そういう中にあって、厳格だった親が最終的には、例えばおはようとか、存在を認めた上で話していく、そういうたわいのない言葉から雰囲気が変わっていったという。そういう部分もいろいろ示唆に富むようなドラマもありました。
そういういろんな状況にある方に、一人一人に寄り添うような環境をつくっていく。その中で、山本副大臣にもちょっとお伺いしたいと思うんですが、所信で大臣が言及されていた、就職氷河期世代に働くことや社会参加への支援というふうに書かれておりました。これもこの社会参加に向けた支援というふうに、必要とされている方に対しての支援だと思いますが、これを今コロナの状況でなかなか会いにいけない環境でいかに寄り添う環境をつくっていくのか、御答弁いただければと思います。
○副大臣(山本博司君) 就職氷河期世代の中、特に引きこもり状態にある方への支援につきましては、厚労省では従前から都道府県や指定都市、ひきこもり地域支援センターの設置を進めてきたほか、より身近な場所においても、市町村における相談窓口の明確化や居場所づくり、これを環境整備を進めてきたわけでございます。
これに加えまして、先ほど大臣お話ししました就職氷河期世代支援プランに基づきまして、アウトリーチ機能の強化のための訪問相談を行う人を自立相談支援機関に配置したり、支援の核となる関係機関が連携した市町村プラットフォームを設置するなど、取組を更に加速化したわけでございます。また、コロナ感染症の影響を受けまして、地域の実践では、対面での支援に加えまして、ビデオ通話やSNS等の活用したオンラインでの居場所づくり、こうしたことで感染防止の、感染拡大防止に配慮した取組も行われております。
厚労省では、これらの取組が更に広がるように、令和三年度の予算概算要求におきまして、引きこもり当事者等によるSNSや電話等のオンラインを活用した支援に必要な経費を計上している次第でございます。
その上で、これらの取組を始め、引きこもり状態にある方やその家族への支援に当たっては、それぞれ異なる経緯や事情を抱えておられることにつきまして、社会全体の理解を深めることで支援を必要とする方が相談しやすい環境づくりを進めるとともに、生きづらさと孤立の中で日々葛藤していることに思いを寄せながら、時間を掛けて寄り添う必要があると考える次第でございます。ですので、就労だけを唯一のゴールとせず、コロナの状況の踏まえた様々な支援の選択肢を用意した上で、引き続き取り組んでまいります。