参議院 国土交通委員会 第7号
○山本博司君 公明党の山本博司でございます。
本日は、国土交通委員会の場で質問をする機会をいただきまして、大変にありがとうございます。
離島振興法改正に関しまして、お聞きを申し上げたいと思います。
私は、公明党の離島振興対策本部の事務局長という立場で離島を回らせていただきました。二日前も隠岐の島に参りまして、六十八の島々を回り、様々な課題をお伺いをした次第でございます。
公明党は、離島振興対策本部の遠山本部長を中心に国会議員が様々現場を回りまして、昨年十二月には離島振興ビジョン二〇一一ということで発表させていただきました。今回の離島振興のこの改正論議、様々な形でこの内容が、国の責任の明記であるとか、また定住促進の推進、また介護とか就学等の様々なきめ細かな生活の反映がされたということは大変喜ばしいことでございます。
法案提出者にお聞きをしたいと思います。
今回のこの改正の狙い、特に三大臣に加えまして四大臣が追加になりました。この部分に関しましての内容を教えていただきたいと思います。
○衆議院議員(遠山清彦君) 山本委員の御質問にお答えをする前に一言申し上げたいと思います。
私も、山本委員から今御紹介されましたように、公明党の離島振興対策本部長という立場にありまして、今まで七十五の有人離島を全国で回らせていただきました。その立場から申し上げますと、今回の法改正は与野党、衆参の関係議員が大変な努力をして、戦後六十年、初めてとも言える抜本改正まで参りました。岡田委員長始め参議院の国土交通委員会の諸先生方におかれましては、是非とも活発な議論の後に御賛同賜りたいということをお願いを申し上げたいと思います。
御質問にお答えいたしますが、今般の改正案では、従来の国土交通大臣、農林水産大臣、総務大臣という三人のこの離島振興に対する所管大臣に加えまして、文部科学大臣、厚生労働大臣、経済産業大臣、環境大臣、四大臣が追加をされて七大臣の体制になったわけでございます。
山本委員もそうでございますが、私も六十八、七十五という島を回りまして、やはり離島が今抱えている問題というのは、急速に進む高齢化、また人口減少、それから、あるいは子供たちの数も大変減っておりまして、小学校など回りましても四名とか三名しかいないという状況がございます。そういった中で、やはり所管の大臣を、文部科学大臣や厚生労働大臣を増やして、そして直接的にこの離島振興基本方針の策定等にかかわっていくという形をつくることが大事だというふうに思っておりまして、今回の法改正でそういった所管大臣の離島振興に対する責任の明確化を図ったわけでございますので、この法が施行された後は、国交省や農水省や総務省だけに離島振興を任せる、あるいは都道府県だけに離島振興を任せるという体制ではなくて、医療とか教育とか文化、産業、雇用創出、自然環境、エネルギー、そういった分野においても、しっかりと所管大臣に責任を持って充実した施策を進めていただきたいと、このように解釈をしております。
○山本博司君 ありがとうございます。
それでは、今回新しく追加をされた主務大臣の中から幾つか、各省庁の今回の改正の決意をお聞かせいただきたいと思います。
まず、厚生労働省。今回の改正で、妊婦支援を含めまして介護のサービスが新設になりました。百八十五の島が介護は受けていないというふうなデータも以前ございましたけれども、今回のこの部分に関しての決意をお聞かせいただきたいと思います。
○副大臣(西村智奈美君) お答えいたします。
今回、改正法におきまして、厚生労働大臣も主務大臣に加わったということで、私どもしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
今回の離島振興法の改正法案では、新たに、御指摘のとおり、妊婦が健康診査を受診する場合や出産する場合に必要な医療を受ける機会を確保するための支援に加えまして、介護サービスの確保、充実を図るための配慮が盛り込まれているというふうに承知をしております。このうち、妊婦に対する支援は安心、安全に出産できる体制づくりのため、そして介護サービスの確保、充実は、住み慣れた地域で安心して生活を続けることができるようにするために重要であります。
厚生労働省といたしましては、衆議院の附帯決議もございますし、また法案の趣旨にもありますので、法案が成立した際には、それらの内容に基づき、きちんと対応してまいりたいと思っておりますので、是非委員からも御支援をいただけますようにお願いをいたします。
○山本博司君 ありがとうございます。
続きまして、文科省に教育の分野に関してお聞かせいただきたいと思います。
今回、第十五条で教育の充実がうたわれております。高校生の修学支援、また今回の離島の学校の維持、存続に当たる標準法の職員定数の見直し等も今回入っておるわけでございます。この点に関しまして、決意をお願いしたいと思います。
○大臣政務官(城井崇君) お答えを申し上げます。
この度、文部科学大臣が主務大臣に加わるという、その重みをしっかりとかみしめ、また離島の教育の特殊事情をしっかりと鑑みつつでありますけれども、修学支援につきましては、離島から進学する高校生に対しまして通学費又は居住費の支援について適切な配慮をすることが盛り込まれているということを踏まえまして、また二つ目には、教職員の定数改善については教職員定数の決定について特別な配慮をすることが盛り込まれているという、この規定を踏まえましてということ、そして三つ目には、学校の維持、存続については教育委員会の意向をしっかり踏まえてということで、今後ともしっかりと取り組んでまいりたいというふうに思います。御支援をよろしくお願いいたします。
○山本博司君 ありがとうございます。
続きまして、経済産業省にお聞きをいたします。
法案の第十七条の三に、エネルギー対策の推進条項におきまして、石油製品価格等の低廉化等への適切な配慮という明記がされております。今、離島ガソリン流通コスト支援事業等で輸送費の補助がなされておりますけれども、こうした当該事業以外にも灯油とか、また軽油等の様々な支援が必要ではないかと思います。そういったことも踏まえまして、経産省の決意をお聞かせいただきたいと思います。
○副大臣(牧野聖修君) お答えをさせていただきます。
再生可能エネルギーにつきましては、電力の需要規模が小さいという離島の特性を勘案して、設備導入の補助金において、離島以外の地域に比して導入設備の規模の要件を緩和し、小規模の設備についても補助対象としているところであります。
さらに、電力会社の系統と接続されていない離島での活用も念頭に置きつつ、自家消費型の再生可能エネルギー発電設備への導入支援補助金を今年度新たに創設したところであります。
これらによりまして、離島における再生可能エネルギーの導入拡大を進めてまいりたいと思っております。
離島のガソリン価格につきましては、運搬コスト等が本土と比較して割高となっていることから、小売価格も一リットル当たり平均二十円程度割高となっていたところ、このため、平成二十三年度より、ガソリン価格を実質的に値下げするため離島ガソリン流通コスト支援事業を開始いたしました。同事業の効果もあって、離島のガソリン平均価格は事業開始前後で九・三円値下がりをしたと思っております。
また、一部の離島、特に本土から遠方にある離島は輸送コストが更に割高であることから、本年六月より補助単価を見直して支援を拡充するなど、離島振興法の改正にかかわる議論を踏まえ、石油製品の価格の低廉化に一層取り組んでいるところであります。
今御指摘がありましたほかのことにつきましても、これから一層支援できるように頑張っていきたいと思っております。主務大臣になることを契機に、本当に離島のエネルギー対策の推進に努めてまいりたいと考えております。
よろしくお願いいたします。
○山本博司君 是非とも軽油とか灯油に関しても支援をお願いをしたいと思います。
国交大臣にお聞きしたいと思います。
今回の大きな目玉は、この離島活性化交付金でございます。ソフト事業に使えるということで、この離島振興基本方針に掲げる事項に係る離島の活性化にとって必要なソフト事業は全てが対象となるような、そういう推進をしていただきたいと思う次第でございます。これは政令ということでございますけれども。そして、この交付金制度の財源ということの確保、これから大変大事でございまして、これから概算要求等もあると思います。しっかり財源確保を含めた大臣の決意をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(羽田雄一郎君) 本改正案では、離島の活性化に資するソフト施策等を総合的かつ着実に推進していくため、都道府県による離島活性化交付金等事業計画の作成及び同計画に基づく交付金等の交付に係る規定が設けられたものと承知をしております。
国土交通省として、関係省庁と連携を図りつつ、離島活性化交付金等事業計画に基づく事業の支援についてしっかりと取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○山本博司君 しっかりお願いをしたいと思います。
最後に提案者に、この離島特区に関して、公明党が主張した内容でございますが、その点、簡潔にお願いしたいと思います。
○衆議院議員(遠山清彦君) 簡潔にお答えいたします。
本改正案第十八条の二によりまして、離島特区制度の創設について総合的な検討を加えて必要な措置を講ずる旨が規定されております。
この離島特区の創設によりまして、離島の特性を踏まえて、地域における創意工夫を生かした離島の振興を図ることが可能になるものと思っておりまして、今後、離島の活性化と定住の促進に資するような規制の特例措置あるいは金融、財政上の措置等を盛り込むことも含めまして、具体的な検討が早急に行われることを期待しております。
以上です。
○山本博司君 以上でございます。
ありがとうございました。