参議院 国土交通委員会 閉会後第1号 令和2年12月24日

○熊谷裕人君 ありがとうございます。
 この後ゲノム解析の話もしたかったんですけど、時間がなくなってきましたので、ちょっとお願いだけをさせていただきたいと思います。
 今、脇田先生からも、ゲノム解析、感染研でやられていると思いますけれど、これすごく重要なことだと思っておりまして、もっとたくさんしっかり予算を付けて、予算を国の方も付けてゲノム解析をもっとやった方がいいんじゃないかと私は思っております。
 ニュージーランドなんかではやっぱりゲノム解析をやることによって封じ込めているというのもありますし、オーストラリアのシドニーでは四時間でその解析ができるような機器ができているということもあるので、そういうことを使っていただいて、私は、もっともっとゲノム解析をして、変異種が出てきてしまっていますので、そういうところの対策をしっかりやっていただければなというふうに思っています。感染が広がれば変異種がそれだけ多くなるというような論もあるみたいですので、一生懸命、脇田先生には感染研挙げてゲノム解析をやっていただければなというふうに思っております。
 次は、厚労副大臣にも来ていただいておりまして、医療の逼迫についてでございます。
 私はコロナ専門病院をつくるべきではないかなというふうに思っておりまして、割当てだとなかなか、先ほど尾身先生も御答弁していたように、病院経営に、収益のところに影響があるので、思い切ってもうコロナ専門病院を公的なところで設置をした方がいいというのが私の考えですので、ちょっと厚労大臣にその辺どうなのかというのをお尋ねをしたいのと、それから、人材で、医療従事者の皆さんや介護の従事者の皆さんでパートさんが多い。この十二月って、扶養控除に残れるかどうかということで時間調整があって、皆さん一生懸命やっているのにシフトを休まなきゃいけないという話があったりするので、そこの扶養控除の拡大を厚労省の方で考えていただいて、財務省に是非入れていただけないかなというのと、それから、エッセンシャルワーカーについてですね。
 ニュージーランドなんかでは認定をして様々な支援をやっていらっしゃるんですよ。ニュージーランドで現職の日本人の看護師さんから私メールいただいたんですけれど、手厚くニュージーランドではやっていただいているので偏見とか差別がないというような話があります。しっかりと、今大変な状況であるのは看護協会の会長さんもおっしゃっておりましたし昨日の日本医師会の会長さんもおっしゃっていましたので、その辺の懸念というのが払拭できて、使命感に燃えている皆さんを助けるというようなところの手当てを是非お願いしたいと思います。それには慰労金だとか処遇改善が必要だと思いますので、その点についてもお尋ねをしたいと思います。
○副大臣(山本博司君) 委員御指摘の、最初の配偶者控除の部分でございますけれども、今委員の御指摘の部分に関しましては、税の公平性の観点とか働き方の選択に対しまして中立的な態度を構築するという観点に立った場合は、様々な関係者の御意見を伺って議論をしていくべきものと考えておりまして、厚労省としては特定の職業についての特別の取扱いを要望している事実はないということで、なかなか難しい状況でございます。その意味で、委員が御指摘されております看護の方々の、特に離職されている方々の復職支援ということでは厚労省としてもしっかり取り組んでいきたいと思いますので、そうした観点から取り組んでいきたいと思います。
 それから、最初のコロナの部分でございますけれども、この点に関しましては、国としては、都道府県に対して医療機関単位であるとか病棟単位でコロナ感染症患者を重点的に受け入れる重点医療機関の指定を依頼した上で、専門性の高い医療従事者の集約による効率的な治療の実施を、院内感染対策を促しているところでございまして、その中で、各都道府県によるこのコロナ患者の病床確保の手法としましては、医療機関単位でコロナ患者を受け入れるいわゆるコロナ専門病院を設置することにつきましては、地域の事情に応じて各都道府県で判断されることになっております。例えば東京や神奈川や愛知や大阪等でもその形を取られておりますので、国としてはその都道府県のいわゆる財政的な支援、これを進めているということでございまして、その点でしっかり取り組んでいきたいと思います。
 それから、最後の、様々な医療従事者、さらには介護従事者、そうした方々に対する支援でございますけれども、昨日も枝野代表からお話ございました。しっかりその点に関しましては、なかなか慰労金を支給する、今まで慰労金を支給するということは考えておりませんけれども、今後、そうした医療機関に対する支援に関しまして、追加支援ということで今後引き続き検討していきたいと思います。

○木村英子君 しかし、東京都内では、かなり人の数が多くて、減っているということは私の中では見受けられないんです。
 既にちょっと停止が遅いのではないかなと思っていまして、東京では停止されていると言っていますが、GoToキャンペーンで東京から地方に出ていく旅行については、自粛を要請しているということだけで完全には止まっていませんので、このままでは、年末年始に更なる感染拡大が起きて医療崩壊が現実化してしまうのではないかという不安を抱いています。常に介護が必要な障害者や医療的ケアが必要な障害者は介護をしてくれる人がいないと生活が成り立っていきませんので、密になっても感染しないように、介護従事者にも医療的従事者と同じレベルの感染対策が必要だと思っています。
 そこで、山本厚労副大臣にお伺いします。
 介護従事者の周辺でもコロナの感染者が増えてきています。介護を必要とする障害者の自宅に仕事に入る場合、自分がコロナに感染しているのではないかという不安を抱えながら介護に当たっています。しかし、PCR検査を受けたくても、濃厚接触者ではないという理由で、なかなか検査を受けることができません。
 障害者に感染させてしまうと重症化するおそれのある人が多い中で、利用者である障害者に感染させないためにも、介護従事者が随時PCR検査を受けられるようにしていただきたいのですが、いかがでしょうか。
○副大臣(山本博司君) 木村委員、御質問大変にありがとうございます。
 新型コロナ感染症に係る行政検査に関しましては、委員御指摘の介護従事者も含めまして、感染拡大を防止する必要があった場合には症状のない方も含めて広く検査を行っていただくよう、都道府県に要請している次第でございます。
 また、介護従事者に対するこのPCR検査につきましては、保健所による行政検査が行われない場合におきましては、障害福祉サービス事業所等において必要性があるものと判断し自費で検査を実施した場合につきましては、それが事業所等の運営に必要不可欠であれば、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業、委員の配付されております一枚目の交付金でございますけれども、その対象になります。十一月二十日付け事務連絡においても発出をしております。
 引き続き、感染症の影響がある中でも障害福祉サービスが適切に提供されるように、現場の状況を踏まえながら必要な支援を行ってまいりたいと思います。
○木村英子君 ありがとうございます。
 新型コロナ緊急包括支援交付金でPCR検査を受けられるということですが、そのことを事業所では、ほとんど知らない事業所が現在多いです。自己負担で検査を受けなければいけないという実態もありますので、今後周知徹底をお願いしたいと思っております。
 次に、障害者のコロナ禍においての入院時の介護派遣について質問いたします。
 常時介護の必要な障害者は、病気になったとき、日頃から接している慣れた介護従事者の献身的な支援がなければ病気を治すことはできません。なぜなら、一人一人の障害によって介護の仕方も違い、介護の仕方を間違えれば骨折や体位交換の際に呼吸困難になってしまう人もいます。普通の風邪を引いただけでも重症化してしまう人がいる中で、今回の新型コロナは治療薬もワクチンもないという現状において、今までにない恐怖を感じている障害者の方が多いと思います。
 日に日にコロナの感染者が増えている中で、医療も逼迫し、看護師の人手も足りていない状況では、常時介護が必要な障害者や医療的ケアが必要な障害者が入院した場合、たくさんの患者さんの対応で大変な中、看護師が看護の合間に複雑な介護やコミュニケーション支援を必要とする障害者の介護までするのはとても難しいと思います。
 さらに、入院時の介護の派遣については、厚労省から平成二十八年六月二十八日付けで、特別なコミュニケーション支援が必要な障害者の入院における支援についての通知が出されていますが、その通知の存在を知らない医療機関も多く、介護の必要な障害者が入院する際に介護者を付けることを要望しても、医療機関に断られて困っているという人たちがいます。さらに、自治体によっては、この通知が出されているにもかかわらず、重度訪問介護による入院時の派遣を認められず、介護者を付けることができないために水分補給や体位交換が小まめにできず、障害の体を傷め、病気を治すどころか、命の危機を感じて退院するしかなかった人もいます。このような現状はいまだに改善されていません。また、このコロナ禍においては、感染防止が強化されて、通知を医療機関に見せていても、以前にも増して断られてしまうということが増えています。
 常時介護の必要な障害者や医療的ケアの必要な障害者にとって介護者は命を支えてくれる大切な存在であり、入院時においても付添いをしてもらわなければ障害の体や命を保つことはできません。特別なコミュニケーション支援が必要な障害者の入院における支援についての通知は、私たちにとって、入院したときの欠かすことのできない介護の保障です。ですが、なぜこの通知が周知をされていないのかお聞かせいただきたいと思いますが、山本厚労副大臣にお聞きします。
 コロナ禍の逼迫した状況の中で、私たちは入院時の介護派遣についての改善の要望を出してきましたが、今なお全く改善されていない状況です。この問題についてどのような対応をされてきたのでしょうか。また、これからどのような対策をしていただけるのでしょうか。
○副大臣(山本博司君) ありがとうございます。
 今委員御指摘のコミュニケーションに特別な技術が必要な障害を有する患者の入院につきましては、当該患者へのコミュニケーション支援に熟知をしている支援者がその入院中に適切な支援をするということは大変重要であると思っている次第でございます。
 そのため、厚労省では、こうした特別なコミュニケーション支援が必要な障害者につきましては、従来より支援者の方が入院中に付添いを行うということを可能としておりまして、その旨の通知が、先ほど委員からもありました平成二十八年の六月二十八日付けの内容でございます。お示しをしているところでございます。
 また、最重度の重度訪問介護利用者につきましては、入院中のコミュニケーション支援として当該サービス、これを利用することが可能でございますので、このことにつきましても、ちょうど委員の提出されました資料二になりますけれども、三月九日、障害保健福祉の主管部局といたしまして医療関係部局と連携の上で、病院等にも周知に協力いただきたい旨、三月九日、この資料にあるとおり、障害保健福祉関係主管課長会議においても周知を行った次第でございます。
 加えまして、委員の提出の資料の三にございますけれども、六月十九日付けの事務連絡におきましても、各都道府県の衛生主管部局に対しまして、家族等の付添いは障害児者の精神的な安定や急変の兆候に早期に気付くことができる利点があるため、保護者等の希望を踏まえ、院内感染対策に十分留意しつつ積極的に検討するよう医療機関等に促すことを依頼したところでございます。
 今委員お話ございましたけれども、そういうことも含めて、しっかりとこうした解釈が医療機関に行き届くような必要な周知を行ってまいりたいと思います。