参議院 国民生活・経済・社会保障に関する調査会 第4号
○山本博司君 公明党の山本博司でございます。済みません、順番をちょっと早めていただきまして、ありがとうございました。
二〇一一年から三年間掛けましての調査会、私は一年目と三年目に参加をさせていただきました。その間、参考人の方々、大変貴重な意見など拝聴して大変勉強になりました。本当にありがとうございました。
社会保障制度を持続可能なものにするためにはどうしたらいいのか。それは社会保障を支える基盤の更なる充実だと考えます。
基盤の一つは、ともかくも一定の経済成長が必要だと思います。物づくり産業の再生であるとか攻めの農業、また再生医療などの医療・福祉分野での雇用拡大、技術革新、こういった新たなる成長戦略で経済が着実に成長し続けていく努力が求められると思います。
また、社会保障制度を持続可能とするための二つ目の基盤は、その支え手を拡大することが重要です。少子高齢化の人口減少社会にあって、女性、高齢者、若者など我が国のあらゆる人材が尊重され、活用されていくことが大切です。正規、非正規にかかわらず、フルタイムの人も短時間勤務の人も、年齢や性別、障害などによって差別されることなく多様な働き方が尊重される社会、希望すれば誰もが働き続けることができる制度や仕組みを拡充させることが重要と考えます。それは結果として支え手を拡大し、個人個人の能力を発揮できる社会の構築につながると思います。
三つ目の社会保障を支える基盤は、地域における支え合う社会の仕組みづくりの推進です。東日本大震災で実感をしましたことは、地域やボランティアなどで心温まるきずなの大切さを痛感をいたしました。私は被災地、宮城県仙台市や沿岸地域をずっと担当をいたしました。被災当初からずっとかかわってまいりましたけれども、日本社会転換のキーワードは孤立社会から支え合いの社会への転換だと本当に強く実感をいたしました。
地域や職場に支え合いの仕組みをつくるためには、芽生えた個人間の連携をサポートすることが重要であり、背後から支えるのが公的機関の役割だと思います。その共助の中核と位置付けられるNPOなどの税制面の支援、また法整備、さらには一定の行政権限の委託など、行政の補完にとどまらない主体者としての社会を担える、こうした環境を整えていく必要があります。こうした社会保障制度の在り方は、課題も山積しておりますけれども、与野党問わず真正面から議論をし、合意形成をつくる努力が必要と思われます。
以上、意見表明を終わらせていただきます。