参議院 国民生活・経済・社会保障に関する調査会 第1号

○山本博司君 公明党の山本博司でございます。
 今日は、三人の副大臣の皆様、大変にありがとうございました。
 私は社会保障の個別課題ということで質問をしてみたいと思います。
 ちょうど三年目ということでございまして、一年目の社会保障のこの調査会に関しましても、四月に、生活保護、また生活困窮者の支援ということで、参考人の方々、三人の方々にお話を聞かさせていただきました。
 この国会でも議題になると思いますけれども、その中で、私含めて公明党で、新しい福祉社会ビジョンという、二年前に、こうした孤立から支え合いの時代ということでのこの問題も取り上げてきたわけでございますけれども、今削減ということの部分が光が当たっておりますけれども、やっぱり自立という、どう困窮者の方々を自立させていくかという部分で、私も、釧路にも参りましたし、宮城の被災地のパーソナルサポートセンターとか東京のNPO法人のふるさと、こうした中間就労であるとか学び支援であるとか、こういう、ちょうど十七ページのこの生活困窮者の特別部会で出されている内容そのもののことがやはり大変大事であろうと思います。
 そういう中で、それを法制化も含めて、やっぱり財源も含めた形でこうした自立の道をどうするかということも含めて、しっかりセットで出すべきであろうと思いますけれども、この辺り、副大臣の見解をお聞きしたいと思います。
○副大臣(桝屋敬悟君) 山本委員からのお尋ねでありますが、今回、マスコミ等では生活保護の基準の引下げみたいなことばかりが報道されておりますが、委員がおっしゃったように、皆さん方の取組もありまして、公的扶助、生活保護の受給者が格段に増えている、こういう中で新たな支援策、地域における新たな支援策を体系的に整備しなきゃいかぬのではないかと。生活保護制度だけではない、その周辺部分に第二のセーフティーネットとして法律、体制をつくり上げるということが極めて大事だと。
 そういう意味では、おっしゃったように、生活困窮者対策、自立支援対策等を含めて一体的に今回、生活保護の適正化ということも当然でありますが、一体的な改革をしなきゃならないというふうに思っている次第でございます。
○山本博司君 是非とも、その点を含めて推進をお願いをしたいと思います。
 二つ目の質問は、再生医療ということでお聞きをしたいと思います。
 ちょうど昨年の十月十八日の公明党の再生医療の推進プロジェクトチームに山中教授が来ていただきまして、今後の臨床研究ということでの臍帯血、ストック細胞という形で、いかに臨床研究に応じていくかということのお話等もございました。ちょうど昨年、全会一致で、造血幹細胞移植推進法という法律が、臍帯血の研究目的の利用ということが条文に載って、それも含めてこうした臨床研究の道筋というのができているわけですけれども、やはり今多くの方々、特に難病のパーキンソン病の方だとか脳疾患の方、また脊髄損傷とかそういう方々は、やはりこの再生医療に本当に希望を持たれていらっしゃるわけです。
 それをどう進めていくかという部分でのやっぱり厚労省の一つの取組という部分、それから、これはやはり成長産業ということにもなるかと思いますので、これは内閣府の西村副大臣にも、イノベーションということでのお話が先ほどございましたけれども、こういう再生医療を含めた成長産業に対してどのように取り組んでいくか、この点を御見解をお聞きしたいと思います。
○副大臣(桝屋敬悟君) 再生医療についてのお尋ねをいただきました。
 再生医療につきましては、今委員がおっしゃったように、多くの難病の方々、期待をされているわけであります。ただ、安全面、倫理面の課題に留意しながら一刻も早く実用化を進める、こういう姿勢が大事だろうと思っております。
 そのため、厚生労働省といたしましては、再生医療製品の特性を踏まえた規制、制度の構築等を内容とする薬事法の改正法案や、それから再生医療の医療行為そのものの安全性等を確保するための新たな法案、こうしたものについて今国会への提出を目指して検討を進めているところでございます。
 また、平成二十四年度の予備費、補正予算、それから平成二十五年度の予算案においても、再生医療の臨床研究の基盤整備、それから細胞培養加工等の人材養成のための体制整備、さらには再生医療の実用化に向けた各種の研究の支援等に係る費用について順次予算を計上しているところであります。
 制度面、予算面の両方から再生医療の実用化に向けた支援をしっかりと進めてまいりたいと考えております。
○副大臣(西村康稔君) 先般取りまとめました、一月十一日に取りまとめました緊急経済対策の中にも、委員御指摘のとおり、再生医療について規制改革をやっていこうということで盛り込んでおりまして、再生医療製品の特性を踏まえた特別な早期承認制度の導入を行うといったような見直しを、今、厚生副大臣御答弁ありましたけれども、まさに厚生省の方で取り組んでおりますこれを我々としても支援をしていくということでありますし、さらに、一月二十五日には安倍総理から規制改革担当大臣に対して、この分野、健康・医療分野、重点分野にするということで指示がございまして、健康を維持して長生きをしたいという国民のニーズにこたえていくと。そしてまた、世界に貢献し日本の国の国富拡大にもつながるということで、この部分の大胆な改革を推進するということを指示をしておりまして、重点分野の一つとしてこれからも内閣府としても取り組んでまいりたいと思っております。
○山本博司君 是非とも、再生医療に関しましては政府挙げて取り組んでいただければと思います。
 最後に、難病支援ということで質問をしたいと思います。
 やはり、医療面、特にこうした治療法の分からない難病の方々の支援というのは大変大事でございまして、今、厚労省の方でも一月二十五日に難病対策委員会の提言が出されたと思います。
 そういう意味で、医療費の助成等に関して五十六疾病から三百近い形で広がるのではないかというふうな、公平で安定的なそういう医療費の助成の問題だとか、どこに治療を求めていったらいいか分からないという医療体制の問題とか、また難病の方々はやはり就労であるとか生活的な形での支援ということでも大変大きな課題がございます。
 この難病対策というのを今後どのように政府は考えて取り組もうとしているのか、この点、最後にお聞きしたいと思います。
○副大臣(桝屋敬悟君) 委員御指摘のように、一月二十五日に難病対策委員会で取りまとめられました提言がございます。この提言の中身は、効果的な治療方法の開発と医療の質の向上、それから公平、安定的な医療費助成の仕組みの構築、さらには国民の理解の促進と社会参加のための施策の充実、この三つが改革の柱でございました。
 特に、委員からもお話がございました医療費助成につきましては、対象疾患を原因不明、効果的な治療方法未確立等の四要素を満たすものとして、給付水準を難病の特性を踏まえつつ他制度との均衡を図りながら設定することとされております。具体的な対象疾患や給付水準については、今後更に検討を進めてまいりたいと思っております。
 一月二十七日でありましたが、総務大臣、財務大臣、厚生労働大臣による三大臣合意では、法制化その他必要な措置について調整を進めること、これが合意されたわけであります。改革の実現に向けた道筋が示されたわけであります。
 今後は、難病対策委員会の提言あるいは三大臣合意も踏まえて、具体的な制度の内容について検討を進め、できる限り早期に総合的かつ安定的な難病対策を構築できるよう、法制化その他必要な措置について調整を進めてまいりたいと考えてございます。
○山本博司君 以上です。ありがとうございました。