参議院 国民生活・経済・社会保障に関する調査会 第2号

○山本博司君 公明党の山本博司でございます。今日は大変にありがとうございます。
 大塚副大臣にお聞きをしたいと思います。
 税と社会保障の一体改革ということで、大塚副大臣、総理からも死ぬ気でやれというふうなことを、言ったのかどうか分かりませんけれども、大変大事な役割を担っていただいて、この四月までに中間報告をまとめられるということで、大変大事な部分だと思います。
 特に、今回の社会保障改革に関する集中検討会議、その顔ぶれを見ますと自公政権時代の議論の中心的な方々が担っていらっしゃるということで、これは民主党のその公約の大幅な転換も必須ではないかというふうなことも言われておりますけれども、私が心配をしますのは、今、消費税とか増税の部分のことが先行していますが、この社会保障の機能強化、このやっぱり議論をしっかりしてビジョンを大塚副大臣の下に作っていただきたいということでございます。
 その社会保障の機能強化の範囲がどこまで議論をされるのかというのが見えておりません。年金、医療、介護、また子育てもやる、また雇用もやるということで委員に湯浅さんを入れられたりとかしておりますけれども、私たち公明党は今回、昨年の末に新しい福祉ビジョンということで、年金、医療、介護、子育て以外にもあと五つの、例えば障害者福祉であるとか、貧困と格差とか、雇用とか、またソーシャルインクルージョンとか、こういう様々な新しい問題もあるということも議論をした形で提示をしているわけです。
 やはり、障害者の方々なんか特に、いつも毎年毎年予算で苦労されていて、今、総合福祉部会等でも制度推進会議の方々、議論されていますけれども、この機能の範囲の中にこういう障害者福祉等のことを議論をされるのかどうか、このことをまず教えていただきたいと思います。
○副大臣(大塚耕平君) ありがとうございます。
 まず、結論から申し上げますと、厚生労働省での検討においてはそのとおりでございます。厚生労働省、既に私が着任したときにはその中に社会保障制度改革のための幾つかの検討の母体ができ上がっておりまして、年金、医療、介護のみならず、子供、子育てあるいは貧困等、六つの検討の母体ができておりますので、今、山本先生御指摘のオーバーオールな内容を進めておりますので、その点は公明党さんがお考えになっておられる方向と同じだというふうに思います。
 それに加えて、冒頭おっしゃいました、税の話が先行しているというような御指摘がありましたが、その点は私も着任早々、厚生労働省の皆さんには申し上げましたが、政策論と財政論は分けて考えるべきだと。初めに政策論ありき、その後に財政論の観点から調整が必要であれば調整を加えるということでありますので、しっかりその政策論を中心に山本委員御指摘のオーバーオールな分野を包括をするビジョンを四月にお示しをしたいというふうに思っております。
○山本博司君 ありがとうございます。是非とも、この部分に関して障害者福祉も含めた議論をしていただきたいと思います。
 続いて、池田副大臣、経済産業省にお聞きをしたいと思います。
 今回、社会保障を考えていったときに、やはり公助、共助、自助とございますけれども、やはりNPO法人とか若しくは民間、地域の方々の支援をどうそこに雇用であるとか生み出していくかということは大変大事な分野だと思います。
 そういう意味で、経済産業省がソーシャルビジネスということで推進をされて、ちょうど二〇〇九年にソーシャルビジネスの五十五の事例ということで発表されておられます。私もその現場、幾つかの会社に行かさせていただきました。徳島でジェイシーアイ・テレワーカーズ・ネットワークという障害者のNPO法人でございますけれども、約三百名ぐらいの方々が在宅の就業をしながらいろんな雇用またビジネス、特にICTを活用してやっていらっしゃる事例でございまして、非常にうまくいきながら、経済産業省のソーシャルビジネスのノウハウ移転セミナーということで、ほかの五社ぐらいを呼ばれてやっていらっしゃいました。また、先日は静岡県の三島市のグラウンドワーク三島という、これも環境問題を、どぶ川から蛍が乱舞するような、そういう運動ということでこれも取り組んでいらっしゃるわけですけれども。
 ただ、予算的に、平成二十一年、五億四千万あった予算が毎年減らされて、二十三年は二億二千万ぐらいということで、ソーシャルビジネスの関連予算が減っているのではないかなという懸念があるわけです。
 大変大事な分野ですので、どういう認識で取り組まれているのかという、この点をちょっとお聞きをしたいと思います。
○副大臣(池田元久君) 事務方から答弁させます。
○政府参考人(新原浩朗君) 御指摘のとおりでございまして、助け合いとか支え合いというようなことを考えたときに、ここで、社会保障分野で議論になります子育て支援、あるいは少子高齢化、環境保護、安全、安心、防災等々、いわゆる社会的課題、地域の社会的課題を解決していく上で、私どもこのソーシャルビジネスという部分を非常に注目をしております。
 雇用形態としても、決してこれ収益が目的では、もう委員御承知の、ございません。ございませんが、私ども聞いておりますと、ここで働いている人たちはやっぱり社会的課題を解決するということに意義を感じて、自己実現として特に若い人を中心に非常に興味を持っておるわけでございます。私どもの調査によると、全国でこの事業者、こういうものに該当する人たちが八千事業者ぐらい、雇用者数も三・二万人ぐらいにはなっておるわけでございます。今、御紹介いただいたように、私どものところで今どういうそのいい例があるのかというのを集積をしておりまして、それについて、またいろんなその後対応策なんかを考えていきたいと。
 今回、税法の中でいわゆる寄附税制なんかも整備をいたしておりますけれども、地域の雇用として、新しい形態としてこれを支えていくように頑張っていきたいというふうに思っております。
○山本博司君 是非とも、この分野というのは大事な分野でございますので、推進の方をお願いをしたいと思います。
 最後に、鈴木副大臣にお聞きしたいと思います。
 貧困の連鎖ということでお聞きしたいんですけれども、生活保護世帯、約百九十八万人ということで大変どんどん伸びているということですけれども、そういう中で、生活保護世帯の子供が成人しても再び生活保護になっているという貧困の連鎖、大変問題化をしております。そういう貧困の連鎖を断ち切っていくというのは、教育の力というのは大変重要だと思っておりまして、私も保土ヶ谷区のはばたき教室とか、釧路のそういう中学校三年生に対する教育指導だとかということの部分、これは厚労省かも分かりませんけれども、様々な形から教育で支援をしていくということは大事な部分だと思います。
 そういう点を文科省の立場からはどういうふうにとらえていらっしゃるのか、教えていただければと思いますけれども。
○副大臣(鈴木寛君) 先ほども申し上げましたように、まさにこの貧困の連鎖を断ち切るのが教育、少なくとも私どもが今進めております最大の教育上の課題、政策課題だというふうに考えております。
 これは、まさに先ほども御議論ございました、やっぱり義務教育をしっかりしていくという、まさに公が提供するものに加えて、それはしっかりやります。しかし、加えまして、やはり社会のあらゆる方々の御協力をいただいて実現をしていくということが重要だと思います。これは、学力を身に付けるということもありますし、学びへの意欲あるいは生きる意欲、そうしたことも含めて総合的にやっていくということであります。
 例えば、放課後子ども教室とか学校支援地域本部とか、コミュニティ・スクールというまさに地域の方々、ボランティアの方々、あるいは学生ボランティアの方々、そういう方々の御協力を得て、あるいはそういう方々がむしろ主体になってそうした子供たちにかかわっていただくということは極めて有効でありますので、そうしたことも今同時に進めているところでございます。これが相まって子供たちの貧困の連鎖というものを何とか断ち切ってまいりたいと考えております。
○山本博司君 以上でございます。ありがとうございました。