参議院 国際経済・外交に関する調査会 第2号 平成28年2月17日

○山本博司君 公明党の山本博司でございます。本日は、四人の参考人の皆様、大変貴重な御提言、御意見をいただきましてありがとうございます。
 阿部参考人、淺田参考人、そして梅林参考人のお三方に、核軍縮につきまして二点お伺いを申し上げたいと思います。
 二〇一〇年のNPT運用検討会議から五年間、日本はこの軍縮・不拡散イニシアティブ、NPDIと呼ばれておりますけれども、これを主導しながら軍縮外交を進めてまいりました。今まで唯一の戦争被爆国という日本独自の立場に加えまして、昨年のNPT運用検討会議では初めてこのNPDIというグループの一員として活動したわけでございますけれども、今回の会議でも私は一定の役割を果たしたのではないかと評価をしているわけですけれども、こうしたNPDIの取組というのが、今回非常に溝が深まったと言われておりますけれども、核兵器国と非核兵器国、この間の懸け橋、橋渡しを、なることを望むわけですけれども、参考人にお伺いしたいのは、今後のことということでお伺いしたいと思います。
 次回のNPT運用検討会議、この五年間、今後もこのNPDIの取組を日本の軍縮外交の軸に据えて展開していくのか、それとも、ほかに重視をした点、いい方法があるのかどうか、この点をまず第一点、お伺いをしたいと思います。
 それから二つ目の質問ですけれども、先ほど参考人からもお話ございました核兵器の非人道性の観点から御意見をいただきたいと思います。
 核兵器禁止条約も含めまして核兵器のない世界に向けた取組のうち、現在この核兵器の、先ほどもございましたけれども、非人道性に注目した議論、これが活発に行われておりますけれども、今、日本は、先ほどもありましたように、安全保障上の観点から、これを全面的に推し進めるというこういう状況には至っていなくて、大変慎重に軍縮政策を今進めている段階ではないかと思います。
 しかし、日本はもう唯一の被爆国でございますから、核兵器のこの非人道性を最も理解している国だとも言えます。その点ではもっと積極的に発信をし、核兵器のない世界に向けた法的な枠組み、これの国際的な合意形成、これを促進することが私は必要ではないかと思いますし、公明党も様々な形で主張しているわけですけれども、この核兵器の非人道性の議論ということに対して我が国がどのような立ち位置をしていったらいいか、この二点、それぞれ質問したいと思います。