参議院 本会議 第15号 平成28年3月29日
○山本博司君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、総務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
まず、地方税法等の一部を改正する等の法律案は、経済の好循環を確実なものとする観点から法人税改革の一環として法人事業税の所得割の税率の引下げ及び外形標準課税の拡大等を行い、地方創生の推進に向けて、税源の偏在性を是正するための法人住民税の法人税割の税率の引下げ及び地方法人特別税等に関する暫定措置法の廃止並びに認定地方公共団体の寄附活用事業に関連する寄附をした場合の法人住民税の法人税割及び法人事業税の税額控除制度の創設を行うとともに、自動車取得税の廃止並びに自動車税及び軽自動車税における環境性能割の導入等並びに遊休農地等に係る固定資産税及び都市計画税の価格の特例及び課税標準の特例の創設等を行うほか、納税環境の整備、税負担軽減措置等の整理合理化等を行おうとするものであります。
次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案は、地方財政の収支が引き続き著しく不均衡な状況にあること等に鑑み、平成二十八年度分の地方交付税の総額の特例措置を講ずるほか、地方交付税の単位費用等の改正、普通交付税と特別交付税との割合の変更及び震災復興特別交付税の返還等に係る規定の整備を行うとともに、地方債の協議不要対象団体の要件の緩和等及び退職手当の財源に充てるための地方債の特例の期限の延長並びに将来負担比率に算入する項目の追加等を行おうとするものであります。
委員会におきましては、両法律案を一括して議題とし、安倍内閣総理大臣に対する質疑を行うとともに、地方一般財源総額を実質的に同水準確保することの意義、臨時財政対策債の早期解消と交付税の法定率引上げの必要性、トップランナー方式導入が交付税や地方公務員の削減につながる懸念、国と地方の税源配分を五対五とするための方策、外形標準課税の適用対象法人拡大等の方向性、固定資産税における設備投資減税の在り方等について質疑が行われました。
質疑を終局し、討論に入りましたところ、民主党・新緑風会を代表して石上俊雄理事、日本共産党を代表して吉良よし子委員、社会民主党・護憲連合を代表して又市征治委員より、それぞれ両法律案に反対する旨の意見が述べられました。
討論を終局し、順次採決の結果、両法律案はいずれも多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)