参議院 消費者問題に関する特別委員会 第2号

○委員長(山本博司君) ただいまから消費者問題に関する特別委員会を開会いたします。
 まず、理事の辞任についてお諮りいたします。
 大河原雅子さんから、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本博司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本博司君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に江崎孝君を指名いたします。
    ─────────────
○委員長(山本博司君) 消費者問題に関しての総合的な対策樹立に関する調査を議題といたします。
 消費者行政の基本施策について、松原内閣府特命担当大臣から所信を聴取いたします。松原内閣府特命担当大臣。
○国務大臣(松原仁君) 初めに、東日本大震災により亡くなられた方々とその御遺族に対し深く哀悼の意を表し、被災された方々に心からお見舞い申し上げますとともに、消費者担当大臣として所信の一端を申し述べます。
 消費者庁、消費者委員会が平成二十一年に設置されてから、二年六か月となりました。現在も多くの課題に直面しており、しっかりと消費者の立場に立って対応できるよう消費者行政の基盤づくりを加速させてまいります。
 具体的には、第一に、消費者行政における新たな仕組みづくりを推進します。消費者安全法の一部を改正する法律案、特定商取引に関する法律の一部を改正する法律案について、今国会に提出しており、消費者被害の発生、拡大の防止に取り組んでまいります。さらに、集団的消費者被害回復に係る新たな訴訟制度についても、法案の提出を目指して取り組んでまいります。また、食品表示を分かりやすく一元化する法律について、来年の法案提出を目指して本格的な検討を進めてまいります。
 第二に、事故情報の収集、分析を強化するとともに、迅速かつ的確に、消費者への注意喚起、各省庁への措置要求、事業者への勧告等を行います。
 また、悪質商法、偽装表示等を行う事業者に対する法執行力を強化し、消費者安全法、特定商取引法、景品表示法、JAS法、食品衛生法等について、消費者の利益を守るための厳正な法執行を着実に実施してまいります。
 第三に、現場を担う地方消費者行政の更なる充実に向け、地方自治体との連携と支援を強めてまいります。特に、地域で活動している多様な主体による消費者問題に関する取組を一層支援してまいります。同時に、現場を支えていただいている消費生活相談員について資格の法的位置付けの明確化に向けて検討を行い、地方自治体における消費生活相談などの一層の質の向上と体制の整備につなげてまいります。
 また、消費者の安全、安心を実現するためには、だまされない賢い消費者、社会の発展と改善に積極的に参加する自立した消費者を育てることが大切です。このため、消費者庁は文部科学省等と連携して、消費者教育を体系的、総合的に推進してまいります。
 第四に、東日本大震災への対応として、食品と放射能の問題について消費者の目線で分かりやすい情報提供に努めてまいります。消費者団体や地方自治体の皆様と協力してリスクコミュニケーションを推進するため、シンポジウム、セミナー等の開催や講師の派遣、冊子「食品と放射能Q&A」の提供等を積極的に行います。また、国民生活センターと共同で放射性物質検査機器を地方自治体に貸与し、消費者サイドからも食品等の安全を確かめる取組を地方自治体の意向を踏まえつつ迅速に進めてまいります。
 さらに、被災された方々の生活再建に向け、引き続き地方自治体など窓口への弁護士、司法書士、建築士等の専門家を派遣いたします。
 消費者委員会においては、消費者行政全般に対する監視機能を有する機関として、これからも消費者のため建議等を行うなど、その機能を発揮していただきたいと考えております。そして、消費者庁と消費者委員会が適切に協力して、それぞれの役割を果たしていけるよう取り組んでまいります。
 国民生活センターの在り方の見直しについては、消費者行政全体の機能を効率的に強化し、国民の安全、安心に向けた取組を推進するため、必要な定員、予算を確保した上で、平成二十五年度を目途に法人の機能を国に移管することといたしております。このため、国民生活センターの機能を担う国における組織の具体的な在り方について、消費者庁及び消費者委員会を含めた消費者行政に係る体制の在り方と併せて検討を行い、今年の夏までに結論を得ます。
 山本委員長を始め理事、委員各位の御理解と御協力をよろしくお願いいたします。
○委員長(山本博司君) 以上で所信の聴取は終わりました。
 本件に対する質疑は後日に譲ることといたします。
    ─────────────
○委員長(山本博司君) 次に、消費者安全法第十三条第四項の規定に基づく消費者事故等に関する情報の集約及び分析の取りまとめ結果の報告に関する件について、政府から説明を聴取いたします。松原担当大臣。
○国務大臣(松原仁君) 消費者安全法第十三条第四項に基づき平成二十四年二月に国会に提出をしました消費者事故等に関する情報の集約及び分析の取りまとめの結果の報告につきまして、御説明申し上げます。
 消費者安全法では、消費者の安全の確保に資するよう、消費者事故等に関する情報を消費者庁において一元的に集約、分析し、その結果を取りまとめることとされております。
 今回の報告は第四回目となり、平成二十三年四月一日から平成二十三年九月三十日までに消費者庁に通知された情報等を取りまとめたものです。
 第一に、法第十二条第一項に基づいて通知された重大事故等は六百二十件です。このうち、事故内容では火災事故が最も多く四百九十二件であります。
 第二に、法第十二条第二項に基づいて通知された消費者事故等は七千三百六十件であります。
 消費者庁において、これらの通知された情報等を基に様々な措置を行っております。通知された重大事故等を定期的に公表するとともに、消費者安全法第十五条第一項に基づき消費者への注意喚起を行っています。また、いわゆる特定商取引法や景品表示法に基づく行政処分、消費者事故等の防止に係る関係機関等に対しての対応の要求等を行っております。
 以上が第四回の本報告の概要でございますが、消費者庁として各機関との協力関係を一層強化し、より適切な注意喚起や着実な法執行を進めてまいります。また、消費者被害の発生又は拡大の一層の防止を図るため、生命又は身体の被害に係る消費者事故等の事故調査機関を設置し必要な権限等について定めるとともに、重大な財産被害を生じさせた事業者に対する措置等を定めることを内容とする消費者安全法の一部を改正する法律案を今国会に提出しております。
 今後とも、消費者安全法の目的である消費者が安心して安全で豊かな消費生活を営むことができる社会の実現に取り組んでまいる所存です。
○委員長(山本博司君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十七分散会