参議院 総務委員会 第6号 令和3年3月23日
○伊藤岳君 先ほど紹介した知事会の要望の中でも、集団接種会場に医師を派遣して、その医療機関が減収を生じることはちゃんと見るようにと要望されています。是非検討を進めていただきたいと思います。
埼玉県の医師会長によりますと、コロナ禍の受診抑制などにより、県内、埼玉県内に約五千の医療機関がありますが、そのうちの約一割、五百の医療機関が医師会信用組合から融資を受けているそうです。そうしないと診療を続けられない。ボーナスも出せなかった医療機関もたくさんありました。こうした状況にある医療機関に更なる減収を負わせたら病院経営がもちませんし、ワクチン接種にも支障を来すことになると思います。是非検討をお願いしたいと思います。
こうして具体的に聞いていきますと、現実には地方自治体や医療機関の負担が今の時点では生じる懸念が消えません。
そこで、山本厚労副大臣にお聞きします。
ワクチン接種の現場で生じる問題を的確に把握し、地方負担が絶対に生じないよう、補助金において応えていくべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○副大臣(山本博司君) ありがとうございます。
今回の新型コロナワクチン接種に関しましては、国が主導的な役割を果たすことによりますから、国民への円滑な接種を実施するものでございます。このため、今審議官等からもお話ございましたとおり、地域の実情を反映して、合理的に必要と考えられるワクチン接種の費用につきましては国が全額負担するということにしているわけでございます。
この方針を踏まえまして、先日、三月三日の通知でございますけれども、ワクチン接種体制の確保に必要となる補助金につきましては、各自治体が算出した所要額を国が全額負担する形でお示ししたところでございます。
こうしたことを通じまして、各自治体の負担を生じさせることなく万全の体制が確保できるように引き続き全力で支援をしてまいります。
○伊藤岳君 自治体の要望に耳を傾けていただきたいと思います。
埼玉県内の地方自治体から声を聞きました。自治体の職員はワクチン接種の準備に追われ、超過勤務が恒常化していると言われています。
山本厚労副大臣にお聞きします。
ワクチン接種の対応に伴って地方自治体職員の超過勤務が発生した場合、超過勤務手当について全額補助金において応えますか。
○副大臣(山本博司君) 自治体におきましては、接種体制の確保のために、予防接種台帳システム等のシステム改修やコールセンターの設置、さらには接種を実施するに当たっての関係機関への協力依頼、さらには接種案内の作成、郵送等、多岐にわたる準備業務を行う必要が生じております。
また、ワクチン接種に当たりましては、通常の定期的に行われる予防接種と異なり、大規模な接種を長期間行うことも想定され、円滑な接種のためには市町村が新たに設ける接種会場での集団接種等を実施することも想定されるわけでございます。
このため、医療従事者向けの接種が開始された二月十七日以降につきましては、勤務時間外に新型コロナワクチンの接種体制確保事業に従事した職員の当該期間の超過勤務手当につきましては、接種体制確保事業補助金の対象とすることにした次第でございます。
さらには、接種開始までの準備期間となる二月十六日以前につきましても、組織内にワクチン接種に関する専属の部署など接種体制確保のための明確な体制が構築されている場合には、その部署等に属する職員の超過勤務手当について補助金の対象としたところでございます。
いずれにしても、地域の実情を反映して、合理的に必要と考えられるワクチン接種の費用につきましては国が全額負担することとしておりますので、各自治体において万全の体制が確保できるように引き続き取り組んでいきたいと思います。