参議院 総務委員会、厚生労働委員会連合審査会 第1号
○山本博司君 公明党の山本博司でございます。
本日は、地域主権法案に関連をしまして、保育制度についてお聞きを申し上げたいと思います。
この保育制度の改革は就学前の子供たちや子育てをする親たちの社会進出にとりましても大変重要な課題でございますので、本日は、総務大臣また厚労大臣、両大臣の御認識をお伺いを申し上げたいと思います。
まず初めに、子ども手当に関連をしましてお伺いを申し上げたいと思います。
今年度の子ども手当は児童手当の仕組みを残すことになっておりまして、地方負担分約五千七百億円が財源の一つとなっております。マニフェストでは全額国費負担と、こうしていた中で、いわゆる昨年の十二月二十三日の四大臣合意によって決まったものでございます。この合意になるまでは、総務大臣は、保育所運営を地方でやり、浮いた国費で子ども手当をと、こうした趣旨の発言をされておられました。今年度の財源につきまして、地方負担分を残したことは間違っていなかったとお考えなのかどうか、総務大臣としての現時点の感想をお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(原口一博君) 山本委員に初めて御質問をいただきまして、ありがとうございます。私の家の隣も同級生が公明党の市会議員でございまして、ずっと小さいころから一緒に暮らして、今、党は違うんですけれども、一緒にやらせていただいております。
そこで、児童手当法を併置したことについての御質問でございますが、私は基本的には、現金給付、これは中央政府、それからサービス給付、先ほど西島先生もおっしゃいましたけれども、先ほどの御質問は非常に具体的です。現場におられるからお分かりのことがやはり、ならではの御質問だと思います。基本は私はこうだというふうに考えます。
今回、厳しい財政事情もございまして、二十二年度においては、児童手当法を今委員がおっしゃるように現行のまま存続させ、該当児童手当分については現行どおり国、地方、事業主が費用を負担し、要するに二階建てになったわけです。残りの部分については全額国庫が負担をするという暫定的な措置をしたところでございます。したがって、平成二十二年度における地方負担はあくまでこれは児童手当法に基づくものであって、それ以外の手当部分については地方負担は入れないこととしたところでございます。
来年度については、この四大臣会合でも、お話しのように、国・地方協議の場、法制化の法案を出させていただいていますが、その場も活用して、地域主権戦略会議、それから長妻大臣や菅財務大臣との協議を踏まえて一定の結論を出していきたい、このように考えているところでございます。
○山本博司君 原口大臣、大変ありがとうございます。
今回は保育制度でございます。また改めて、原口大臣、ICT関係を含めて是非ともお聞きしたいテーマがございます。
それで、今お話しいただきました子ども手当、今回二万六千円をマニフェストどおり実施をしますと、満額支給ということで約五兆三千億円、この財源をどうするのかということはもう大変いろんな議論になっているわけでございます。来年度以降のこの財源につきまして、全額国庫負担とするのかどうか、それとも地方負担を残した形にするのかどうか、両大臣、このことの認識をお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(原口一博君) 政権交代が九月でございましたので、今回の予算編成そのものは前の政権がなさった概算要求、これがもう終わっていた時点のものでした。私たちは予算編成そのものも二十三年度については基本から変えたいと考えています。
つまり、約九十数兆の予算のまずマニフェスト部分を確保して、そしてそれ以外についてはキャップを掛けるやり方ができるんじゃないか。前回は行政刷新会議やいろんなところで無駄を取り除く形で、その分について、またマニフェストについての補充的な予算という形でやったわけですけれども、国・地方協議を通じて、私たちは、地方が実施するサービス給付等には自主財源、そちらの財源でというような形を考えているところでございますが、いずれにせよ、これはこれからの検討でございますので、また四大臣会合、あるいは閣内での議論を踏まえて財源についての一定の方向をお示しを、来年度予算について、概算まだ要求もしておりませんので、そこでお示しをできればというふうに考えております。
○国務大臣(長妻昭君) 原口総務大臣も申し上げたとおり、四大臣合意というものを交わしまして、この財源については、平成二十三年度の予算編成の中で四大臣よく議論をして決定をしていくということであります。
○山本博司君 今までの議論の中でございますけれども、子ども手当のように全国一律に現金を給付する制度、これは国が行っていく、またそれぞれの地域の状況とかニーズに合わせて対応する現物給付というのは地方で行っていくと、こういう先ほどの考え方もあると思いますけれども、総務大臣としてはこうした考え方を取られるのかどうか。また、保育所の運営は地方でやるという発言もございましたけれども、国の財源的関与をすべて外して地方単独でやるという、そういう考えなのかどうか、この点が一つでございます。
また、厚労大臣には、そのことと併せまして、この現物給付の在り方についてどう考えているのか、このことを併せて両大臣にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(原口一博君) 原則的に私たちは、これは二〇〇二年でございましたが、今行政刷新大臣をしております枝野さんが会長のときに、今の考え方を民主党としてまとめたものでございます。
つまり、今、山本委員がおっしゃるように、現金給付は国、サービス給付は基本として地方という形でございます。そして、地域の実情に応じて提供できる地方が自由に使える財源を増やして、地方が地域のニーズに適切に応じられるように、先ほどもお話がありましたけれども、地方によって随分所得も違います。それから、働き方も違います。そういったものに応じてやれるようにというのが私たちの基本的な考え方でございます。
○国務大臣(長妻昭君) 現物給付の考え方でございますけれども、これについては我々は、幼保一体化も含めた、それだけではなくて、子育て政策をどうこれから新たなものを構築していくのかという新システム検討会議ということが始まっておりまして、そこにはもちろん文部科学省も入ってまいりましょうし、あるいは国のサポート、財源も含めてどういう仕組みが望ましいのか、そういう非常に大きな問題についてもそこで議論をしていくということにしておりますので、その中でそういうことについても検討をして決定をしていきたいと思います。
○山本博司君 来年度以降の子ども手当、二万六千円満額支給を現金で給付すると。様々この子ども手当法案のときにはいろんな議論になったわけでございますけれども、子育て以外の部分で使われかねないという懸念が十分あるんじゃないかという、それを、たくさんございました。
ですから、全額現金で給付するのではなくて、一部、地方の裁量によって保育所などのサービス給付に回したりとか、育児や教育などの、用途を限定した形でのバウチャー制度の導入、こういうことも導入すべきではないかという意見も出ているというふうに聞いております。
こうした意見に関しまして両大臣はどういう認識なのか、このことをまずお聞きしたいと思います。
○国務大臣(原口一博君) 私は、民主党の子ども政策担当大臣もネクスト大臣ですけれどもさせていただきましたけれども、長妻大臣が先ほどからお答えしているように、子供に対する施策そのものをはるかに拡大させたいというふうに考えています。
そこで、いわゆる子ども手当という現金給付と、それから様々な子供の施策のサービス給付、このサービス給付とのやはりバランスというものも一定以上配慮をしたいと思います。私たちは、この二万六千円ということをお約束をしていますから、そこに向けて、様々な財源手当についても、予算編成全体、これはボンドマーケットについてもやはりしっかり見なければいけません。国債もいつまでも出せるというものではございません。
そういった制約条件の中でございますが、今委員がおっしゃったような地方の声も併せて地域主権戦略会議の中で十分伺いながら、地方がどこまで主体的にやれるのか、それから中央政府が支えるべき保障というのは一体何なのか、そこもしっかり議論をしながら、ナショナルミニマムという言葉がありますが、これもよく基準を正当化するために使われることがありますが、例えば保育でいうと、無認可の保育所に対してはそれが効いていないというのは、これはどういうふうに、ナショナルミニマムであれば国が保障しなければいけませんね。そこに穴が空いていることについては、もしそれをナショナルミニマムと言うのであればですよ、穴が空いていることについてはどう考えるのかなどという議論を今政府の中でもしているところでございます。
○国務大臣(長妻昭君) 今おっしゃられた論点については、国と地方の子育てについての役割分担や、先ほど申し上げましたこの幼保一体化を含む新システム、子育ての新しいシステムの議論の中で論点として挙がってくると思いますけれども、私としては、マニフェストどおり、あるいは三党連立合意どおりに実行していきたいと思います。
○山本博司君 ありがとうございます。
後でまたこの議論をしていきたいと思いますけれども、今回の法案について伺いたいと思います。
この地域主権改革法案の中には、義務付け・枠付けの見直し、これがございまして、そのうち保育所などの児童福祉施設の設備、また運営の最低基準を原則自治体の条例に委任をすると、こういうことになっているわけでございます。
地域のことは地域で住民で責任を持って決めていくというのは、ある意味では国の権限を地方に移すということで、国の関与が低くなることを意味するわけでございます。その結果として、最低基準の緩和による保育の質の低下を招くんではないかと、こうした懸念も、強い声もあるわけでございます。
この最低限の水準は基本的に守られた上で地方の自由裁量が認められるべきであると、こう考えるわけですけれども、こうした懸念に関しましてどのように対応をされるおつもりなのか、お示しをいただきたいと思います。
○大臣政務官(山井和則君) 山本委員、御質問ありがとうございます。
私も思いますのは、地方自治体、より住民の身近なところにおいて権限とサービスが、持っていくことが一番子供にとっていいサービスが提供されるのではないかと考えておりますので、私たちの政権としましても、できるだけこの地域主権、地方分権ということは進めていきたいと思っております。
しかし、山本委員御指摘のように、やはりそこで万が一質が下がることがあっては、チルドレンファーストという意味でも決してあってはならないことだと思っておりますので、基本的には条例に、保育所の基準は廃止するのではなく条例に委任することとしましたが、ただし、保育の質に大きな影響を与える基準として、具体的には、保育士の配置基準や保育室等の面積基準などについては、遵守すべき基準として全国一律の最低基準を維持することといたしました。
そのほかの基準に関しては、参考とすべき基準として地方自治体の判断で定められることとしておりますけれども、各自治体においてそれぞれ適切な基準を定めるなど、引き続き保育の質が確保されるよう、適切な施策を講じてまいりたいと考えております。
○山本博司君 次に、保育制度の改革に関しましてお伺いを申し上げたいと思います。
保育所の入所を希望する待機児童、二十一年の四月時点では二万五千人を超えて、更なる増加が見込まれているわけでございます。潜在的には八十万人の方々がいるんではないかとも言われておるわけでございますけれども、この待機児童の解消につきましては喫緊の課題でございます。
それとともに、保育の質の向上ということも求められておりまして、民主党の昨年のマニフェストでは、小中学校の余裕教室、廃校を利用している認可保育所分園の増設とか、また保育ママの増員、また認可保育所の増設を進めることがマニフェストには載っていると思います。また、子ども家庭省の設置を検討すると、こういうこともございますけれども、政府として今後の保育サービスの充実をどう図っていくのか、この点を御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(長妻昭君) 保育サービスの充実というのは、これはもう大変働くお母さんにとっても重要な問題でありますし、日本の労働力の問題、ひいては少子化の問題についても、本当に国家が大きな目標を掲げて取り組むべき課題だと思います。
その意味で、子育てビジョンの五か年計画の中でまずは数値目標を出しました。五年間で毎年保育サービスの定員を五万人ずつ増やしていく、これまでは年間二万人でありましたので、二倍以上のスピードで増やすということで、平成二十二年度、今年度の予算は確保をさせていただいているところであります。病児・病後児保育も増やし、あるいは放課後児童クラブも増やしていくということであります。
この目標に沿ってあらゆる手段を使って達成をしようということで、今おっしゃっていただいたような保育ママ、これまでかなり保育ママになる要件というのは厳しいものがございましたけれども、その要件を緩和をして、ある程度研修をして、一定の要件があれば保育ママとして自宅などでお子さんを預かる事業ができる、あるいは、空き教室や空きスペースを、公的なスペースを見付け出して、そこで認可保育所の分園をやっていただくなどなど、本当にこれは喫緊の課題だということで、あらゆる手段を使って取り組むということです。
財務省とも今交渉を始めておりまして、これは国有地、国有財産で今は使われていないものも全国にございますので、それも有効活用できないかという協議を今始め、なるべく早めに結論を出していきたいと思っております。
○山本博司君 今大臣お話をしていただきました子ども・子育てビジョン、それぞれ数値目標を掲げているということで、五年間を掛けて認可の保育所の定員を二十六万人を増やす、延長保育を十七万人を増やす、こうした数値目標もございます。また、追加財源として、育児休業給付に約一千五百億円、また認可保育所などの支援に約三千億円など、合わせて七千億円から一兆九千億円、この財源が必要と試算をしているわけでございます。
しかし、こうした財源は一体どこにあるのかということがなかなか見当たらないわけでございまして、大臣、こうした財源を今後どのような形で出していくおつもりなのかどうか、この点に関してお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(長妻昭君) 今、財源の問題でございますけれども、これについては、私どもとしては、まず厚生労働省として事業の優先順位を付けて、必要性の低い事業は基本的には中止をしていく、あるいは省内事業仕分け室という組織を四月一日に立ち上げて、室長を任命をいたしまして、今鋭意、本当に浪費や無駄がないように厳しく取り組んでいるということがまず前提でございます。なぜならば、保険料についても税金についても、まだ無駄があるんではないかというふうに国民の皆様が思っておられる段階で御負担をお願いするということは、これは理解が得られないからであります。
そして、政府全体では、消費税の議論はするけれども、一期の政権の中では消費税は上げない議論と、ほかの税制あるいは保険料の改革などなどを通じて財源を捻出をすべく取り組んでいるということであります。
○山本博司君 今大臣から様々お話をいただいた中で、大事になってきますのは、この子ども・子育て新システム検討会議、これが大事であるということでございますけれども、ここでは幼保一体化を含む新たな次世代育成支援のための包括的、一元的なシステムの構築について検討を行うということで立ち上げが検討されているということでございます。
そこで、この幼保一体化というのは一体何を意味をしているのか、一体化でどういった効果をねらっているのか。また、幼保一体化が成長戦略の一つだとも言われておりますけれども、よくこれが分かりません。どんな内容なのか、今後の議論の見通しも含めて、いつごろ法案を提出するのかということも併せてお聞かせをいただきたいと思います。
○大臣政務官(泉健太君) 御質問ありがとうございます。
今ちょうどその作業グループの主査をさせていただいておりまして、各省の政務官を中心に作業を進めているところでありますが、この幼保一体化というのは、やはり共働き世帯が専業主婦世帯を上回るほど大きくなっておりまして、今ほとんど多くの家庭が両立支援を求める時代になってきているということ。そして、今までは保育所であれば厚生労働省、そして幼稚園であれば文部科学省ということで、行政も縦割りで、それぞれ地方行政の方にも相当な事務的な負担ですとか、横の連携の混雑、そういったものを与えてきたということもございます。
また、利用者にとりましては、例えば保育所に子供を預けていたけれども、仕事を辞めたことをきっかけにして施設を移らなくてはいけないとか、あるいは幼稚園に預けていたけれどもフルタイムで働きたい、しかし残念ながら午後は見てもらえないと。そういうような様々な不都合が生じてくるということがございまして、そういったものを解消する、子供たちや利用者を主体、本位に考えた改革として、もう一度この日本の保育サービス、就学前を特に全体的に再構成をし直す必要があるんじゃないかということで位置付けをさせていただいております。そういう意味で、利用者、子供たちにとって必要なのがこの幼保一体化だというふうに位置付けて今取り組んでいるところでございます。
法案につきましては、何とか来年に出させていただいて、実際には二十五年度の実施というものを目指しながら進めてまいりたいというふうに考えております。
○山本博司君 ありがとうございます。
このシステム検討会議の親会議はまだ一度も開催をされていないということを聞いておりますけれども、その辺を含めてどうなのかということもございますけれども、この六月までにこのスケジュール、本当に大丈夫なのかということがあるわけでございます。
そしてもう一つ、このシステム検討会議の中で幼保一体化について検討をするということでございまして、幼稚園の機能と保育園の機能を併せました認定こども園の在り方、このことが問われているわけでございます。今現在、認定こども園が約五百を超したということでございますけれども、地方にとって大変重要な役割を果たしております。この認定こども園に関しまして、どういう位置付けなのか、このことも含めて御説明いただきたいと思います。
○大臣政務官(泉健太君) この幼保一体化というのは、もう数十年前から実は話としては出てきておりまして、しかし、なかなか現場では進めてくることができなかったことの一つでもあります。
そういったことで、認定こども園制度がようやくスタートをしたわけですが、実際にはこの制度というものは、まだ幼稚園と保育園を取りあえず接着剤でくっつけたような状態でありまして、事務手続、会計基準等々を含めて今までばらばらな状態が続いておりました。ようやく今、そういったことも含めて改善をして一体的運営を図っていこうというところではあるわけですが、一番の先行事例ではありながら、残念ながら国民、利用者側の期待にこたえるというところまでは来ていなかったという位置付けをしております。
そういった意味では、現在の認定こども園そのものももっと制度を簡素化して、簡便化して、多くの方が手を挙げて、そして実際に運営していただけるような、実はそこには、もう委員も御案内のとおり、補助が非常に少なくて、残念ながら今の保育園や幼稚園から認定こども園に変えようというインセンティブがなかなか働いてこなかったという現状もあろうかなというふうに思いますので、そういったところもしっかりと誘導していけるようなことを今後は考えていきたいと思っています。
○山本博司君 この認定こども園ですけれども、四類型があって、その中の地方裁量型、今二十五園ということでございますけれども、この新システム検討会議では、各団体から意見聴取をされて、具体的な形でどうしていったらいいかという検討をされておりますけれども、この地方裁量型の認定団体の方々が対象に入っておりません。
この地方裁量型認定こども園といいますのは、無認可の方々がその基準をクリアをして、それでやっとの思いで認定こども園を取られたわけでございますけれども、残念ながら、ほかの三つの類型は様々な支援がございますけれども、一切そういう支援がないということが現状あるわけでございまして、是非ともそうした方々の声を聞いていただきたい。
泉政務官は、障害者の方の制度委員会でも、私、発達障害の方のお話をさせていただいて、そうした方の声も聞かさせていただく流れになったわけですので、是非もう一度、このことに関してお願いしたいと思います。
○大臣政務官(泉健太君) ありがとうございます。
障害者の方の発達障害の件でも、本当に今、発達障害の総合福祉部会の方で、障害者の会議の部会の方にお入りいただいたということで、本当に感謝をしております。
そして、今お話あった連絡協議会、地方裁量型の方ですけれども、大変私も注目をしておりまして、しかしながら、まだ幼保連携型の方の団体からしかお話をお伺いできていない状況でございまして、今鋭意、各、保育ママですとか、あるいは認可外の保育施設、もちろん認可保育、そして幼稚園団体、多くヒアリングをさせていただいておりますので、早々に、場合によっては本体会議ですべての団体をお伺いできることがどうしてもかなわないこともございますので、そういった場合は私自身がお話をお伺いをしてということも考えております。
先日も、全国保育士会の方から、政務官はまだ保育所で実習をしたことがないんじゃないですかと、一遍、八時間全部保育所の状況を見てくださいという要望がありまして、早速その要望も果たさせていただきましたので、なるべく多くの方々からお話をお伺いをして、この検討に生かしていきたいというふうに考えております。
○山本博司君 是非ともよろしくお願い申し上げたいと思います。
この地方裁量型の認定こども園、無認可の方々でございますので、当然、認可と違いまして様々な支援がないわけです。例えば、認可を受けますと、大体零歳児で一人十五万円ぐらいの財政の支援がございます。障害児の加算とか様々な形で一人大体百万円ぐらいそういう支援があるわけですけれども、百人いますと一億円そういう財政的な支援があります。国と県と市が負担をしますので、そういう形の中で、この認可外の方々は、やっと認定こども園の資格を取っても、なかなかそうした助成がないということで御苦労されたわけでございます。
二〇〇七年、二〇〇八年、様々な要望を受けまして、この認定こども園の地方裁量型連絡会という全国のそうした団体もございまして、陳情を受けながらやってきたわけでございますけれども、やっと二〇〇九年度から新たな財政支援策が制度化され、地方財政措置が対応されました。このことに関して実態を教えていただきたいと思います。
○大臣政務官(小川淳也君) 御説明申し上げます。
全国二十五施設ということで、委員御指摘のとおりでありますが、これらの地方裁量型施設に対しては、まず施設整備費の部分、こちらには地方債充当率七五%、また元利償還金の三〇%については、交付税の計算上需要額に算入をいたしております。あわせて、運営費に対しては特別交付税措置を行っておりまして、算入率は五〇%でございます。
ちなみに、二十一年度の実績で申し上げますと、全国十六団体、二十施設に対して三千四百万円の特別交付税措置を行っているということでございます。
○山本博司君 今お話がありましたけれども、四県十二市町ということで、およそ三千万以上の新たなこうした特別交付税が地方裁量型の認定こども園に行ったということは画期的な第一歩ではないかということで喜ばれているわけでございますけれども、まだまだほかの類型、安心こども基金等での支援をされているところと比べますとまだ金額も少ないわけでございます。
また、実際、私もこの園のある地域に電話をしますと、そのお金の使われ方ということでは、実際行った金額に関しましても、新規というよりも、今まで認可外の事業でやっていたそういう補助に関して各市が、各県が支援をするということで、実質的にはその園に関しては新たな支援にはなっていないわけです。ただ、市の部分を国が負担をするということでございまして、やはりこうした地方裁量型の方々に対する支援ということは必要ではないかと思うわけでございます。
実際、園庭開放とか、また障害者の加配等でも様々な人を追加しております。例えば、認可外ですと、百四十五名の定員ですと、認定こども園を取ると九十人ということで、人数は減って保育の質は落とさない形でやっているわけでございます。
そういうことも含めて、大臣の見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(長妻昭君) 今おっしゃられたように、認定こども園、四つの類型がございまして、今の御指摘は地方裁量型認定こども園ということで、幼稚園又は保育所として認可されているかどうか関係なくて、地方の実情で認定こども園の認定を行うことができる類型でございます。
これについては、先ほど来答弁もありましたけれども、地財措置を講じているというふうに聞いておりますけれども、そもそも、先ほども政務官の方から接着剤というような表現が、接着という表現がございまして、これは、認定こども園は、幼保一体化というよりも、幼稚園であってそれを補助する類型、保育所であってそれを補助する類型、そして地方の類型、そして連携型ということで四類型あるという、これはなかなか本当に一体にすることができないという、いろんな事情、しがらみによって非常に分かりにくい制度になっているということであります。
そもそも、今システム検討会で議論をしておりますのは、幼保を本当に一体化をしていこうと、こういう議論をしているところでございまして、その中で認定こども園についても、今後更にそういう話の筋の中で位置付けていくのか、目的は、今の待機児童の方をできる限り解消して、幼稚園では空いている教室がある、しかしそこに保育ということで人が入らない、こういう問題を解決するという目的でございますので、そういう議論の中で解決をしていきたいと思います。
○山本博司君 是非ともよろしくお願いいたします。
終わります。