参議院 行政監視委員会 第1号 令和3年4月7日

○島村大君 分かりました。そこは徹底してほしいと思います。
 今お話ありました柔道整復師さん、それからあはき法に関しますあんまマッサージ指圧、はり、きゅうの皆様方、これは、まあ美容師さんもそうですけど、国家試験の資格を持っている方々ですよね。この方々と、この資格を、国家試験を持っていない方々が、ある意味ではエステティックとかカイロプラクティックとかクイックマッサージみたいなものがあるわけです。これが本当に国民の皆様方に安心、安全な行為がなされているかというところも一つの大きな問題点だと私は思っておりますが、逆の見方をしますと、国家試験を持っている人たちの方が、なかなか国民に対して自分たちの業種の範囲というものをお知らせできないという面も、逆に言うと私どもは感じております。
 というのはどういうことかというと、いわゆる医療法もそうですし、我々の歯科医師法もそうですし、このあはき法も柔道整復師もそうですが、広告に対してのすごく規制があるわけですよ。逆に規制があるから我々は発信できない、現場の方々、柔道整復師さんもあはき法に関係ある方々もそこは言っております。逆に言うと、この国家試験の資格を持っていない方々は、ある意味ではこの広告の仕方、いわゆる国民に対してのアピールの仕方が何もこれは法的に引っかからないものですから、逆に言うと自分たちが発したいことを発せられる。これは平等かどうかということが、逆に言うと安全性から考えてもいかがなものかと思っております。
 ですから、そういうことに関しましても、これは各監督省庁の、厚労省さんになると思いますが、是非とも、ただ単に安全ではないからいけないんだというだけではなくて、国民から見ても自分たちがしっかりと選べるように、ここはどういうふうに発していくかは、これはいろんな問題点、業界との問題点あるのを私も重々承知しておりますが、やはり国民目線から少しここは改革をしていかなくてはいけないと思っておりますので、安心、安全が第一、そこからどういうふうに国民が理解して、自分は本当にどこに行ってその健康を保つのか、そこを、その視点が私は大切だと思っておりますので。
 ですから、そこは是非とも総務省、それから消費者庁、それから厚労省、やっぱりこれは、それも垣根を越えて、是非ともこの行政評価だけではなくて、一歩踏み込んでどうするかということも是非とも議論をしていただき、国民のために、ここは安心、安全な、そのテーマでやっていただきたいと思っております。
 では、引き続きまして、今このコロナ禍で国民の方々がやはり一番心配、それから不安を持っていますのが、やはりこのワクチン接種の件でございます。
 このワクチン接種に関しましても、今回は国が主導になりまして、国が例えば医療従事者に関しましての、先行していただいておりますが、そこを現場でやっていただいているのは都道府県でございます。今後始まると言われております高齢者向けのワクチン接種の供給に関しましては、ここは都道府県が主じゃなくて、今度は市町村、市町村が主になって今後ワクチン接種を始めるわけです。
 今現在はこの医療従事者が主になってやっていただいているので、ある意味では現場もこんがらがっていませんが、今後、この医療従事者が全て、約四百七十万人だと言われておりますが、この方々に接種が終わる前にこの高齢者の方々の接種がスタートするわけです。四月の十二日の週から高齢者向けのワクチン接種をこれは供給していただけるようになっておりますが、そこが、現場が少し今後更に混乱する可能性があるということで、まず一つ目として、医療従事者のワクチン接種に関する流れを改めて今確認をさせていただきたいと思います。これに関して、今の国の状況、また認識を教えていただきたいと思います。
○副大臣(山本博司君) ありがとうございます。
 この新型コロナウイルスワクチンの接種につきましては、今委員おっしゃったとおり、医療従事者等への接種の主体は都道府県でございます。そして、これから始まります高齢者への接種の主体となりますのは市町村でございます。その都道府県と市町村とで分担、連携をしながら今現在準備を進めていただいている次第でございます。
 このうち、医療従事者等へのワクチン接種の流れにつきましては、まず国が都道府県ごとの配分量を、そして都道府県がその配分量の中で管内の基本型接種施設ごとの配分量を決定いたします。これを受けて、ワクチンメーカーが個々の基本型接種施設に決められた配分量を配送するわけでございます。そして、この当該基本型接種施設、あるいは、そこから更にワクチンを小分けをしていく場合ございますから、その移送された連携型施設で接種を実施、こういう流れで今、医療従事者に対しましてはワクチン接種が行われている次第でございます。
 今、医療従事者等へのワクチン接種につきましては、通常の医療、これを維持していただきながら、今、四月六日時点で約百三十万回の接種が行われている次第でございます。医療機関等においても着実に医療従事者への接種を進めていただいているものと考えている次第でございます。
○島村大君 ありがとうございます。
 今、副大臣のお気持ちはよく分かるんですが、これ、数字でいいますと、先ほどお話ししましたように、医療従事者は約四百七十万人分の方がいると。今お話ありましたが、これ人数と回数でいくと頭がこんがらがるんですが、人数でいくと、一人二回やるわけですから、まあ数字的には倍になるわけですよ。ということは、四百七十万人分接種するには、掛ける二の数が必要だということです。今行われているのが百三十万回ということですから、人数的に二回打ったとすれば、一回の人もいますからこれは正式には言えないと思いますが、人数でいえば、まあ簡単に言えば、二回打ったとすれば半分の六十五万人分。
 ですから、まあ正直言いますと、まだまだこれは思ったよりはやっぱり少し遅れているなというのが現場感覚ですし、私も医療人なんで、私、医療人としては手を挙げていませんが、我々の仲間の医療人に対して、私、神奈川県ですけど、これがどこまでじゃ接種をしているかというと、残念ながら、基本型の大病院、大病院の方々は約、まあ一回の方もいますけど、二回終わっている方もいます。
 じゃ、現実的に、今後、高齢者向けの方々にワクチン接種をしていただける、そういうお医者さん、クリニックのお医者さんの方々が、神奈川県で、じゃ何人今ワクチン接種、御自身が受けたかというと、これはゼロです、まだ受けていません。これは先ほど副大臣もお話ししましたように、普通の診療をしながらワクチン接種をしなくちゃいけないと、そういう難しさも確かにあります。
 ですから、ある地方は、医療人に対してのワクチン接種は土曜の一日か、あっ、ごめんなさい、土曜の午後か日曜日だけというふうにしている地域もございます。ですから、一週間に土曜日と日曜しかできないわけですから、確かにそれは時間が掛かるのも分かります。
 ただ、これは有事ですので、本当にそれをどうするかというのは、各都道府県、あっ、ごめんなさい、各市町村、各市町村の医師会にある程度任せなくちゃいけないのも分かりますが、やはり高齢者の接種をする方々を、そういうお医者さん、看護師さんをやはり優先的にどうしたらできるかとか、そこはお任せだけではなくて、やっぱり厚労省も知恵を出していただきながら、この仕組みをどうするかを考えていただきたいと思っております。
 そして、次の質問として、今少しお話ししましたように、なぜ想定したより若干遅れているのか、あえて若干と言いますが、遅れているかということと、あと、改善策をどのように考えているかを教えていただきたいと思います。
○副大臣(山本博司君) 先ほど申し上げましたとおり、四月六日時点で約百三十万回の接種が行われております。今委員がおっしゃられたとおり、様々、現場の方々御苦労があるというふうに聞いております。
 その上で、医療機関へワクチンが届いて実際に接種が行われる間に例えばどういう課題があるかといいますと、先ほどお話がありましたけれども、医療従事者向けの接種につきましては医療機関の診療体制、これを確保しながら行っていきますので、今委員言われたとおり、人をどうしていくか、こういったことを本当に工夫しながらやる必要があるということでございます。
 もう一つの課題点といいますのは、ファイザー社、このディープフリーザー、マイナス七十五度という、この設置をしている基本型接種施設から連携型の接種施設にワクチンを小分けをしていくという、この移送する場合に一定の準備等が必要になっていくということの要素、これが考えられる次第でございます。
 その意味で、政府としては、こうした点も踏まえながら、今後も可能な限り速やかに接種を進めていただけるように、自治体、今お話がありました、あと医師会を含めた医療機関の説明会の実施、さらには手引の発出を含めて丁寧な情報提供を行っていきたいと思う次第でございます。
 また、先般、二月十五日には厚生労働省の中に自治体サポートチーム、これは各都道府県から人を出していただいて、リエゾンという形でそれぞれ対応していただく方、これを設置をいたしまして、自治体に対しましてもきめ細やかな支援を行っているところでございます。
 委員御指摘のとおり、引き続き、こうした取組を通じて、自治体、そして医療機関、緊密に連携しながら万全の体制を構築できるように全力で取り組んでまいりたいと思います。

○政府参考人(猪原誠司君) お答えいたします。
 警察が取り扱った御遺体に係る司法解剖及び調査法解剖の解剖率につきまして、都道府県ごとに差が見られるのは御指摘のとおりであります。
 警察にとっての解剖は、犯罪死の見逃し防止等、警察の責務を達成するための一つの手段であり、必要な場合に確実に実施するべきものであるところ、様々な調査、検査の結果や専門家の御意見を踏まえて個別の事案ごとに解剖の要否を判断しているものであります。
 このように、警察が主体的に実施する解剖である司法解剖及び調査法解剖の実施率につきましては、各都道府県警察における一件ごとの判断の結果の積み重ねであり、一概にその原因を分析することは困難であります。
 警察といたしましては、引き続き警察の責務を達成するため、必要な解剖の確実な実施に万全を期する所存でございます。
○副大臣(山本博司君) 司法解剖、調査法解剖以外のいわゆる行政解剖につきましては、警察が取り扱った死体の中で司法解剖、調査法解剖が行われないことになったもののうち、死因を明らかにするために死体の検案を行った医師が必要と判断した場合に行われるため、解剖率に一定の地域差が生じ得るものと考えられます。
 また、死因究明等推進計画の策定に向けた有識者による検討会におきましては、死因究明等の人材育成や体制整備等の状況が地域によって異なることが課題として指摘をされております。これにより、解剖率に差が生じていることも考える次第でございます。
 必要な解剖を行うことにより正確な死因を特定することは公衆衛生の向上等の観点から重要であることから、さきに取りまとめられました有識者による検討会の報告書に基づき、死因究明の実施体制の充実に向けて、死因究明等推進計画の検討を具体的に進めているところであります。

○川田龍平君 この死因究明の資料を見ていると非常に興味深いものがありまして、特に都道府県ごとの大学の法医学教室における人員数などは大変ばらつきもある中で、各県に常勤医師が一人しかいないところなどもあって、例えば福井県ですとか青森県なんかも常勤医師一人しかいません。青森県の常勤医師一人のところで二百六十二体扱っているところなんかもあって、一人でこれだけやっているのかというところもありながら、そうでない県は複数いるんですけれども、数はそんなに、そんなに数がないところもありますので、是非、本当にこの人材をしっかり確保していくこと大変重要ではないかというふうに思っています。
 次に、チャイルド・デス・レビューのことについて伺います。
 死因究明等推進基本法の附則においては、法施行後三年後を目途として、子供が死亡した場合におけるその死亡の原因に関する情報の収集、管理、活用の仕組みについて検討を加えることとされています。
 予防可能な子供の死亡を減らす目的で、児童相談所、医療従事者、警察など多くの職種の専門家が連携して系統的に死因調査を実施し、登録された情報を検証し、効果的な予防策を講じて介入を行おうとする制度としてチャイルド・デス・レビューがあります。チャイルド・デス・レビューの推進により、子供に限らず、成人も含めて、安全で安心して暮らせる社会や生命が尊重され個人の尊厳が保持される社会の実現に寄与するものと考えられます。
 厚生労働省では、このチャイルド・デス・レビューに取り組む体制を整備するモデル事業を進めていると認識していますが、改めてチャイルド・デス・レビューについての政府の見解と今後の取組方針について伺います。
○副大臣(山本博司君) 委員御指摘、今ございました、子供が不慮の事故等で亡くなるケースが多くある中で、効果的な予防策を導き出して予防可能な子供の死を防ぐということは大変重要でございます。
 そのため、厚生労働省では、令和二年度から、実施体制等の検討を目的としまして、七府県で予防の、子供の死亡検証、チャイルド・デス・レビュー、体制整備モデル事業、これが実施されている次第でございます。令和三年度におきましても、予算一・一億円で引き続きこのモデル事業を継続しているところでございます。
 こうしたモデル事業の実施状況を踏まえまして、関係省庁とも連携しながら今後の制度化に向けて検討を行ってまいります。
○川田龍平君 次に、自殺対策について、令和二年におけるこの自殺者数は二万一千八十一人であり、前年よりも九百十二人増加をいたしました。死亡者数はリーマン・ショック以降これまで十年連続で減少していましたが、十一年ぶりに増加に転じました。特に女性や若年層の増加が目立っており、新型コロナの感染拡大に伴う外出自粛や生活環境の変化が影響したのではないかという分析もあります。
 自殺対策については、集中的に財政措置を講じれば解決するという単純なものではなく、対象がほかでもない人間一人一人であることからも、長期的な視点で丁寧に対応していくことが重要と考えられます。
 自殺者数が増加に転じている現状を踏まえると、従来の自殺対策のままでは不十分という見方もありますが、新型コロナが及ぼす自殺者の増加に、影響をどのように受け止め、そして今後どのような対策を講じていくつもりでしょうか。
○副大臣(山本博司君) 今委員が御指摘されましたように、令和二年の自殺者数は確定値で二万一千八十一人、対前年比九百十二人増でございまして、十一年ぶりに前年を上回った次第でございます。男女別で見ますと、男性は対前年比二十三人の減少と、十一年連続で減少いたしましたけれども、女性は対前年比九百三十五人の増加、一五・四%となっております。また、小中高生の自殺者数は四百九十九人、前年比で約二割増で過去最多となっている次第でございます。多くの方が亡くなられている現実を重く受け止めなければならないと考える次第でございます。
 自殺の原因、動機は様々かつ複合的な場合が多いと思いますが、女性の自殺の背景には健康問題、経済・生活問題、勤務問題、DV被害や育児の悩みなどでございます。また、二十歳未満の自殺の背景には、学校問題、特に進路に関する悩み、学業不振、学友との不和、また健康問題などがあると承知をしております。
 厚生労働省では、自殺を考えている方に対する電話相談や、女性や若者の利用が多いツールでありますSNSでの相談等の体制の拡充、これに努めるほか、やむを得ず職を失った方へのきめ細やかな就労支援、さらには生活資金でお悩みの方への支援を行っています。
 自殺の動向に関する分析なども踏まえながら、引き続き、自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指し、総合的な対策を推進をしてまいります。
○川田龍平君 我が国では、地域レベルの実践的な取組を中心とする自殺対策への転換を進めており、健康問題や経済的困窮など自殺の背景にある様々な要因に対し、自治体の保健福祉部局やハローワークなどの現場と緊密に連携することがますます重要になるとされ、平成二十八年に自殺対策は内閣府から厚生労働省へと移管されました。
 また、政府は本年二月、省庁横断で孤独・孤立問題に対応するため、孤独・孤立対策担当室を内閣官房に設置し、坂本一億総活躍担当大臣が孤独・孤立対策を担当するとされました。政府一体となって自殺の起因の一つにもなっているとされる孤独・孤立対策を講じていくこと自体には意義があると考えますが、対策に血が通った実効性のあるものとなるよう取り組んでいただきたいと思います。
 現状では、政府の自殺対策の中心的役割は厚生労働省が担っているものと認識していますが、孤独・孤立対策担当室が内閣官房に設置されたことで政府内の自殺対策の取組に影響はあるのか、また厚生労働省と孤独・孤立対策担当室の役割分担や連携について伺います。
○副大臣(山本博司君) これまでも、自殺対策は厚生労働省、また子供の貧困対策は内閣府、学校における対策は文科省、住宅支援は国交省など、各省庁においての孤独・孤立関係の対策の取組を進めてきた次第でございます。今後は、坂本大臣の下で担当室が司令塔となって、政府一体となって取り組んでいるものと承知をしている次第でございます。
 自殺の背景には様々な要因があり、かつそれらが複合的に関係している場合も多く、その一つとして望まない孤独、孤立の問題もあると考えられます。
 厚生労働省としては、この孤独・孤立対策の柱の一つとして、先日の閣僚会議にて取りまとめられました非正規雇用労働者等に対する緊急支援策に基づき、NPO等が行うSNSを通じた相談等の取組への支援など、自殺対策の強化に取り組んでいるところでございます。
 引き続き、孤独・孤立対策担当室と緊密に連携しながら、自殺対策を進めてまいります。
○大臣政務官(吉川赳君) 内閣府の立場から申し上げます。
 委員御指摘のとおり、自殺の原因ということは多岐にわたるわけでございまして、先ほど厚生労働副大臣の方からもありましたが、一方で、例えば子供、若年層の自殺ということになりますと、不登校、いじめ、これは文科省になるわけであります。また、例えば住むところがない、こういったことに関しては、現在、国土交通省の方で相談窓口を設置しております。そういった多岐にわたる原因、これをしっかりと横断的に、また総合的に情報共有するというのが孤独・孤立室の一つの役割である、そのように御認識をいただければと思います。
 さらには、こういった孤独、孤立、さらには自殺問題に取り組む民間NPOの皆様方、そういった皆様方の取組をまとめることであるとか、さらには識見を活用していく、そういった観点からも、三月十二日には、坂本大臣を議長として、全省庁の副大臣が出席をする形で孤独・孤立対策に関する連絡調整会議を開催したところであります。
 今後も、答弁にもありましたが、厚生労働省を始め各省庁と緊密な連携の下に、政府一体となって施策を推進してまいりたいと思います。
○川田龍平君 是非、連絡調整会議を定期的に開くなど、しっかり力を入れてやっていただきたいと思います。
 警察庁のまとめでは、二〇二〇年における小中高校生の自殺者は前年に比べて百人増加し、四百九十九人に上りました。これは統計が残る一九八〇年以降で最多です。特に、女子高校生は八十人から百四十人へと大幅に増加しており、コロナ禍の長期休校が明けた六月や、短縮された夏休みが明けた八月に自殺者が突出して多くなっています。児童生徒が自ら命を絶つことはあってはならないことであり、より一層の対策強化に取り組むことは喫緊の課題です。
 自殺を防止するという観点からは、死因究明等推進基本法に基づき検討が進んでいるチャイルド・デス・レビューが、自殺の背景分析などを通じ自殺対策にも貢献し得るのではないかと考えられます。自殺を予防するという観点から、チャイルド・デス・レビューを自殺対策に活用することについて政府の見解を伺います。
○副大臣(山本博司君) 先ほども述べさせていただきましたこのチャイルド・デス・レビューに関しますモデル事業に関しましては、自殺事例を含めた子供の死亡事例を検証対象とするものでございます。
 厚生労働省としては、今後、このモデル事業の検証を通じまして、その活用策も含め、制度化に向けて検討を進めてまいります。

○川田龍平君 緊急要望の中には、中学生、高校生、大学生向けのゲートキーパーの育成支援も盛り込まれています。自殺の危険を示すサインに気付き、声を掛け、話を聞き、必要な支援につなげ、見守る、この命の門番とも呼べるゲートキーパーの存在が、様々な悩みを抱えながら支援にたどり着くことができず自殺へと追い込まれる生徒児童を救うためには重要です。ゲートキーパーには特別な資格はなく、誰もがその役割を担うことができます。
 だからこそ、政府は全国の自治体と連携し、ゲートキーパー養成のための研修をより積極的に実施していくべきです。また、自治体や政府内の職員が率先して研修を受講することも重要です。
 そこで、ゲートキーパー養成のための研修の実施について、政府の見解を伺います。
○副大臣(山本博司君) 自殺の危険を示すサインに気付き、声を掛け、話を聞き、必要に応じて専門家につなぎ、そして見守るという役割を担うゲートキーパーでございますけれども、悩んでいる人の孤立を防ぎ、安心を与える存在でございます。
 このゲートキーパーの役割を担う人材の養成は、自殺対策における重要な課題であると、こう承知している次第でございます。この養成につきましては、自殺総合対策大綱におきまして、国民の約三人に一人以上がゲートキーパーについて聞いたことがあるようにすることを目指すとされておりまして、厚生労働省では、自治体におけるゲートキーパーを養成する取組の支援をするほか、ゲートキーパー手帳やゲートキーパー養成研修用テキスト、これを作成するなど、広く周知に努めている次第でございます。
 さらに、自殺予防週間、九月十日から十六日であるとか、自殺対策強化月間、これは三月でございますけれども、それに合わせまして広報ポスターや動画広告を作成し、このゲートキーパーについての集中的な周知に取り組んでいる次第でございます。
 引き続き、自治体におけるゲートキーパーの養成に向けた取組への支援を始めとして、誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指し、総合的な対策を進めてまいります。

○川田龍平君 最後、ちょっと通告していないんですけれども、厚労副大臣に。
 是非、今、自殺対策、それから死因究明と質問させていただいてまいりましたが、本当にこの中心となる省庁が厚生労働省であります。副大臣には是非本当にここは力を入れてしっかり頑張っていただきたいと思いますので、ひとつここは決意を是非一言いただければと思います。
○副大臣(山本博司君) 今日の川田委員の御指摘の中で大変大事な点だと思います。やはり、命を救っていくということのこの大切な施策ということをしっかり取り組んでまいりたいと思います。