参議院 財政金融委員会 第12号 令和4年4月26日
第208回国会 参議院 財政金融委員会 第12号 令和4年4月26日
○山本博司君 公明党の山本博司でございます。
まず初めに、FRC報告に関してお伺いをいたしたいと思います。
このFRC報告は、金融再生法第五条に基づき、おおむね六か月ごとに国会に報告するものでございまして、今回の報告の対象期間においては、管理を命ずる処分は行われていないということでございました。
一九九八年十月に成立しました金融再生法は、金融早期健全化法と併せまして、その当時、金融機関が相次いで破綻するという事態が発生し、日本発の世界恐慌の恐れが現実味を帯びる中で、それを回避するために作られた重要な法律でございます。その後二十年以上が経過しておりますけれども、定期的に国会が関与する仕組みがあるというのは大きな意義があると考えます。
三月十六日の当委員会におきまして、私は、地銀を始めとする地域の金融機関の経営状況についてもお聞きをした次第でございます。現状は、地域の金融機関は自己資本比率等を見ても充実した財務基盤を有していて、金融システムは総じて安定をしているということでございました。
しかしながら、人口減少など構造的な厳しい経営環境が続いているとともに、新型コロナの長期化による影響やウクライナ情勢による物価変動など、足下のグローバルな金融資本市場の動向によりましては予期せぬ事態が起きるとも限りません。我が国の経済は失われた三十年とも言われておりまして、令和を迎えてもなおデフレ脱却が道半ばにあります。今後も、この金融市場の動向について継続的にしっかりとウオッチしていただき、この金融システムの安定確保に間違いのない判断をお願いをしたいと思います。
そこで、地域のこの金融機関のモニタリングに関しましてどのような取組をしているのか、金融庁に確認をしたいと思います。
○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。
今お尋ねのございました地域金融機関につきましては、現時点において総じて充実した資本基盤を備えており、健全性を確保していると考えております。
ただ、他方で、新型コロナウイルスの感染状況、ウクライナ情勢などが地域を含めた経済状況や金融市場などに今後どのような影響を与えていくのか不透明な部分がございますので、金融庁といたしましては、こうした点も含めて地域金融機関の状況を注視していくこととしてございます。
また、人口減少など構造的に厳しい経営環境が続く中で、地域金融機関が健全性を確保しつつ将来にわたって地域に貢献していくと、そのためには自ら経営改革を進め、経営基盤の強化に取り組んでいただく必要があるというふうに考えておりまして、こうした点についてもしっかりとモニタリングをしていきたいというふうに考えてございます。
○山本博司君 ありがとうございます。しっかりと万全な対応をお願いをしたいと思います。
それでは、ここから新型コロナのワクチンに関する国際協力の在り方につきまして質問をしていきたいと思います。
私は、昨年秋まで厚生労働副大臣としてこの新型コロナ対策を担当しておりました。また、内閣府のワクチン接種推進担当の副大臣として、ワクチンの確保や供給体制の確立に取り組んでまいった次第でございます。在任当時、G7の、またG20の保健大臣会合など参加いたしまして、国際協調の必要性ということを肌で実感をしてまいった次第でございます。
この新型コロナ対策につきましては、このワクチンの開発、また普及が大変重要でございまして、世界共通で取り組むべき大きな課題でございます。我が国はこれまでの技術や知識を生かして新型コロナの克服に向けた国際的な取組を牽引していく役割を担うべきでございまして、実際大事な役割を担っていると思います。
この途上国へのワクチン支援につきまして、我が党、公明党といたしましても積極的に後押しをしてきたところでございます。
ワクチンに関する国際協力の枠組みといたしまして、COVAXファシリティーがございます。これは、国家の経済力によらないでワクチンへのアクセスを確保するための枠組みでございまして、国際協力の下で低所得の国々に対しましてワクチンをお届けをする仕組みでございます。人道上の意義も大きくて、我が国としてもこの資金貢献を約束して、これまでも積極的に関わってきているところでございます。
今月の八日には、COVAXワクチンサミット二〇二二、これが開催されまして、岸田総理大臣もオンラインで参加をされまして、最大五億ドルを追加する方針を表明されたと伺っている次第でございます。また、世界にはワクチン格差が残されている、このことにつきましても言及されまして、ワクチン供給の課題解決に向けて日本が積極的に取り組む姿勢を示されている次第でございます。
そこで、外務省にお聞きしますけれども、このワクチンサミットの概要とCOVAXファシリティーにおけるこれまでの我が国の対応方針、御報告をいただきたいと思います。
○政府参考人(原圭一君) お答え申し上げます。
四月八日、COVAXワクチンサミット二〇二二がオンライン形式で開催されまして、岸田総理がビデオメッセージで参加をされました。会合には、ショルツ・ドイツの首相、ジョコ・インドネシア大統領、トルドー・カナダ首相、ブリンケン米国国務長官等、二十四か国・地域の首脳級、閣僚級のほか、グテーレス国連事務総長及びテドロスWHO事務局長等の国際機関の長や、市民社会、企業の代表等が参加をされたところでございます。
この会合で岸田総理からは、新型コロナを真に克服するためには世界のあらゆる国・地域でワクチンへの公平なアクセスを確保することが鍵になるとして、国際社会で結束して危機を乗り越えることを呼びかけていただきました。
また、我が国がこれまでにCOVAXへの合計十億ドルの財政的貢献や四千四百万回分以上のワクチンの現物供与、さらにはコールドチェーンの整備等を目的としたラストワンマイル支援等のワクチン関連支援を行ってきたことを紹介いただいた上で、COVAXに対して、今次増資や取組の状況を踏まえ、最大五億ドルの追加拠出を行うことを表明し、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成を目指し、引き続きリーダーシップを発揮していく考えを示していただいたところでございます。
○山本博司君 こうした資金拠出、とても重要でございます。これからも着実な積み上げ、お願いをしたいと思います。
この我が国の対応によりまして、様々な地域でワクチン供給が可能となった次第でございます。COVAXファシリティーを通じた具体的な実績ということについて報告をいただきたいと思います。
また、COVAXファシリティーとは別に、我が国独自にワクチンの現物供与につきまして取り組んできた実績もあるということでございますので、その点も報告をいただきたいと思います。
さらに、総理も言及されましたワクチン格差への対策として、ラストワンマイル支援というのが現地のニーズを踏まえた時宜にかなった支援であるとして各国・地域から高い評価が寄せられていると、こう伺っておりますので、この実績に関しましても報告をいただきたいと思います。
○政府参考人(原圭一君) お答え申し上げます。
我が国は、あらゆる国・地域において新型コロナワクチンへの公平なアクセスの確保が重要と考えておりまして、COVAXに対する合計十億ドルの財政支援に加え、約四千四百万回分のワクチン供与を行ってきております。また、今回最大五億ドルの追加拠出を表明したところでございます。
COVAXは、こうした我が国を始めとするドナーの支援を受け、これまでに百四十五の国・地域に約十四億回分のワクチン供給を実現してきております。特に、低所得国におきましてはワクチンの約八割がCOVAXによって供給されているなど、ワクチンへの公平なアクセスの確保に大きく貢献していると認識しております。
日本から供与したワクチンが届いた各国・地域におきましては、ワクチンの到着や引渡し式典の様子が現地のテレビや新聞などのメディアで大きく報じられたほか、SNSなどを通じても感謝の声が寄せられているところでございます。
途上国のワクチン接種率の向上に向けましては、ワクチンの供給のみならず、輸送や接種能力の強化が重要となります。日本は、ワクチンを接種の現場まで届けるためのコールドチェーン体制の整備等を行うラストワンマイル支援を七十七か国・地域、総額約百八十億円規模で実施しております。この中で、医療関係者等に対する能力強化支援、ワクチン忌避対策等も行うこととしておりまして、また関連の国際的な議論も主導している、そういう状況でございます。
○山本博司君 ありがとうございます。
こうした途上国にワクチンが届いていたとしても、一人一人に確実にこのワクチン接種ができる体制が取れなくては効果がないわけでございます。世界今どこかで新たな変異株が生まれ、イタチごっこが続いているという状況もございますし、残念なことに、アフリカなどにおきましては、コロナワクチンの有効期限が切れて大量に廃棄されたり、あるいは忌避されて多くが返還されているという国もあるというふうに聞いております。
先ほどありましたこの保冷整備や運搬用車両等の機材の技術というのは、我が国が持っているオペレーションの高いノウハウ、この活用をして、この支援をしっかりお願いをしていきたいと思います。
次に、財源に関して確認をしたいと思います。
これまで拠出済みの十億ドルの貢献に追加して今回最大五億ドルの拠出を行うことを表明したことで、合計十五億ドルの資金的な貢献をすることになっております。
令和三年度の補正予算では七百一億円の予算を計上しておりましたけれども、これからの追加拠出につきまして予算措置どのように行うのか。五億ドルというと約五百億円強の予算になりますので、継続的に予算を確保することが大切になると思います。
そこで、これまで拠出してきた資金の予算措置に関しまして、外務省に確認をしたいと思います。
○政府参考人(原圭一君) お答え申し上げます。
日本政府によるCOVAXに対する合計十億ドルの財政支援につきましては、外務省及び厚生労働省が拠出をしてきているところでございます。
具体的に申し上げれば、まず、令和二年度予算で外務省から一・二億ドル、厚生労働省から二・三億ドル、合計三・五億ドル、さらに、令和三年度予算で外務省から先ほど言及いただきました六・五億ドルをそれぞれ拠出いたしました。
なお、今回表明をしました最大五億ドルの追加拠出につきましては、資金確保の状況やCOVAXによるワクチン供給の取組状況等も踏まえ、COVAX側とも意思疎通しながら、効果的なワクチン供給に資するよう関係省庁間で連携してしかるべく拠出を行っていく考えでございます。
○山本博司君 ありがとうございます。
次に、CEPIに関して伺いたいと思います。
このCOVAXファシリティーの枠組みとは別に、官民連携でワクチン開発に取り組む国際団体であります感染症流行対策イノベーション連合、略称CEPIと呼ばれる枠組みがございます。CEPIは、人類が新型コロナを始めとした感染症に脅かされることのないように、ワクチンの研究開発を促進するための国際的な官民連携のパートナーシップでございます。公明党としても、このCEPIに対しましてこれまで資金拠出の支援等を要望してまいりましたけれども、これを踏まえて、本年二月に政府として今後五年間で三億ドルの新たな拠出を行う方針が示されたと承知をしている次第でございます。
そこで、厚生労働省から、我が国のCEPIの資金拠出による効果、またCEPIとの連携強化について、その内容と意義を確認をしたいと思います。
○政府参考人(浅沼一成君) お答えいたします。
我が国におけるCEPIへの資金拠出につきましては、二〇一七年から二〇二一年までの五年間で合計二・二億ドルを拠出し、新型コロナウイルス、COVID―19ワクチンなどの開発に貢献いたしました。また、二〇二二年二月には、今後五年間で新たに三億ドルの拠出について表明を行ったところでございます。二〇二二年四月には、日本電気株式会社、NECのプロジェクトが日本企業として初めてCEPIに採択され、AI技術を用いたコロナウイルス向け次世代ワクチンの開発に貢献することとしております。
なお、今回の新規拠出につきましては、現行のパンデミックのみならず、将来のパンデミックに備えた国際的なワクチン開発の期間短縮や新たなワクチン製造技術の開発を目指すものでございます。
○山本博司君 ありがとうございます。
このCEPIは、二〇二二年から五年間の戦略におきまして、新型コロナ変異株、また未知のウイルスに備えたワクチン開発の投資を掲げまして、ワクチン開発に掛かる期間を百日以内に短縮することも目指している次第でございます。
この国際保健の分野では、資金拠出だけでなく人材や技術、製品での貢献も大事でございまして、我が国の企業や大学などがCEPIの取組に参加できるような施策の充実、これが必要ではないかと考えます。
現在、新型コロナウイルス用のワクチンは、世界で約三十使われていると聞いております。しかし、この三十のワクチンの中に日本製のワクチンは一つも使われておりません。国産のワクチンがいまだまだ実用化されていないからでございます。
このワクチンを国内で開発、生産できる体制を確立をしておくということは大変重要であるとともに、国際社会におきまして日本製のワクチンを流通させることが我が国のプレゼンスを高め、ひいては経済安全保障の観点からも極めて重要であると考える次第でございます。これまで二年間、様々な予算をこの分野に投入してきましたけれども、やはりもう具体的に成果を出していかなくてはならない状況になっていると思います。
我が国のワクチン供給体制の強化につきまして、政府を挙げた取組を求めたいと思いますけれども、取組状況に関して説明を求めたいと思います。
○政府参考人(宮崎敦文君) お答え申し上げます。
新型コロナワクチンを国内で開発、生産できる体制を確立しておくことは、委員御指摘のように、安全保障上も含めまして極めて重要であると考えております。
このため、厚生労働省といたしましては、新型コロナワクチンの開発、生産に取り組んでおります国内企業に対しまして、生産体制の整備への補助、有効性を検証する臨床試験の実施費用に対する補助などの取組を行ってきたところでございます。例えば、令和三年度補正予算におきましては関連する予算として約二千五百六十二億円を措置するなど、累次の予算措置を講じてきてこのような取組を行ってきているところでございます。
昨年六月には、ワクチンの研究開発や生産体制を大きく前進させるために、政府が一体となって長期継続的に取り組む国家戦略として、ワクチン開発・生産体制強化戦略が閣議決定されたところでもございます。
こうしたものを踏まえまして、関係府省とも連携をし、引き続き国内での開発、生産の基盤整備を後押ししていきたいと考えております。
○山本博司君 ありがとうございます。
政府を挙げたこの取組、大変大事になりますけれども、それとともに、民間資金の更なる活用を図っていって、このオールジャパンで取り組むことも大変重要であると思う次第でございます。
そこで、経産省にお聞きをいたします。
政府では、一つの例として貿易保険の仕組みを活用して金融支援を行い、アフリカ諸国のワクチン調達の後押しをしているとも伺っている次第でございます。貿易保険を付けることで、返済が焦げ付いた場合に邦銀の融資を政府が保証する仕組みを取っておりまして、リスクを回避できると思います。
こうした枠組み大変大事であると思いますけれども、この民間の資金支援を促す取組に関しましてどのように実施しているのでしょうか。
○政府参考人(弓削州司君) お答えを申し上げます。
委員御指摘のとおり、途上国における様々な社会課題の解決のためには、政府による資金支援のみではなく、民間資金を活用することは極めて重要であると考えております。このような考え方の下で、株式会社日本貿易保険、NEXIは二〇二〇年十二月にLEADイニシアティブを創設し、SDGsの達成や社会課題の解決、国際連携等に貢献する案件について先導的要素を認定し、日本の金融機関からこれらの案件の融資に対する保険を積極的に引き受けているところでございます。
本年二月には、株式会社三菱UFJ銀行等がアフリカ輸出入銀行向けに行った約二億ドルの融資につきまして、NEXIが貸付保険を引き受けました。この融資による資金は、アフリカ各国向けのワクチンを一括確保、配分する仕組みでありますAVATを通じてアフリカ自身によるワクチン調達の努力を支えることになっております。NEXIは、LEADイニシアティブにより二〇二五年までに一兆円規模の案件形成を目指しているところであり、経済産業省としても、NEXIとともに、新型コロナウイルスへの対応含めて引き続き社会課題解決等への民間資金の活用を後押ししてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○山本博司君 ここで財務大臣にお伺いをしたいと思います。
令和三年六月のCOVAXワクチンサミットにおきまして、当初の二億ドルから更に八億ドルを追加拠出して、合計十億ドルの貢献を行うことを表明いたしました。そして、今回のワクチンサミットにおきましても、総理から五億ドルの追加拠出について表明があった次第でございます。いまだコロナ禍の収束の兆しが見えない状況の中では、このワクチンの確保、これは今後とも続くことになる次第でございますし、資金拠出につきましては、今後の予算においてもしっかりと予算措置をしていく必要があると思います。この予算確保につきましては、継続的に財務省としても御理解、御協力をいただきたいと考えますけれども、大臣の見解を伺います。
○国務大臣(鈴木俊一君) あらゆる国・地域におきまして、新型コロナウイルスに対するワクチンへの公平なアクセス、これが確保されることは大変重要であると考えておりまして、我が国としては、令和三年度補正予算において七百一億円を計上するなどして、COVAXにこれまで総額十億ドルを拠出し、その取組を後押ししてきたところでございます。
さらに、御指摘がありますとおり、先般、岸田総理がCOVAXワクチンサミットにおいて、今次増資や取組の状況を踏まえつつ、最大五億ドルを追加で拠出することを表明をいたしまして、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成を目指して、引き続き日本としてリーダーシップを果たしていく決意を示すことができたと、そのように承知をしております。
途上国等におけるワクチンの公平なアクセスに向けては、これらの取組を着実に今進めていくことが重要であるわけでありまして、今後とも、外務省を始めとする関係省庁としっかり議論してまいりたいと思っております。
○山本博司君 是非とも予算面も含めてお願いをしたいと思います。
次に、グローバルヘルス戦略について伺います。
ここまではワクチンの供給体制に関して見てまいったわけですけれども、感染症対策を始めとして、こうした国際保健の分野は我が国が国際社会に貢献できる大事な分野でございます。我が党では、本年二月に国際保健推進委員会を設置しました。これは、感染症対策を始めとする保健分野で我が国が国際貢献できるように一段と注力する姿勢を示したものでございまして、近日中に提言をまとめて政府に提出したいと考えております。内閣府では、この五月をめどにグローバルヘルス戦略をまとめる方針と伺っておりますけれども、その検討状況、御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(西村秀隆君) お答え申し上げます。
新型コロナウイルスの世界的流行を契機に、グローバルヘルス、すなわち地球規模の健康課題への対応の重要性は非常に高まってきております。このため、現在、健康・医療戦略推進本部の下で、グローバルヘルス戦略の策定に向けた検討を行っているところでございます。
検討中の同戦略においては、公衆衛生危機への予防、備え、対応の強化と、ポストコロナ時代に求められるより強靱、公平、持続可能なユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成、こうしたことを政策目標として考えているところでございます。さらに、戦略の実現に向けた国際機関、官民連携基金への拠出、二国間協力の推進、産学官、市民社会等の多様なステークホルダーとの連携強化、こういったことについても議論をしているところでございます。
同戦略は、更なる議論を経た上で、五月中をめどに健康・医療戦略推進本部で決定を行う予定としているところでございます。
○山本博司君 是非ともこのユニバーサル・カバレッジの達成目指して取り組んでいただきたいと思います。
SDGs、持続可能な開発目標の三では、全ての人に健康と福祉をということで、保健分野の重要性が示されております。
私は、二〇二〇年一月、ちょうどコロナの感染拡大直前でございましたけれども、参議院のODA調査班としてブータン王国を訪れた次第でございます。そこで我が国から無償資金協力で救急車五十五台、さらにはCTスキャンやエックス線撮影装置、マンモグラフィー等の高度機材が提供されておりまして、隣のインドまで行くことなく様々な検査ができるようになり、大変喜ばれた次第でございます。
ODAは、道路また農業協力などのこうした経済インフラの整備が中心だったと思いますけれども、今後は保健分野も含めて大変大事だと思いますけれども、外務省の見解をこの点に関して聞きたいと思います。
○委員長(豊田俊郎君) 申合せの時間が参っておりますので、答弁の方は簡潔にお願いします。
○政府参考人(原圭一君) お答え申し上げます。
我が国は、人間の安全保障を確保する上で不可欠な分野として、これまでも保健分野、人道支援を始めとする基礎生活分野の支援を重視してきております。
新型コロナの世界的な感染拡大により、保健分野のODAの重要性が改めて確認された次第です。また、各国が新型コロナへの喫緊の対応に迫られる中、三大感染症や母子保健、保健システム強化等、コロナ発生以前からの保健課題の取組にも停滞が見られ、保健分野における貢献は依然として重要な状況でございます。
このような中、我が国といたしましては、人間の安全保障の考え方の下、引き続き、国際保健を外交の柱の一つと据え、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成に向けて取り組んでいく考えでございます。
政府としては、保健分野でのODAの積極的活用を図り、関係省庁及び官民で緊密に連携し、引き続き保健分野の国際貢献の推進に努めてまいりたいと考えております。
○山本博司君 質問を終わります。