本会議 第8号 平成28年11月2日
○山本博司君 公明党の山本博司でございます。
公明党を代表して、公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律案につきまして質問させていただきます。
質問に先立ちまして、三笠宮崇仁親王殿下の薨去につき、謹んで哀悼の意を表します。
それでは、質問に入ります。
公的年金の受給資格を得るための加入期間が現行の二十五年から十年に短縮される本法案によって、無年金者対策は大きく前進します。
この無年金者対策は、元々は、二〇一二年の民主、自民、公明三党による社会保障と税の一体改革で決めた施策であります。一七年四月に消費税率一〇%への引上げで財源を確保して実施する予定でしたが、消費税率引上げが二年半延期されたことから、今回の無年金者対策も先送りされるのではと懸念をされていました。
このため、本年六月二十一日の党首討論会で山口代表が安倍総理に対し、アベノミクスの効果がまだ及んでいない年金生活者などに効果が及ぶ政策をと訴えるとともに、公明党は、さきの参議院選挙の重点政策に、消費税率の引上げを待たずに実現すべきと無年金者対策の推進を掲げ、国会質問等を通じて一貫して早期実施を訴えてまいりました。こうした公明党の主張が大きな後押しになったものと確信をしております。
受給資格の短縮によって約六十四万人が新たに年金を受け取れるようになり、将来にわたって無年金となる人を大きく減らすことのできる画期的な法案であります。年金を受け取れる人の裾野が大きく広がる重要な対策ではないでしょうか。
そこで、改めて塩崎厚生労働大臣に、年金受給資格を短縮する本法案の意義について見解を伺います。
一方、今回の措置により六十万人を超える人々が新たに年金受給資格を得ることになります。そのため、現場で混乱のないよう丁寧な対応が求められます。具体的には、新たに年金を受け取れるようになる人に対して年金請求書が送付され、これを返信することから手続が始まると聞いております。実際は来年の十月から支給が始まると承知していますが、対象者であっても自動的に年金が振り込まれるわけではないことや、また申請者が書類を見逃したり申請を忘れたりする可能性もあるため、しっかりと周知徹底していくことが重要であります。こうした手続も含めて、政府には万全の体制で臨んでいただきたいと思いますが、塩崎厚労大臣にその御決意を伺いたいと思います。
また、受給資格が二十五年から十年に短縮されるとはいえ、加入期間が十年より長ければ長いほど受け取れる年金額は増えるのも事実です。そのため、できるだけ長期間の加入や保険料の後払い制度の周知などにも努めてもらいたいと思います。塩崎厚労大臣にその見解を伺います。
単身高齢者の増加や平均寿命などの延びを踏まえ、高齢期の所得保障に占める年金制度の役割はますます重要になっており、最低保障機能を高める制度の改善は重要であります。当然、今回の無年金者対策が無年金者の新たな支えの一助になることは間違いありません。しかし、年々高齢化が進む中で、安心できる社会保障の実現が急務になっています。
そこで、無年金者対策の充実に加え、医療や介護など高齢者の暮らし全体を支える仕組みづくりが求められています。社会保障全体の見直しの中でそうした仕組みをどうつくっていくのか、塩崎厚労大臣の答弁を求めます。
公明党は、増え続ける社会保障費に対し、社会保障制度を将来にわたって持続可能なものにしていくため、社会保障の充実と併せ、社会保障財源を確保するための社会保障と税の一体改革はぶれることなく断行すべきと考えます。まずは、子育てや介護、低年金者対策など、消費税率引上げ時に予定していた社会保障充実のための施策の可能な限り早い実施に向け真正面から取り組んでいくことをお誓い申し上げ、私の質問とさせていただきます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣塩崎恭久君登壇、拍手〕